
ランサー1600GSR A73(1973)
当時の三菱スポーティ・カーでは、ストリート・レーサー風な“押し出し”でウケていたのがクーペ・ボディのGTO/FTO。一方、リアル・スポーツとしてならコッチだぜと、事情通(?)に注目されたのがランサーだった。
スポーツ・クーペ二車のベースとなったのはギャランだったが、ランサーはそれより一回り小さい、コンパクトな軽量ボディ。ラリーで勝ちたいクルマなんだというコンペティティブなコンセプトとメッセージも、マーケットにしっかり伝わって、このクルマは“走り好き”に好まれた。
今日の「ラン・エボ」、つまり1980年代のランサーEXからランサー・エボルーションへという高性能マシンの系譜は、ネーミングとしても、また内容的にも、このオリジナル・ランサーを継承したものだ。
1960~70年代は「スポーツ」で強いというイメージは販促には有効で、その闘いの場をサーキットにするかラリーにするか。その意味で当時の三菱は、二つの方向に巧みに自社モデルを振り分けていたことになる。
トップエンドのモデルは、排気量アップとツインキャブで“武装”した1600GSRだったが、これは競技用ともいえる、いわばレア物。フツーの“走り好き”にはちょっと手が届かず、実際に自分で走らせて、その運動性を楽しむクルマとして人気を得たのは「1400SL-5」だった。このグレード名にある「5」とは、5速ミッションのMT仕様ということ。当時、ラインナップ中に「5速車あり!」とは確実にニュースで、アピールポイントだったのである。
(ホリデーオートBG 2000年3月より加筆修整)(フォトは基準車)
◆「1600GSR」の搭載エンジンを、当初、DOHCであるとして記事化しましたが、ぶろーに様よりのご指摘で、正しくは「SOHC+ツインキャブ」のエンジンであることがわかりました。ぶろーに様、ご指摘ありがとうございます。上記のように修正致します。
Posted at 2016/09/19 02:15:44 | |
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