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2021年10月20日 イイね!

De Rosa Titanio と Gewiss Ballan Team

De Rosa Titanio と Gewiss Ballan TeamDe Rosaが初めてチタンフレームを製作したのは1991年とされています.当時チタンフレームの製作ではアメリカのLitespeedが最も実績があり,Ugo De Rosaと次男のDoriano De RosaがLitespeedを訪れてチタンフレームの製作技術を学んだようです.1990年代前半頃はBianchiやEddy Merckxなどがチタンフレームの製作をLitespeedに委託していたため,De RosaのチタンフレームもLitespeed製ではと噂されたことがありましたが,De Rosaのチタンフレームは当初からDoriano De Rosaが製作していたようです.Doriano自身もLitespeed製という噂を否定しています.リアエンド取付方法などがLitespeedとは明らかに異なり,De Rosaの初期のチタンフレームにはLitespeedと比べてプリミティブな印象があります.ただ,Evgeni Berzin選手が当時のレースで使用していたTTバイクのフレームはLitespeed製だったようです.

Gewiss Ballan Teamはイタリア企業のGewissとBallanがスポンサーとなって1994年から1995年にかけてヨーロッパのロードレースに参戦したチームです.多くの戦績を残していますが,とくにEvgeni Berzin選手による1994年Giro d’Italia総合優勝や,Piotr Ugrumov選手による1994年Tour de France総合2位の成績などで知られます.この1994年のGewiss Ballan Teamが使用したのがDe RosaのチタンフレームTitanioでした.

1994年のレースでの活躍を受けてGewiss Ballan TeamカラーにペイントされたDe Rosa Titanioが所謂レーサーレプリカとして売られ,さらに普及モデルとしてColumbusのスチールパイプBrainを用いたDe Rosa Giro d’ItaliaというモデルがGewiss Ballan Teamカラーで販売されました.

この時期のDe Rosa Titanioは現在もeBayなどで時々見かけますが,チェーンステーがストレート形状のものとテーパー形状のものがあります.1994年のロードレースの写真などを見ると,1994年前半にGewiss Ballan Teamが使用していたDe Rosa Titanioのチェーンステーはストレート形状で,1994年後半のグラデーションカラーのTitanioにはストレート形状とテーパー形状の両方があるようです.このため,チェーンステー形状の変更は1994年の途中に行われたものと思いますが,私のTitanioのチェーンステーはストレート形状です.私のTitanioはミラノ郊外の個人から購入したもので,1995年モデルということでしたが,製作時期と購入時期のずれなども考えられ,1994年製の可能性が高いと思います.

この頃のDe Rosa Titanioに使用されたフレームパイプはColumbusのHyperionという銘柄のTi-3Al-2.5V合金製パイプです.Hyperionはギリシャ神話のTitan12神の1柱で,太陽の神Helios,月の女神Selene,曙の女神Eosの父ですが,元素名のTitaniumもギリシャ神話のTitanにちなんでいることからチタンパイプの銘柄として用いられたものかと思います.1994年のイタリアの自転車雑誌にはColumbusのHyperionプロジェクトで開発された冷間引抜パイプと書かれています.

また,HyperionがDe Rosa Titanioに使用されたのは1994年からとされています.1993年と1994年のTitanioに外見上の差異は少ないのですが,リアブレーキのアウターストッパーの溶接位置で見分けることができます.

なお,Hyperionの使用開始時期は1994年後半にチェーンステーがテーパー形状に変更された際ではないのかという疑念も生じるかもしれません.しかし,Gewiss Ballan Teamが1994年前半に使用していたストレート形状のチェーンステーのTitanioのフレームにもColumbusやHyperionのステッカーが貼られていたことがレース写真から確認でき,ストレート形状のチェーンステーを持つものも含めて1994年のTitanioにはHyperionが使用されていたようです.先述のイタリアの雑誌でも,ストレート形状のチェーンステーのTitanioの写真とともにHyperionが使われているという記述があります。

1994年のTitanioはコレクターズアイテムと捉えられることがありますが,個人的には中でもストレート形状のチェーンステーを持つ個体に惹かれます.チェーンステーからリアエンドにかけての無骨でプリミティブな雰囲気にも独特の魅力を感じます.Hyperionは溶接性の良いTi-3Al-2.5V合金ですが,TitanioのBBシェルとリアエンドには溶接性は劣るものの強度の高いTi-6Al-4V合金が用いられているという話があり,そのためにリアエンドの溶接痕が洗練されていないのかもしれません.BBシェルの溶接痕はそれほどでもありませんが.













Posted at 2021/10/20 20:46:40 | コメント(0) | トラックバック(0)

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HA37Sアルト、KTM、De Rosa、Gary Fisher、Trekに乗っています。他に、フレームの状態で休止中の自転車が数台あります。 オートバイはオ...
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