2020年03月03日
 
 ※これは2020.3.3に書きました。
テレビを見ているとウイルス検査について、かなり多くの番組が取り上げていたので調べてみました。
ワイドショーなどは検査を求める声と、検査しないことへの不満の声が多いようです。
○ウイルス検査について
核酸増幅法(PCR法など)
詳しくは書きませんが、偽陰性、偽陽性、特異度そして感動の問題です。
感染している人が100%陽性になる検査ではありません。
あくまで他の疾患との鑑別に用いる手段の一つです。
PCR検査の判定を難しくしている一因にウイルスの特徴があります。
新型コロナウイルスはインフルエンザと違いウイルスの数が少ないようです。
ウイルスの増える部位も時間の経過で、喉から肺の方へ移動するようです。
「陰性だったが後に陽性になった」はあり得る話です。
PCR検査で見落とす患者が出てきてしまう恐れもあります。
・早期発見は重症化を防ぐことになるのか?
→防ぐことにはなりません。なぜなら治療法がないので。
・検査しないから重症化している!
→PCR検査の有無は、患者の予後を左右しません。なぜなら治療法が無いので。
重要なのは陰性でも感染していない証明にはならないことです。
検査の結果をもって出社許可や登校許可なんてことは言語道断です。
検査の結果によらず、安静にして健康観察を続けることが正解です。
他の疾患を鑑別することも重要です。
呼吸器系で見逃せば死に至る病は他にもあります。
○有限な感染症病床数
千葉県を例に出します。
千葉県内の感染症指定病院数は11。
病床数はたったの55しかありません。(県のホームページより)
少なく感じませんか?
千葉県の人口は627万人です。
医療は資源です。
当然有限であり、対応できる許容範囲があります。
無作為にウイルス検査を乱発して、二次感染や院内感染のリスクを増やすことが、どれだけ愚かで恐ろしいことかわかると思います。
圧倒的多数の軽症者で病床が埋まり、重症患者に手が回らなくなります。
またPCR検査を過信した患者が「陰性」の免罪符を手に入れて普段の生活に戻り、そこら中にウイルスをばら撒く未来が見えます。
検査を実施する側の労力も凄まじいものがあります。
専用の陰圧室で、防護服、マスク、手袋を装着し、それらは患者が変わる度に毎回交換しなければなりません。
そして人間が検体を採取することを忘れてはいけません。感染のリスクで精神をすり減らしながら対応することになります。
サンプルの数が増えればヒューマンエラーのリスクも上がります。検体の取り扱いにも細心の注意が必要です。
○最後に
新型コロナウイルス(COVID-19)には有効な治療法がありません。
感染者を1人でも減らすことが重要です。
クラスターを作らないためにも、不要不急の外出を避け、もし感染が疑われる時はガイドラインに沿った行動を!
				  Posted at 2020/03/03 11:23:13 |  | 
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