BMWに乗る理由【長文】
もう20年以上前の事です。
大学を卒業して地元に戻っていました。
当時はダート競技をやっていて、大学生時代から乗り続けていたボロボロのハチロクを所有しつつ、田舎で車を置く場所はあったため、当時のカテゴリーのCクラスにステップアップを図るべく、背伸びをして過去に全日本で使われた払い下げのギャランVR4を購入して練習をしていました。
そんな折、夏に大学の同級生と会うことになり、当時付き合っていた今の妻とドライブがてら長野へ行くことになりました。
ところが僕の車は2台ともエアコンが付いていません。
ましてや内装がきれいに除去されていて、大学時代に真夏に助手席に乗せた友人から靴底が溶けたとクレームがつくような車です。
自分の車で行きたい所でしたが、付き合い始めて間もないのでここでフラれるわけには行かないと思い、仕方なく父親の乗っている車を借りて行くことになりました。それがE36でした。
ただエアコンが効くというだけの理由で仕方なく(失礼ですが)ただのオートマのオッサン車を借りた訳で、何の期待もなく峠道に差し掛かりました。
ところがコーナーを2.3個越えると、ただのオッサン車にしては足が良く動いてタイヤの接地感が良いことから、あれっ?と思いました。
当時僕は競技車しか乗っていなくて、特に山などでそれなりのスピードを出すにはそれなりに改造をしてセットアップするものだと思い込んでいたため、オッサン車の割には意外と旋回よく走るなぐらいの偉そうな思考でいました。
しかしコーナーを越えるごとに、冗談だろう、こんなオッサン車にそんな性能があるはずがないと思いながら旋回スピードを上げていくと、適度なロールを伴いながらタイヤの横まで使いつつトレースし、振り返しても剛性感のあるボディ剛性は、走っていくうちに明らかに高いレベルにあると確信しました。
まるで鉄筋コンクリートマンションのようなボディ剛性は、ハチロクでロールバーその他で補強したものや、払い下げとはいえ全日本のギャランの補強レベルでも何か違うことも認めざるを得ませんでした。何せ純正ですから。
それでも、そんなはずはないでしょ!オッサンの車なんだから!と思いながら何往復も走ってみましたが、父親に返す頃には「これはいい車だ!いつかはMTで乗ってみたい」と思う車になりました。
それと同時に、こんなにいい車を作るメーカーなのに何で私はおじさんのイメージがあるんだろうとも思いました。
今はいい歳なので別に気になりませんが、僕が若い時はBMWはそういうイメージだったのです。だからいつかは乗ってみたい車だったのです。
ついでに記すと、僕は腰痛持ちでフルバケが一番楽だったですが、36のシートは長距離乗っても腰痛が悪化しませんでしたし、今の純正シートもそうです。決して贔屓目ではみていませんが、実際長距離でも何故か楽に運転できます。
BMWは本当に車が好きな人を唸らせる年代者のウイスキーような不思議な魅力のあるメーカーなんだと思います。
勝手な感想を最後まで読んで頂き、ありがとうございます。