2014年04月13日
相棒から道具へ、そしてその後の感情
以前のブログに書いたように、私は長年乗ってきたセリカを事故で失い、久しぶりの新車購入に至ったわけですが、このごろある感情が心の一部にとどまり続けています。
街を見渡せば数多くの車が走っています。
乗用車に限ってですが、その一台一台に新車で購入された方々の様々なドラマや感情があったんだろうなぁ・・・と。
初めて目にした時のときめき、納車された時の喜び、初めて運転したときの感動。
全ての車がそれぞれ色んなモノを乗せて走っているんだろうなぁって感慨に耽ってしまいます。
そしてふと思います、セリカは幸せだったのだろうか?と。
事故で手放す事になって、そんな自分を許してくれているだろうか?
セリカ購入時の事はよく覚えています、嬉しくて嬉しくておもわず顔が綻んで、意味も無く車の中ですごしてみたり、あても無く走ってみたり、車を降りては眺めてみたりと、まさに相棒でした、。
そんなセリカでしたが一年と立たずに何者かがおそらく悪戯に屋根に上ったらしくわずかに凹んでしまいました。
お金も無かった私はそれを修理してやることも出来ず、それが元で洗車してやることさえしなくなり、いつしかただ移動するための道具となっていったのです。
これが人間であったならさぞ悲しく切ないことでしょう。
そんな風な付き合いだったセリカでしたが別れる事になる半年前ぐらいでしょうか、行きつけのガソリンスタンドのお兄さんに「この車、コーティングしませんか?」といわれたが、私は「いや、いいよ」と断った。
しかし、次に給油に行ったときに「コーティングして綺麗にさせて欲しい」とお願いされた。
初めは商売も大変だなぁとしか受け取っていなかったのだが、彼の思いは違うところにあるのを感じ、「じゃあ頼むよ」となぜか快諾してしまった。
当然費用はかかるのだが時間ぎりぎりいっぱい掛けて磨き上げてくれた。
長年の汚れが固着していて少々塗装が剥げたりもしたが、ピカピカになったセリカを見て、すごく満足したのを覚えている。
そして去年の暮れに、オイル漏れをしていたので修理に出した。
相当数のパッキンが痛んでいたらしく、結構な費用と1ヶ月もの時間がかかった。
今にして思えば、死期を悟ったセリカが最後に新車の頃のあの感情を思い起こさせようとしていたような気がしないでもない。
自分の立派な姿を俺に見せたいがために…。
車は金属や樹脂やゴムで出来た物体でしかありませんが、記憶の中にとどまったそれには確かに魂が宿っています。
私の中では新車の頃のピカピカのセリカが確かに存在します。
もうすぐ新たな車を迎えることになります。
今度こそはそれが思い出になった時に笑ってくれていると感じられるような付き合いをしたいと思っています。
おっと、今夜は少々おしゃべりが過ぎたようだ、今日の分は俺のおごりだ、長々とおしゃべりに付き合ってくれてありがとうよ。
兄さんもせいぜい車を可愛がってやってくれ・・・・じゃ。
BGM: サントリーオールドCM曲 『夜がくる』 作曲 小林亜星
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Posted at
2014/04/13 23:04:43
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