ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、「PlayStation 3」用USBカメラ「PlayStation Eye」と組み合わせることにより、PS3の新たなゲーム体験を提案する、PlayStation Moveモーションコントローラーを、日米欧アジア各地域にて2010年秋から順次発売すると発表しました。
また、モーションコントローラーの操作を補完するPlayStation Moveサブコントローラーも同時発売。PlayStation Moveモーションコントローラー、PlayStation Moveサブコントローラー、「PlayStation Eye」カメラの3つを揃える事により、コントローラーの魅力を最大限に引き出したHDクオリティのソフトウェアタイトル群を組み合わせた、PS3ならではの新たなエンタテインメントプラットフォームを実現していくそうです。
遂に、ソニーから新たなゲーム体験を提案する『PlayStation Move』を発表してきました。
体感型コントローラーは任天堂Wiiが元祖。Wiiリモコンでは従来の十字コントローラー中心の動作とは異なり、体の動きがそのまま画面に反映されるという今までにない新感覚のゲームを提案。ボタン操作が苦手な方でも、体を動作させる事によって気軽に楽しめる事から、今までほとんどゲームで遊んだ事が無いというライトユーザーを中心に爆発的な人気を集めました。
その一方で、十字コントローラーをメインに使う従来ゲームファンは、Wiiのあまりのゲーム性の違いから、Wiiを購入せず、PlayStation 3かXbox360かを購入するという道を選ぶ事になるのですが、すると今度は従来ゲームファンばかりに偏ってしまい、ライトユーザーは全く増えない。Xbox360はコアユーザー向けで最初から全く人気はありませんでしたが、頼みのPS3も初期のPCに近い高級機路線のイメージを引きずってしまったのが原因で、Xbox360と同じくコアユーザー向けのゲーム機というイメージが定着してしまっていたんです。
つまり、ゲームメーカーとしては過去に例の無い、非常にゲームソフトを売りにくい市場が形成されてしまったと言えるでしょう。
初代PlayStationが持っていたカジュアルイメージのおかげで、ライトユーザーも取り込んでそのまま後継機のPS2も大ヒット。しかし、そういったライトユーザーは、高級機となったPS3を敬遠。逆に、購入するのが恥ずかしいゲームキューブのおもちゃっぽさが無くなってユーザーの敷居が低くなり、購入しやすいデザインとなったWiiは、遊びやすそうなイメージCMと相まって非常に魅力的に映ったはず。そして、当然そういったライトユーザーは遊びやすそうなゲーム・・・任天堂ソフトを好み、難しそうに見える他のゲームソフトには全く見向きもしません。
一方PS3は、コアユーザー向け従来ゲームはWiiに比べれば遥かに売れてくれるので、Wiiではソフトが売れず困っていたというサードパーティーにとっては、PS3の方が魅力的な市場となりますが、ユーザーが綺麗に分散されてしまった事により、HD化で高騰してしまった開発費を回収できるほどの売れ行きも、安定しては期待できていません。
更に、期待されていたiPhoneなどスマートフォン向けのゲーム市場も、現在はほとんど無料や1,000円以下の低価格ゲームが主流となっており、そこにいきなりゲームメーカーが通常価格で投入したところで売れる訳がありません。結局、メーカーはクォリティを極力落とさず、市場の流れに合わせた1,000円以下の価格で投入せざるを得ないという、儲からない市場がすでに完成されてしまっているんです。ゲーム会社を存続させるためにも、PS3マーケットを何とか巨大市場に成長させなければならないという必要があるんです。
そこでソニーが採った戦略が、29,980円と購入しやすくなったPS3の価格との相乗効果を狙い、カジュアル要素を盛り込んだWiiライクなモーションコントローラー「PlayStation Move」の投入。この「PlayStation Move」で、ライトユーザー取り込みを狙います。
Xbox360がWii対策で開発中の“Project Natal”は、コントローラーそのものもいらないフルモーションボディキャプチャーが特徴ですが、ソニーのPlayStation Moveは、見た感じで判断してもどちらかというとWiiに近いコンセプトと言えますよね?
ただ、Wiiの認識部はセンサーバーというセンサーを利用しており、誤認識や無反応が多いのが最大の弱点。一方PlayStation Moveは、センサーでは無くPlayStation Eyeカメラを利用し、コントローラーの先端に配置されたスフィア(光球)の動きを読み取ることで高精度に検知。テニスラケットなどを振る際の素早い動きや、筆を使って絵や文字を描く際の繊細な動きも正確にゲーム内で再現し、あたかもユーザーがゲーム内にいるかのようなリアルで直感的な操作を可能とします。また、スフィアの色や発光パターンを活かした視覚的な演出や振動機能を使った、より臨場感溢れるゲームプレイを実現するんです。
さらに、「PlayStation Eye」カメラを使って取り込んだ音声やプレイヤー自身の映像と組み合わせることにより、現実世界とモーションコントローラーのゲームが融合した、今までにないユーザー体験を提案してくれるんです。
一方、同時発売が決定したPlayStation Moveサブコントローラーは、Wiiでいうヌンチャク・コントローラーの役割を担当。モーションコントローラーのみでは難しい操作を補完し、体感型ゲームの楽しみ方を更に拡げるために開発された片手用のコントローラーです。モーションコントローラーと対になる曲線を生かしたデザインを採用し、ゲームキャラクターの移動や方向入力などを容易にするアナログスティックと方向キーを搭載しました。また、PS3専用ワイヤレスコントローラーと同様、リチウムイオン充電池を内蔵し、Bluetooth無線機能により入力情報がケーブルを介さずPS3本体に伝達されます。PlayStationMoveモーションコントローラー及びサブコントローラーは、「PlayStation Eye」とモーションコントローラー1本で遊べるゲームから、サブコントローラーも併用したゲームまで、幅広いゲーム体験を実現します。
PS2並みの低価格、29,980円(税込)となった新型PlayStation 3に、PlayStation Moveモーションコントローラーの投入で、一気にカジュアル路線を突き進むPlayStation 3。ただ、本当に親しみやすさを目指すなら、ボディカラーはブラックだけじゃなく、そろそろこの機会に「メタリック・ブルー」と「ディープ・レッド」など、もっとポップなカラーも同時に投入するべきでしょうね。
遂に発表されたPlayStation Moveモーションコントローラー。発売が楽しみですね☆
Posted at 2010/03/14 19:31:05 | |
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