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原発比率 議論深まらず さいたまで初の聴取会
東京新聞
2012年7月15日 朝刊
将来の原発比率はどれくらいがいいのか、政府のエネルギー・環境会議が国民の意見を聴く会が十四日スタートした。初回はさいたま市で開かれ、抽選で選ばれた九人が、政府が提示した二〇三〇年時点の原発比率(1)0%(2)15%(3)20~25%の三案に関して意見を述べた。「国民的議論を深める」ことが目的とされるが、政府側との意見交換もなく、各自が言い分を主張しただけで終わり、議論は深まらないまま終わった。
意見聴取会は、この後、仙台、名古屋、札幌、大阪、富山などに会場を移し、来月四日まで続く。初回のこの日は、さいたま新都心合同庁舎の講堂に、事前に登録した約百七十人が集まった。入り口は、空港の手荷物検査場並みの警戒ぶりだった。
発言者九人の選び方について政府は、登録時に意見概要を添えて申し込んだ発言希望者から「コンピューターによる抽選で選んだ」とし、それ以上の詳しい説明はしなかった。九人はそれぞれが八分以内で考えを述べた。
青森県むつ市出身で埼玉県川口市の会社員田村久美子さん(48)が「人類は核を制御できない。ふるさとを奪わないで」と原発0%案を支持すると、会場からは大きな拍手が上がった。一方、電気の安定供給を重視する声も少なからずあり、同市の元エンジニア松田平生(ひらお)さん(66)のように「原発50%のシナリオがあってもよい」と訴える意見もあった。
九人の意見が出そろった後、もう一度補足的に意見を言う機会もあったが、持ち時間はわずか一人二分間。発言者の間で意見を交わすこともなく、持論を繰り返して終わった。
その後、エネ環会議副議長として出席していた枝野幸男経済産業相が「異なる意見を同時に聴けたことは想像以上に意味があった」とあいさつした。
発言の機会がなかった傍聴者の女性が、枝野氏に向かって大声で運営方法に対する不満を述べると、司会者は構わず閉会させようとした。会場は騒然となりかけ、枝野氏は「ご意見は真摯(しんし)に受け止めます」と引き取り、第一回の意見聴取会は終わった。
運営を請け負っているのは大手広告代理店の博報堂で、発注者の経産省資源エネルギー庁は契約額を明らかにしていない。
◆パブコメで政府動かせ 意見公募への参加広がる
政府が「国民的議論」を踏まえて決めるとしている将来の原発比率について、誰でも意見を出せる手段が、政府の意見公募(パブリックコメント=パブコメ)だ。市民の間に「たくさんの意見が集まれば、政府も無視できない」と、その活用を訴える動きが広がっている。
インターネットの交流サイト・フェイスブックに開設された「原発ゼロの未来をつくる。国民的議論の場 NO NUKES」のページは「デモもいい、今ならパブコメがもっといい」と意見送付を呼び掛ける。一週間で延べ六万人以上がアクセスし、これをきっかけに「パブコメを送った」というサイト内の書き込みも多い。
立ち上げたのは、環境政策が専門の大学教員や映像作家ら四人。ページでは、政府が示した三つの選択肢のみではバランスを欠くことや、国民の意見をどう政策に反映させるのか政府が明示していないなどの問題点も指摘している。
「形だけの国民参加にしてはいけない。まず問題を知り、自分の意見を形成して届け、結果も見てほしい。それが政治を変える力になる」。開設者の一人で東邦大の朝倉暁生准教授はそう強調する。
脱原発を掲げる他のグループもネットなどでパブコメの活用を盛んに呼び掛けている。十六日に東京・渋谷の代々木公園で開かれる「さようなら原発10万人集会」でも、参加者に送付用紙が配られる予定だ。
政府は当初今月末だった募集締め切りを、八月十二日に延長した。「主にホームページ(HP)経由で、少なくはない数が寄せられている」と担当者。パブコメはエネルギー・環境会議のHPでの入力か、ファクス、郵送の三方法で出せる。
また電力社員が発言 名古屋聴取会
東京新聞
2012年7月17日 朝刊
政府が発電量に占める将来の原発比率について国民の意見を直接聞く三回目の意見聴取会が十六日、名古屋市で開かれた。九人の発言者の中に中部電力の課長が含まれ、原発推進を主張した。会場の一部から「やらせだ」などと批判の声が上がり、一時騒然となった。
意見聴取会をめぐっては、十五日に開かれた仙台市の会場でも、東北電力や原発推進団体の幹部二人が発言者に選ばれており、公平性の確保や運営方法が問題視されそうだ。
発言したのは、中電原子力部に勤務する課長の岡本道明さん(46)。「個人的な意見として、原発をなくせば経済や消費が落ち込み、日本が衰退する」と述べ、原発の新増設を前提とする20~25%案に賛成の立場を表明。「35%案、45%案があれば選択していた」とも述べた。東京電力福島第一原発事故では「放射能の直接的な影響で亡くなった人は一人もいない」と言い切った。
岡本さんは聴取会後、報道陣に「会社には事前に個人として参加することを伝えた」と説明。事務局からも「個人なら聴取会の趣旨に反しない」と言われたという。
中電広報部の担当者は「会社の指示で出席や発言をさせたわけではない」と述べた。
0%案を支持する意見として「福島第一原発事故の原因がまだ究明されていない」「使用済み核燃料の処分法が確立されていない」があったほか、15%案の支持者は「国民生活への影響も考慮すべきだ」と訴えた。
聴取会その場しのぎ対策 短時間・質疑なし変わらず
東京新聞
2012年7月18日 朝刊
将来の原発比率をどれくらいにするか、政府が国民の声を広く聴く会で電力会社の幹部らが発言した問題で、政府は十七日、電力会社関係者には意見表明をさせないなどの対応策を明らかにした。しかし、質疑応答や発言者同士の意見交換などはなく、時間も二時間程度という対応は相変わらず。その場しのぎの対応に終始し、国民的議論を深めようとする姿勢は一向に見えてこない。
この日、古川元久国家戦略担当相が明らかにした対応策は、(1)発言者から電力会社や関連会社の社員は除外する(2)発言者数は九人から十二人に増やし、0%案の発言者などに配分(3)二〇三〇年時点の原発比率0%、15%、20~25%案以外の比率についての発言も認める-の三点。(1)(2)は二十二日の札幌、大阪会場、(3)は二十八日の富山会場から実施するという。
しかし、今回の意見聴取会が抱えている問題は、原発問題の当事者でもある電力会社の人が発言していいかどうかだけではない。事前に抽選で選ばれた人が一方的に意見を表明するばかり。政府に原発比率の案をただしたり、傍聴者も議論に参加してそれぞれの考えを理解したりして、国民的議論を深める運営になっていない。
古川氏は「傍聴者はアンケートやパブリックコメントで意見を寄せてもらいたい」とかたくなな姿勢。
発表者は十二人に増え、増えた三人の発言枠は、圧倒的に多い0%案の発言希望者に割り振られる。それにより、0%案の発言希望者が発言の機会を得る確率は、15%や20~25%案の希望者より大幅に低い問題は多少緩和される。だが、国民的議論をわずか二時間で済ませてしまおうという根本的な問題は改善されない。
また、政府が、四十年廃炉や、原発の再稼働は安全かつ電力が足りない地域向けに限定するとの自らの約束を守るなら、三〇年時点の原発比率は15%はあり得ず、5%程度となるはず。しかし、政府は三案以外は出そうともせず、発言者が案を言うのはかまわない、との姿勢だ。
仙台市の会場で傍聴した病院事務職平尾伸二さん(50)は、政府の対応に「シナリオを説明され、疑問に思ったことを聞く機会も与えられなかった。発表人数を増やしても、質疑や意見交換できなければ理解は深まらない」と話した。
所感:3カ所の会場に於いて、発言希望者数の円グラフにて0%がおよそ2/3以上
まさにこれが民意を象徴しており、枝野君は黙って直ちにこれに従うべきと考えます
Posted at 2012/07/19 15:45:29 | |
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共同幻想論 | 日記