POWER-FCセッティング（各種補正②）

POWER-FCオプションのブーストコントローラーを使っていない場合はチェックを付けます。
また、Ｏ２フィードバックも邪魔なので切っておきましょう。
これは燃費向上の安定性をはかる物なので燃料基本ＭＡＰの１００（空燃比14.5）以下の領域を勝手に14.5に近づけるように制御してくれるので楽なように思われますが、吊るしのＭＡＰでは低回転高負荷の部分も14.5という数字なので加速が重ったるくなってしまいます。
ここまできっちりセッティングするならばはっきり言って無用です。Ｏ２センサーが壊れることも考えたら思い切って使わない方が良いです。

吊るしのインジェクターのスロットル補正です。
吊るしの状態で補正無しだったので自分も当初は軽視して変えませんでしたが、セッティングを詰めていくとある問題にぶつかりました。
この補正を入れないとどうしても「燃費」と「パワー」が両立出来ないことに気が付きました。

赤線は２速フルスロットル（スロットル電圧約３８００ｍＶ）でＭＡＰを読んでいく軌跡です。
青枠は１００ｋｍ/ｈ一定速度（スロットル電圧約９００ｍＶ）でおおよそ読んでいる部分です。
同じ部分のＭＡＰを読んでいることが分かります。スロットル開度が違うと言うことはエンジンに入っていく空気量が違うという事です。
なのに噴射している燃料は同じですよね？
どういうことになるかというと、当然フルスロットルに合わせて燃料を決めていくとスロットル開度が低い一定走行時には燃料が濃くなってしまいます。
当初は１００ｋｍ/ｈ走行時に空燃比が測定限界の１０以下まで濃くなってしまっていました。
これでは高速を走るほど燃費が悪くなってしまうのは当然です。

ＲＢ２６のスロットルバルブは６連スロットルとして有名ですが（画像はＮＩＳＭＯより拝借）、構造は「バタフライバルブ」と呼ばれる物です。
流量特性表をそのまま貰えるとは思えないのでバルブメーカーを調べてバタフライバルブのおおよその流量特性表を参考にしました。

バタフライバルブは開き始めは三日月のように面積が狭いのであまり変化無く、中間で急に流量が大きくなり開き終わり付近ではほぼ全開と変らずという特性のようです。

当初はこんな感じでスロットル補正を作りました。
今までのセッティングの感覚からフルスロットル時に比べて低負荷では３０％程減量すれば良いだろうと分かっていました。

何度か修正し現在ではこのようにしています。
街乗り～高速走行で良く使う1200ｍｖ付近まではほぼフラットに35～38％ほど減量。
3000～フルスロットルまでは空気量にほとんど変化が無いのでここもほぼフラット。
ハーフスロットルから上も想像以上に空気が多く入ってる感じ（ブーストの上昇分？）なので増量気味にしました。
なお、スロットル補正を変えた場合は燃料噴射ＭＡＰも見直さないとバランスが取れなくなるので面倒です。
この辺の補正がキッチリ決まるとパワーはもちろん街乗りでも燃費が良いので気持ち良く乗れますよ！

でもサーキットメインで走られる方はスロットル補正を入れないでも良いかもしれないです。アクセル開度が低い時はわざと燃料多く吹いてエンジン冷却させるとか。

街乗り用とサーキット用と２つＭＡＰ作っておけばなお良いかもしれないですね。

補正系を弄るのはこの辺まででしょうか。
ここからいよいよ燃料・点火ＭＡＰを弄ることになります。