先日、blogにて車高を下げて、インチアップしたところ
著しくBRZの高速での直進性が悪化したという話を書きました。
皆様に色々とコメントをいただいたのですが
Kさんという方から頂いたメッセージが結構本質に
迫るよいアプローチが出来そうなので
折角なので、Kさんの許可をいただいてBLOGにアップいたします。
----Kさん----
さて、アライメントの件。
おそらくカリーフさんのことですから
もう解決なさってるとは思いますが、
車高を下げたのと、フロントトレッドが4mm狭くなった(ホイールオフセットを純正比片側2mm増やした)ことで、
ネガティブスクラブになったために、接地感が薄くなり、ふらつくのだと思います。
車高を下げたことで
仮想キングピン軸がフロントタイヤ接地面のより外側へ。
ホイールオフセット増したことで
フロントタイヤの接地中心がより車体の内側に移動し
仮想キングピン軸がタイヤ接地中心からより外(ネガティブスクラブ)に移動となり
ステアを左に切るとどんどん左にきれようとします
(フロントタイヤの転舵中心、すなわち仮想キングピン軸がタイヤ接地中心の外側にあるため
そこを中心にタイヤを反時計回りに動かそうとするモーメントが発生する)。
対策は、仮想キングピン軸をフロントタイヤ接地中心よりも10から20mm程度内側へもってくることです。
その手段のうち手軽なのはホイールスペーサーを使うことです。
仮装キングピン軸の位置を把握する方法は、
道路にチョークなどで何かを書いておき、
そこにフロントタイヤを接地させて、ステアをロックトゥロックで2往復程度します。
そうすると、接地面に北の夜空のように北極星を中心とした星の軌跡のような模様が描かれます。
その北極星こそが、仮装キングピン軸のタイヤ接地面上の位置です。
北極星をタイヤ接地面より内側へ持ってこれれば、従来の接地性が確保できると思います。
---カリーフ------
くあーー、奥深い!Kさん
ありがとうございます。
しかし実は既に5ミリのスペーサー入れてるんですよ。
結果・・・効果なし・・・でした。残念。
5ミリじゃ圧倒的に足りないのかもしれません。
いただいた文章をまだしっかりと理解していないので
ちょいと時間かけて、理解してみますね。
----カリーフ------
ちょいと勉強しましたが、よくわかりません・・
車高を下げて、ネガキャンになった状態だと
スクラブ半径って逆にポジティブになりませんか?
ストラットにおける、仮想キングピン軸の位置の考え方が
わからんです・・。
フロントのトレッド自体はオフセットが+48から+50になってはいるんですが
ホイールは7Jから7.5Jに太ってるんです。タイヤは215のままなので関係ないかもしれませんが。
でも結局5ミリのスペーサー入れてるんで+45で純正からはタイヤの中心は+6広がっている
ことになるんですよね。
でも、症状はまさに、Kさんの言うとおりの感じ(復元力が無くて・方向に流される)
だから車高を落とした際のストラットのキングピン軸の考え方が理解できないと
本当の原因がつかまらないんですよね。
----Kさん-------
おそくなってすいません。
キングピン軸は
ストラットの場合、
アッパーマウント中心のショックロッド位置と
ロアアームとナックルの接続ポイント(ボールジョイント)を
結ぶ線です。
ステアをきるとフロントタイヤはその軸を中心に転蛇します。
タイヤセンターはおっしゃるとおり、純正比外に+3mmなので
これだけだとスクラブ半径は3mmポジ側に増加ですね。
あとは
車高を下げたことによってキングピン軸の傾き(車両正面からみて)が
どう変わるのか、によると思います。
車高をさげると
アッパーマウント位置とロアアーム車体側ピボット位置が同じだけ下がりますが
ロアアームとナックル接続部のピボット位置はかわりませんので、
キングピン軸はより寝る方向に変化し、
結果、スクラブ半径がネガ方向に減ります。
あと、ロアアームの状態がどうなるかですが、
バンザイ状態で水平よりも角度がつけばつくほど
ナックルは車体内側へよせられるので、
これによってもスクラブ半径はネガ方向にいきます。
車高をさげるとロアアーム状態にもよりますが
ネガティブキャンバーが普通つきますが、
トレッド変化はロアアームの角度(位置)の変化の仕方で
増えるか減るかが決まりますが、水平からバンザイにかわるとすると
トレッドは減る方向、つまりスクラブ半径はネガにいく方向となります。
(逆バンザイからバンザイだと、水平となす角度の絶対値が同じならトレッド変化なしだし
逆バンザイの方が大きかったらトレッド増える、その逆なら減る)
一方、
車体を横からみたとき、
キャスタートレイルという
キングピン軸と地面との交点と
タイヤ接地中心との距離が存在し
それが大きいほど直進安定性がよくなります。
車高をさげると横から見たキングピン軸はやはり寝る方向なので
キャスタートレイルは大きくなり、直進安定性に寄与する方向となります。
以上のジオメトリックな相殺で、どうなるか、ですが、
あとは数値計算という感じです。
ミリ単位の細かい話ですが、
脚はこのミリ単位がめっちゃきくんですよね。
ヤんなっちゃいますよね笑
別の話ですが、
車高を下げると一般的にストロークに対するアライメント変化が大きくなりますよね。
BRZのサスペンションジオメトリを詳細に把握できていないのでなんともいえませんが、
どうもロアアーム長さがかなり短いとの記事もみかけたので
ストロークに対するアライメント変化が大きいのでと思います。
キャンバだけでなく、トーも変化(バンプステア)。
セルフアライニングトルク(ステアをきったとき、元に戻そうとするトルク)とは
直接からみませんが、直進安定性にはバンプステアも少なからず影響するのかな・・・
とも思います。
タイヤのインチアップもされているので、こういうところにも敏感になったのかもしれません。
純正ホイール&タイヤ
もしくは
純正ホイール&タイヤ+5mmスペーサー
で、状況が好転するでしょうか?
タイヤの銘柄もかわるので、
要因区別がつかなくなりいまいちかもしれませんが・・・
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Kさん
メチャ返信おそくなってごめんなさい。
書いていただいたことを理解するのに時間が掛かって
結局 色々悩んでても、答えが出ないので
とりあえず、小麦粉をタイヤの下に蒔いて・グリグリしてきました。
結果・・・
回転中心はセンターより5ミリほど内側に来ていました。
一応ポジティブスクラブです。
純正がどの程度のポジティブスクラブなのか分かりませんが
感覚的にはあまり代わらなさそうです。
それ以外にちょっと気になる点を見つけました。
BRZはキャスターがかなり立っているようです。
先日、高速で RX-8に乗る機会があり、そのときに
素晴らしい直進性を感じました。
8の純正キャスター角は 7.0度付近です。
それに比べてBRZは5.5度付近です。
色々調べましたが、他の車と比較してキャスターがかなり立っている
負荷の無いステアリング・車の軽さを演出する為にゼロスクラブな上に
キャスターも意図的に立ててあるのかもしれません。
原因が分かったので、よーしキャスターを寝かすぞ~と思ったのですが
なんと・・純正のままでは調整不可。
ちょいと困ってしまいました。
とりあえず、タイヤをハイグリップ履いて様子を見ようかと思っています。
それでダメなら、ハブボルトをロングハブにして、10ミリのスペーサーを
かませて、ポジティブスクラブをあと5ミリ確保しようかと思っています。
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てな感じでやり取りが続いています。
色々と調べたり、他の方にアドバイスを頂いたりした中で
なんとなく見えてきたのは、BRZはエンジンの搭載位置を下に下に
した結果として、
キャスターもキングピン角度も、どちらも普通の車よりも角度が立っている
そして、アーム長が短い ということで、そもそもが直進性が悪いということ。
そして、アーム長が短いということで、車高やストロークの変化にたいして
結構シビアにトーが変化してしまうということです。
対処方法としては、アッパーマウントをキャスター調整可能なものに変えて
キャスターを足す、それからオフセットがマイナスのホイールを履く
あまり車高を下げすぎない、下げるとしたらバネを硬くしてストローク(トー変化)しないようにする。
あと、もう2つ思い当たることが本日出てきました。。
改めて高速を走ってみると、速度に応じて微振動がでています。
そもそもタイヤが中古で付いてきたヤツで偏磨耗している
さらに、ホイールスペーサー5ミリが安いやつで、ハブのセンターにちゃんと付いていない
(これも振動要因)
これがフロントの不安定感の要因の一つにもなっているような気がします。
アッパーマウント等で対策するまえに、もう少し色々とやってみて
更にこのBLOGで報告させてもらおうと思います。