完全素人のおっさんが耐久レースに挑む無謀な企画、コロナ渦(禍)で開催が危ぶまれ、更にこのおっさん達の参戦も、全員歳なので(笑)危ぶまれましたが、本年の第一回として、筑波サーキットでの試行的開催が決定したため、我々も可能な限り感染症対策をしつつ、参加する決断をしました。
よって、場所は昨年我々がクラス優勝した🏆筑波サーキットです。
今年はエントリー表を見ると同クラスに速そうな猛者の名が連なりますので、昨年覇者としてみっともない走りだけしないように、そして楽しく完走出来る様に、作戦を練ります。

今年、うちのエースの趣味により、黒い車体に赤い幌を張りました。地中海を見下ろすイタリアのワインディングを駆け抜けるイメージ(笑)。オトナのエロードスターに変身。決して速そうには見えません。
今年は、毎年監督として無線で指示を出してくれる二輪のプロ整備士が、監督兼ドライバーとして参戦。
4人で走る本大会は、1ST 小生 2nd 燃費分析屋太っ腹おじさん 3rd 二輪整備プロ監督 4th バカっ速エース の走順としました。
早朝、zoomリモートでのドライバーズミーティング…時代ですね…
そして、予選。ウチは例年通りエースにスターティンググリッドを託します。
蒸し暑い上に、なかなかクリアラップが取れない、車一杯のコース。僅か3ラップで何とか11秒台を出し、即ピット戻り。残りの時間は全て監督の練習走行に費やします。
「上手くいかないなぁ…指示燃費に達しない…」
とぼやくも、さすが監督の燻銀の腕前で、どんどんラップタイムを上げ、予選終了。
エースがゲットしたスターティンググリッドは、6番手!
今年もフロントローからの怒涛のローリングスタートで、火蓋は切って落とされます。
大方の予想通りスタート直後から11秒台…と、物凄く速いトップ2台に付いていくつもりはないので、13秒〜14秒くらいのペースで指示燃費に近い走りをし続けることに徹します。
計算では、5.1キロ/Lほど走っていれば、終盤トップグループがアクセルを緩めざるを得ない時点で、逆にウチは最終走者エースがアクセルベタ踏みで勝負できる。
そこに意地でも繋げたい。
最終ラウンドの起死回生カウンターを夢見て、打たれながらもジャブとボディを打ち続けます。
明らかに昨年より上がっている他車のレベルに戸惑いながらも、何とか順位キープで2ndドライバー、太っ腹おじさんに交代。

「クルマに異常はなくて、いつもの走りでいいよ、ガソリンはちょい使い過ぎたゴメン…。」という引き継ぎ。
「オッケー」
太っ腹おじさんはいつも通り燃費分析を始めます。
「上がらないなぁ…燃費、上がらないよ…」
無線では、悲痛な叫びが聞こえてきます。どうやらエアコンを作動させないと車内が危険な温度に達してしまうため、エアコン全開状態なのが足を引っ張り、駆動エネルギーを取られてしまっている様子。
しかし熱中症予防からエアコンを止めるわけにはいかず、モヤモヤしたまま。アクセル踏めないからラップタイムはなかなか上げることができません。
総合10位で3rdドライバー、監督にバトンタッチ。
安定した走りで周回を重ねるも、やはり無線からは
「燃費上がっていかないよ…マズいね。燃費マズいよ…」

そう言いつつも、最小限のペースダウンに留め、指示燃費に近い走り。大ベテラン。
10周ほど周回した時、…突如として我々のゼッケンにオレンジボールフラッグが出ます。
「ん⁉️何⁉️壊れたの?」
監督「普通に走れてるけど、マフラーかなぁ…」
監督はピットロードへ。主催側が登場し、マフラーのガタ付きを指摘。こちらが補修できるなら、補修後コース復帰させるか審議するとのこと。
確認するとマフラーゴムが切れて、消音器がプラプラしちゃってる。太っ腹おじさんが潜り、緊急オペ(タイラップ固定術)を試みます。
審議は通過できるのか…。マフラーだけでなく、オーバーヒート気味なのか、冷却水も吹いちゃってる。
10分程のピットストップ。
さて、太っ腹おじさんの巧妙な施術によりマフラーブッシュにタイラップを巻き付け、補修完了。
主催側からスタートが許されるも、この時点でもう我々に勝ちはありません。
後は最後まで楽しむのみ( ̄∇ ̄)

エースにドライバーチェンジし、完走を目指すおっさん達。
リザルトが期待できなくなり、多少落胆しながらも、10年以上色々失敗を繰り返し、時には修羅場もくぐってきたおっさん達は、晴れ晴れとエースのアタックを見守ります。
うちのエースは、ここ筑波で、この草耐久の比ではない位のメジャーな耐久イベントに出るらしい。
ならばこれも、彼の多少のトレーニングになるかも知れない。
オーバーオールのレコードタイムを刻む腕はあるものの、傷ついた我らが老兵NCロードスターを庇うような走り。12秒台、11秒台で周回を重ねます。
ピットで見守るドライバー3人のおっさんと、サポートメンバーは、プロのGTドライバーがやんや居る様な晴れ舞台で堂々ステアリングを握り、時に彼らとコース上で見境なく闘うスーパー素人の姿が見たい。
チェッカーを待ちます。

完走❗️ヤッタ。
やはりこの瞬間は、目頭が熱くなります。
最高に楽しい1日でした。
外出することすら罪悪感を感じるこんなご時世、多大なリスクを承知の上でクルマのイベントを開催するということは、本当に勇気の要ること。
パドック入口での検温や、リモートでのミーティング、マスク着用推奨等、出来る限りの対策をしつつイベントを開催してくれた、マツ耐主催の皆様にこの上ない感謝を。
そしてロードスターというクルマをこの世に残してくれているmazda関係者の方々に敬意を…。
ありがとうございました。
Posted at 2020/08/06 06:37:28 | |
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