新型ワールドラリーカー
「SUBARUインプレッサWRC2008」、ギリシャで公表
エンジンは、本年開幕戦のモンテカロルラリーから実戦投入しているものを継続使用。新ボディにあわせてラジエター、インタークーラーなどの冷却系統を一新した。軽量化した新しいギアボックスを始めとする駆動系システムと合わせ、既に信頼性と高いラリーパフォーマンスを発揮している。
富士重工業のデザイン部とSWRTが共同でデザイン・設計したボディシェルは、これまで蓄積したノウハウを各部に盛り込み、空力特性と冷却性能の向上を両立させている。
■SUBARUインプレッサWRC 2008車両概要
エンジン : 水平対向4気筒DOHC 16バルブ・ターボチャージエンジン
排気量 : 1994cc、 ボア92mm x ストローク75.0mm
最大出力 : 300 bhp / 5,500 rpm 最大トルク : 650Nm @ 3000rpm
エンジンマネジメント : SUBARUプログラマブル電子制御エンジンマネジメントシステム
ターボチャージャー : IHI製(WRC指定 34 mm エアリストリクター装着)
スパークプラグ : デンソー
エキゾーストシステム : SUBARUアンチラグシステム + 触媒装置
駆動方式 : 四輪駆動(SUBARUシンメトリカルAWD)
トランスミッション : 6速 電子制御・油圧式
電子制御式フロントデフ+機械式センターおよびリヤデフ
サスペンション : フロントおよびリヤ マクファーソンストラット
ショックアブソーバー : BOS製フルアジャスタブル
ブレーキ : APレーシング製ベンチレーテッドディスク+6ポットキャリパー
(グラベル : 310mm、ターマック378mm)
ステアリング : パワーアシスト式ラック&ピニオン
寸法 : 全長 4,415mm、全幅 1,800mm、全高 1,475mm、ホイールベース 2,635mm
車両重量 : 1,230kgs (WRC 最低規制)
データシステム : 集中管理式エンジン、トランスミッションおよびデータロギングシステム
インカーディスプレイ : 8画面切り替えデータスクリーン式LCDカラーモニター
タイヤ : ピレリ (WRC指定)
無線装置 : ケンウッド
ホイール : BBS鍛造アルミホイール(グラベル15インチ, ターマック18インチ)
燃料タンク容量 : 80リットル
SUBARUのモータースポーツ活動を統括するスバルテクニカインターナショナル株式会社(社長 : 工藤一郎、東京三鷹市、略称 : STI)と世界ラリー選手権(WRC)におけるSUBARUのオフィシャルチームであるSUBARUワールドラリーチーム(代表 : デビッド・リチャーズ、英国、略称 : SWRT)は、本年のWRC第7戦「アクロポリスラリー」(ギリシャ)においてデビューする新型ワールドラリーカー、「SUBARUインプレッサWRC2008」の車両概要を公表した。
STIとSWRTは、報道陣に対し、5月28日にアクロポリスラリーのサービスパークにて、同車を披露。29日から6月1日まで開催されるアクロポリスラリーに、2台の「インプレッサWRC2008」を出走させる。
ロングホイールベース、ショートオーバーハングの「インプレッサWRC2008」は、操縦安定性の向上を最大のテーマにシャシーの開発が進められた。さらに、ボディ全体で軽量化に取り組み、バランスの良い重量配分を実現。SUBARU独自のシンメトリカルAWDシステムと水平対向ボクサーターボエンジンの組み合わせによる低重心シャシーの特色をより一層追求したモデルである。
スバル代表のデイビッド・リチャーズは、今度のアクロポリス・ラリーで、チームが“非常にポジティブな前進”ができるだろうと確信している。チームはアクロポリスで、まったくの新車、インプレッサWRC2008をデビューさせる。
インプレッサWRC2008は、“この15年間で最も革新的に変化したスバルのワールドラリーカー”と謳われている。この新車でのテストは、ここ何カ月か非常に順調に進んできたため、これは当初の計画より前倒しで実戦に投入されることになった。
この新車をギリシァで初投入することに関しては、疑問を口にする者もある。特にここは、WRCの“サファリ”と見なされており、クルマが壊れることで有名だからだ。しかしリチャーズは、夏休みの後まで待つのではなく、今投入することが正しい決断であると確信している。
「アクロポリスでは、これまでとはかなり違ったスバル・ワールドラリーチームが見られるだろう。新車のデビューによって、私たちが全力の状態に復帰するからだ」と彼は述べた。「これまでとは非常に違った外見と方向性を持つものだが、WRC2008は、スバルであるとすぐにわかるものだし、スバルの伝統的な遺産を今後も引き継いでくれるはずだ」
「ギリシァで、私たちの速さが非常にポジティブな形で一歩前進することを確信している。これは年間で最も厳しいイベントではあるがね。そしてさらに、このクルマのデビューは、チームの輝かしい歴史において新たな章の幕開けとなるだろう」
一方、スバル・ワールドラリーチームのオペレーションズ・ディレクター、ポール・ハワースは、世界ラリー選手権の第7戦は、最もチャレンジングなイベントのひとつであると認めている。
「私たちは、ギリシァで初投入しようとしている新車でかなりの耐久走行距離をこなしているので、それは大いに役立つはずだ」とハワースは述べた。「このラリーは、私たちがテストで直面したのとは違ったチャレンジを与えてくるはずだし、これは驚きをもたらしがちなイベントだ。だが、これは厳しくも充実した週末となり、私たちが微調整を行って今後も改良していけるような領域に、すぐに光を当ててくれるはずだ」
ギリシァのイベントは非常に暑く、クルーにもクルマにも厳しいことで知られているが、このイベントについてさらに詳しく尋ねられたハワースは、耐久性が必須だと付け加えた。
「長いことラリーをしている者は誰でも、ギリシァを好んでいる。非常に由緒あるラリーのひとつだからね。サルディニアよりも、コースの下にある床岩がはるかに多く、路面がずっと硬くなっている」と彼は続けた。
「選手権の古く由緒あるステージのいくつかは、きわめてチャレンジングだ。私たちにとって、シーズンで最もチャレンジングなラリーだ」
「ギリシァでは冬が厳しかったので、すでにコースがかなり荒れている。コース上に大きな岩がころがっていると、いつも後から通過するのが困難になる。リスクを冒さずにできるだけハードにプッシュすることで、いいリザルトが得られるんだ――これは、いっそう耐久イベントの度合いを増しているよ」







55 Rally ACROPOLIS (rally of Greece) - Solberg
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Posted at
2008/05/29 01:47:41