ラッピング　トリプルスリット

アルトワークスの3連スリットダクトガーニッシュにラッピングフィルムを施工しました。

今回使用したフィルムは
HEXIS HX30000シリーズ
カラー　HX30N71M Golden black matt

使用した工具
スキージー
ヒートガン
A型カッターナイフ又は30度鋭角カッターナイフ

今回は、中空部分に奥行きがあるので予め捨て貼りを行います。

　今回のガーニッシュでは継ぎ目が目立ちにくい部分に捨て貼りをしたいので、ガーニッシュ中空の天井と左右の壁に当たる部分と、床に当たるところを両サイドから1cm程度捨て貼りをします。
　両サイドから床に1cm程度貼る理由は、メインシートを切り抜く際に、5mm程度捨て貼りとメインシート重なるよう切り出します。すると床の捨て張り無しだと、この5mm分の下地が覗く可能性が高いためです。


捨て貼りとは…
　一枚貼りでカバーし切れない部分に予め小さい範囲を貼り付けておく事です。こうする事で
1 メインのシートにかかるテンションを軽減できる。
2 下地をより確実に覆う事ができる。
以上の2点が期待できます。

　テンションが軽減できれば、粘着力の低下を抑えられます。また、フィルム自体をストレッチせずに済むので、色飛び(引っ張る事でフィルムが伸びて色が薄くなること)や柄の伸び縮みも抑えられます。

　継ぎ目ができるデメリットがありますが、継ぎ目をボディラインやプレスラインに沿わせてやると目立ちにくくなります。また、普段見えにくいところで継ぎ目を作ればほぼ気付きません。

捨て張りは貼りたい長さより数センチ長く切り出します。これはあまったフィルムの切れっ端でも粘着面が綺麗なら大丈夫です。

　裏紙の中央を浮かせて切り抜いて貼り付けると位置決めがしやすいです。片面ずつ剥がして貼り付けていきます。
　今回はサイズが小さいのではさみでカットしましたが、サイズが大きい場合はバックカッターがあると作業しやすいでしょう。

　Hexisのフィルムは初期粘着力がそこまで強くないので、少々くっついてもすぐ剥がせます。

スリットの中空の面は真っ直ぐではありません。
側面は角が鈍角となり微妙に角度がついているので、このように向きが変わってしまいます。

仮に鈍角に影響されず貼り付けたい場合は、予めマスキングテープなどで貼り付け面を型取りをしてフィルムを切り出せば無駄なく済むと思います。

まあ、この場合捨て張りが目的の範囲をしっかり覆えていれば問題はありません。

要らない部分をカッターで切り取ります。

ボディラインに沿うように切り出せれば、継ぎ目も比較的目立ちません。

今回のスリットの場合は、スリットの折れ曲がり部分できるより少し奥まった部分で継ぎ目ができれば目立ちにくく仕上がると思います。

捨て張りが済んだらメインを貼っていきます。
貼りたい面積の辺より縦横それぞれ10cm程度長くフィルムを用意します。
こうする事で部品に張り付かない部分を持って引っ張ったりできるので、施工の融通がきくことと、粘着面を触れずに済むからです。

フィルムは一度全体を仮置きし、四隅の方向に軽く引っ張って仮張り。反対側も同様に軽くテンションをかけて仮置きします。
三次曲面に貼る場合は、中央からヒートガンで熱を与えて少し待ってから長軸、四隅に向かって軽くテンションをかけて貼ります。

仮置きが済んだら中空部分を仕上げます。

黄色の点線が捨て張りのツラ

赤線はカッターを入れるライン

捨て張りとメインが5mmくらい被るようにします。

両サイドも5mm程度被さるようにカッターを入れます。

このように側面にも5mm程度刃を入れるので、下の面にも1cmくらい捨て張りを置いておく事で、下地がはみ出なくなります。

赤線で切り抜いたら、下の面にそのまま貼りつけて、スリットガーニッシュの裏面に巻き込む数ミリだけ残して要らない部分をカッターで切り取ります。

メインの端は長軸の面を貼ったら四隅がシワにならないように裏に巻き込めば短軸の隅の部分は勝手に仕上がります。
スリットの場合は、表面から見える部分が綺麗に貼れていれば、側面の大部分はバンパーの中に隠れるので、ある程度妥協はできます。
貼り付ける位置が決まったらスキージーをして、最後にポストヒーティングを行います。

これを3回反復。

ちょっと文章でお伝えするのはなかなか難しい作業なのですが、初心者ほどいいメーカーのフィルムを使うのが挫折もしにくいのでおすすめです。
単価はそれなりに高いですが、様々な工夫で施工性の良さを高めてありますので、楽しくDIYできます。