前回のブログ「②になってる!」を読まれて、「よく分からない、①で走るのそんなに難しいか? ②になるのはヘタなだけでは?」と思った方もいらっしゃるかと思います。
スイマセン、私がヘタで②だったのは言い訳しませんが、ちゃんと①のラインで走ることの難しさ、なぜ②のラインになってしまうのか・・・についてチョット書いて見たいと思います。
まず、プロから聞いた言葉で「車は道なりに運転すると②のラインになる」という話があります。大型トラックが曲がり角を曲がるところをイメージしてみてください。前輪が操舵輪ですから、車体をカーブの奥まで進めてからハンドルを切り始めることになります、そうしないと後輪が曲がりきれません。まっすぐ入って奥でハンドルを切る、これは②のラインですね。これが普通です。
乗用車も長さが違うだけで構造は同じですから、道に沿ってハンドルを切ると自然と②のようなラインになりますし、実際にはハンドルを切ってから車が曲がりだすまでの遅れもありますから、無意識に走れば②になる・・・という特性が元々あるわけです。
ですので、ツッコみ過ぎてアンダー出したとか言う限界域に限った話ではなくて、ゆっくり走っている時でも「だいたい②のライン」なんです、よほど意識して向き変えて行かないと。
そう言われても、①のラインを走ろうとして②になるのは理解できない・・・と思う方いると思います。ここで、実際の道路の写真(下)を見て下さい。
ゆっくり流しているとして、どこからハンドルを切りますか?
左の速度標識ですか? その奥の電柱の手前ですか?
①のラインと言うなら、電柱にさしかかる時には「車体がしっかり内側向いてないとダメ」ですよ。じゃあどこからハンドル切ったらいいか?
速度標識の手前から大きく曲がり込んで行きたいところですが、道幅がありません(センターラインはもちろん越えません)から、あまり手前からハンドルを切る訳にもいきません。無難に速度標識を過ぎたあたりから「道に沿って」じわじわハンドルを切り込んで行くと・・・②のラインの完成です(笑)
電柱のところでは姿勢がキマってアクセルを踏んでいたい・・・と思ったら、道に沿ってハンドル切っていたらダメで、速度標識の手前からハンドル操作して姿勢を作っていく必要があります。
写真の場所の運転のログを見てみます。
左(緑)はヨーコントロールを意識して走ったログ、右(赤)は以前
講習会に来られた方のログです。
比較すると、同じ場所を通過するタイミングで赤の方が外を向いているのが分かると思います。道幅が狭いため両者とも似たようなラインを通過していますが、赤の車の方が向きを変えるのが遅い(コーナー奥で向きを変えている)つまり
②のラインになっています。
ヨーをコントロールする意識の違いが出ていると思います。
赤のドライバーは決してヘタな方ではなく、サーキット経験豊富でとても速く走られる方でした。意識してないところではこういう差が出る事もあります。
このようにベテランドライバーが②で走っているというのは、決して珍しい事ではありません。
また、講習会に来られた方に助手席から「このあたりからハンドルを切ります」と言うと、「切りたいけど、ここで切ったらインに刺ささりそうでムリ!」と言われる事がよくあります。ヨーコントロールを意識しても、操作がワンパターンしかないとやりようがなく、それまでと違う操作が必要になることもあります(クセになってるのを変えるのも難しい)。
かように、図に描くように①で走るのは容易でもなく、結構②になってたります。
ちなみに、緑はこの時①ではなく④でした。赤はエンブレ前荷重で前輪で曲げているところ、緑はアクセルオンで四輪で曲がっています。こんな普通のコーナーで同じ様なラインを通っていても ①②④の組み立ての違いは出ます。ヨーコントロールを知ることで運転の幅が広がります。
(G-Bowlアプリではこういった運転の違いも可視化できます)
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運転技術 | クルマ
Posted at
2024/10/07 20:32:31
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