
G-Bowlアプリで高得点が取れるようになった皆さんから、高得点を狙うと同乗者にやさしい運転ではなくなる、という声をチラホラ聞きます。アプリの採点では減速と旋回のGを一定に揃えると高得点になりますが、そういう運転は必ずしも乗り心地が良くない、という指摘です。これはその通りです。
採点を作った私が言うのは申し訳ないのですが、それは「採点から運転を考えた弊害」と言えます。G-Bowl練習の原点は
「目標G以下でコントロールする」
ことです、「以下」が肝心な所です。どこをどう走っても「目標G以下」で走り通す事が出来れば、車はコントロールの中にあります。安全を確保するためにこれが一番大事です。
このためアプリには(「採点」機能ができるずっと前から)「Gリミッター警告音」という機能があります。設定したGを大きく超えると「カーン!」という警告音で知らせてくれます。例えば街乗りであればこれを0.3G等に設定して一度も鳴らさないように走らせる練習をします。この時、0.2Gで走れるコーナーをわざわざスピードアップして0.3Gにしたり、0.2Gの減速でゆっくり止まれるのにわざわざブレーキ開始を遅らせて0.3Gで減速したりする必要はありません。コーナーに向かって、減速は優しく0.1Gで行い、旋回のピークは0.3Gとなる、という運転は普通にありますし、間違いではありません。
大切なのは、目標Gを決して越えないトレーニングであり、その中で運転を組み立てる、と言う事です。同乗者に快適な運転と矛盾しませんよね。
これに対して「採点機能」では、減速Gや旋回Gを「目標Gに一定」にする(目標Gに揃える)ことで、高得点になるように採点しています。これは「目標G以下」で走らせる事に変わりありませんが、減速Gと旋回Gが揃えられると言う事は「G一定ブレーキ」からのコーナー進入速度コントロールが出来ている(尺が合っている)事の証であるため、そのトレーニングを含んでいます。
また、目標Gに揃えると言うことは
「手持ちのGを使い切って走る」トレーニングも含まれます。これはサーキットなどタイヤのグリップを最大限に使って、速く走らせる場面で求められる技術です。
つまり、よりGコントロールの練習に特化した採点基準というワケです。
タイトルの画像は0.3Gを使い切るように走らせたグラフになります。採点では高得点になりますし、タイムアタックならこういう走らせ方になるでしょう。しかし、同乗者に優しい運転は必ずしもこうはなりません。その場合、採点は気にせず、0.3Gという上限を超えない範囲で乗り心地のよい運転を演出すれば良いのです。それを考える上でi-DMのランプも参考になると思います。
G-Bowlでは乗り心地の良い運転に「目標G以下」という指標しか示してくれないのか?とガッカリされる方もいらっしゃるかもしれませんが、これはそんなに簡単な事とは考えていません。
と言うのは、丁寧な操作をするだけであればベテランドライバーの方なら自信が有る方も多いと思うのですが、そういうドライバーが交差点やキツイカーブで(本人が思ってる以上に)強いGを出してしまっている、山道の深く切れ込むコーナーでヒヤリとする、というような事があります。G-Bowlアプリを使って「横Gって思ったより強く出るんですね」という声もよく聞きます。それは安全ではありません。
事故のニュース報道ではよく「ハンドル操作を誤って」と言いますが、それ以前に高すぎるスピードでカーブに突入しているケースがほとんどでしょう。その段階で丁寧なハンドル操作をしたところで遅いのです。
常にGがコントロールを越えないように走らせるには、
今やってる操作を丁寧にするだけではダメで、先を予測した運転が求められます。そこに気づき、トレーニングするための G-Bowl です。
大事なのは常に目標G以下で走らせられる事。乗り心地の良い運転はその中で組み立てれば良いのです。
Posted at 2014/10/12 22:25:55 | |
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