
G-Bowlアプリの採点機能はいったいどういう基準で採点しているのか?
昨日のブログでそういう問い合わせがありましたので、書いてみたいと思います。
昨日のコメント欄でも少し触れましたが、広義の運転技術全般を数値化して10点満点で示すなどという魔法のような採点基準ではありません。なにしろ判定するのはiPhoneのセンサーだけが頼りですから。
ところでアプリの元となった
「G-Bowl」とはGを指標に運転を考える練習ツールです。街乗りの快適運転からレースシーンまで、Gをコントロールすることは常に必要です。Gを指標に運転を練習することは安全、快適、速さ、全てに通じます。幸いiPhoneにはG-Bowlの思想を電子化するのに十分な精度のGセンサーがありました。
G-Bowlアプリでは、車に発生するGを知り、自在にGをコントロール出来るように練習します(その土台になるのがG一定ブレーキです)。その練習の成果を測るために採点機能を用意しました。したがって採点基準はシンプルで、コーナーリングにおいて減速→旋回→加速に至る過程を「目標G」に設定したGで一定に揃えられれば高得点となります。
(ただし、加速についてはGが揃っていなくても、加速Gの立ち上げが遅れなければ良しとしています)
勘違いしてはいけないのは、Gコントロールを極めて10点満点が取れれば「運転として満点(それ以上やることがない)」ということではない、と言うことです。例えばコーナーリングにおいてはラインやヨーコントロールも重要ですが、それらは本機能では計れません。
また、なぜ減速と旋回のGを揃える事を求めるのか? ですが、別に「減速は0.2G、旋回は0.3G」でも、それと決めて、その通り運転できれば良いのです。大切なのは道なりでGが強くなったり弱くなったりするのではなく、ドライバーが決めたGでコントロールできる事です(*1)。
採点基準において減速Gと旋回Gが同じなのは、課題設定として分かりやすいからそうしています。
補足として、減速Gも旋回Gも意思を持って一定に揃える運転を前提としていますので、グラフが急激に変動している部分は評価しません(ブレーキを踏み込んでGが安定するまでの時間、路面の荒れによる急変動など、ドライバーの意図するGを測るのに適切ではないため)。簡単に言うと、グラフが平らに近い部分のGを見ています。結果、運転にミスがあってグラフが瞬間的に大きく乱れても減点にならない場合もありえますが、これはドライバー自身がグラフを見て(ミスがあったと)分かるから問題ないと考えています(他人と点数を競うためのものではなく、自分が狙ったとおり運転できているか確認できれば良い)。
(2019.7.5 追記)
*1 仮に「減速は0.3G、旋回は0.3G」で走ると決めて、0.3Gでブレーキを開始しても、コーナー入り口までに速度が落としきれず「× オーバースピードで0.4G旋回になった」、「× 途中でブレーキを踏み足した」、逆に速度が落ちすぎて「△ 途中でブレーキを抜いた」、「△ 遅すぎて0.2G旋回になった」、いずれも失敗です、点数は低くなります(△は×より安全に対処出来るのでマシというだけ)。
そう考えると満点とれるかは「どこからブレーキを掛け始めるか」で決まってしまうことが分かると思います、近すぎても遠すぎても失敗です。ピンポイントでそれを見積もるのは容易な事ではありませんが、それが出来ないと常にGをコントロール下に置くことは出来ないという事です。
このブレーキ開始位置の見積もりが毎回ピタリとキマるようになるのが採点練習の最終目標と言っても良いです。この感覚は反復練習して修正することでしか身につかないので、コーナーリングのたびに精度を確認するために採点機能を作ったのです。
(感覚が身につくと運転が変わりますよ)
Posted at 2014/08/12 02:13:00 | |
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