
昔々の話、経緯は省略しますが、某プロの元で「4つライン」というものを知り、「コースを借りて検証しよう」という話になりました・・・
4つのラインとはタイトル画像
(全て左カーブです!)
の通りですが、雑に説明すると、
①立ち上がり重視、一般的に使われるライン、日本式、ブレーキを残す
②ツッコミ重視、通常は失敗のラインどり、シケイン等で使う事もある
③距離優先、最短距離を走る
④コーナーリング速度優先、欧州式、ブレーキを残さない
②と③は置いておいて、①と④の違い、つまり当時雑誌でも取り上げられていた日本式コーナーリングと欧州式コーナーリングを検証してみよう、みたいな話だったと思います。モータースポーツ経験豊富な腕自慢のメンバーが集まり、「①は普段やってるから、④にトライしてみよう」と。
で、結果がどうだったかと言うと・・・これが衝撃の結果でして(笑)
一人を除いて全員「①もちゃんとできてなかった」のでした。
④どころの話じゃねーな・・・と界隈ではちょっとした騒ぎになりました。
いや、初心者ならともかく、参加者の多くは走行会ではトップタイムで走る人たちですよ、その人たちが基本の①が出来てないってどういうことなのか?
具体的には「それは①じゃない、②になってる」と指摘されていました。
「②になってる」、そう、本人は①のつもりで走っているけど、プロから見たらそれは②ですよと。
今なら分かります。当時の我々は車両姿勢(ヨーコントロール)の意識が薄く、ラインは①をトレースしていたけど
車の向きが変わるのが遅かった・・・。もっと早く向き変えられますよ・・・と。
こちらの
「ダートドライバー」という記事に書かれている
速度のコントロール、ラインコントロール、ヨーコントロール、の三つがそれで・・・(中略)・・・このヨーコントロールは、舗装路でも大切ではあるが、速度のコントロールと、ラインコントロールの二つで走れてしまうから、気が付いていない人もいる。
まさにこの状態。当然ですが、この状態だと④のラインも「本人は④をやっているつもり」だけど、走ってみると「それは④じゃないですよ」と言う事、ままあります。
この後、G-Bowlアプリが世に出て、アプリで練習した方にもよく見られた現象なのですが、「Gはコントロールしているが、向き変えが遅れて、ずっとアンダーで曲がってる」というパターン結構見ます。舗装路だとそれで走れてしまうんですよね。
私も以前はそういう走りをしていて「自分はちゃんと前荷重かけてるからアンダーは出していない」とも思っていましたが、「ヨーが出てればそんなに前タイヤに負担かけないで曲がれる、四輪使ってないですね」と言われて返す言葉ありませんでした・・・
アプリの作者として、この課題について伝えたいという思いはありつつ、どう伝えたら伝わるのか? 長年の課題になっていました。アプリ以前に運転理論からお伝えするのが私には手に余る・・・という事もありました(まぁそこは
「四輪の書」を読んでいただくとして)。
今年になって
アプリの講習会をやるようになり、やはりこの課題に取り組む必要がある・・・と実感しまして、現在、アプリに診断機能を開発中です。
機能名は「コーナーリング指数」表示機能としました。どのように数値化されるのか? どのように活用できるのか? など、現在、
「G-Bowlアプリ・ログ交換所」グループ内でテスト中です。興味のある方はグループにご参加ください。
Posted at 2024/09/22 16:55:34 | |
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私が聞いた言葉 | クルマ
2024年09月03日

「私が聞いた言葉」を紹介するシリーズ(今回からですけどw)
今回は「ズレるときは後ろにズレる」です。
コーナーリングが上手く行ってない時、「進入速度を少し落とすだけで解決」する事がありますが、これが容易ではないという話があります。速度を落とすのは簡単だけどタイムが落ちるから・・・という事ではなくて、落とした方が速く走れてもついついツッコミ過ぎてしまう。
これには理由があって、コーナーに入る前にコーナー脱出までの予測と計画がある(※1)からこそ「自信を持って適切なタイミングで速度を落とす」判断が出来るのであって、目先のところしか見えてないと判断が先送りになり操作の開始が遅れます。人間、経験が浅いと判断が遅れる事はあっても早まる事はあまりありません
「ズレる時は後ろにズレる」わけです。逆にコレを全て手前手前に持ってこられれば「運転操作はビシビシ決まる」わけですが、判断を手前に持ってくる事自体が難しい訳です。予測動作には経験と訓練の時間が必要です。プロは我々素人より手前でより正確に判断しているので「簡単にやっているように見える」わけです。これはテクニックを教えてもらってもすぐマネ出来ることではありません。これが運転の、というかスポーツ全般の難しい所です。
なんだ救いの無い話か、と思うかもしれませんが、逆に考えてコーナーリングが思うようにならない時に「練習の方向性」を見直すヒントになると思うんです。長いスパンでの予測動作が正確に出来ないなら、それを練習すれば良いのです。ついつい、意識しやすい走行ラインや荷重移動の練習、あるいは速度を上げて攻めた走り込みを・・・となりがちですが、土台となる「予測のものさし」が無いと、いつまで経っても「目先の操作」に終始してしまいます。「目線を遠くに」などともよく言われますが「遠くの何を見てどうするのか?」が無いと始まりません。
講習会では本人が持って帰れる練習方法とアプリを使ったセルフチェックの方法をお伝えしています。興味がある方は気軽にご参加ください。
「G-Bowlアプリ講習会」 https://ifulsoft.com/g-bowl-app-workshop/
※1 この課題に対して「同じコースを何度も走って覚える」という方法がありますが、それをやることで目先のタイムは縮まりますが、自分の「予測のものさし」を育てることが止まってしまいます。そのアプローチでは「そこそこのレベルでは勝てても頂点には行けない」・・・とプロは仰っていました。
Posted at 2024/09/03 11:03:40 | |
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私が聞いた言葉 | クルマ