さてさて、せっかく完全ノーマルのモンキー組み上げたのにエンジン下ろしちゃった前回。
何故降ろしちゃったかと言うと、こんな感じ。

お判りの通り、エンジン分解されちゃってますよ。
ノーマルのモンキー。
こんな車体だからと言うのも判るんだけど、とにかく非力。
ちょっとした幹線道路に出ちゃったりすると、走るシケインと化してかなり危ない。
坂道も30km程度でエンジン唸り登ってゆくのが精一杯。
まぁ、道交法自体原付は制限時速30km/hなんで十分なんですが。
幸いな事に前回CD90エンジンばらした時のあまり品で腰上が丸々残っているんでそれを移植しちゃいましょうっと。
エンジン、オーバーホールついでに排気量アップです。
CD90エンジンは50ccエンジンと比べて、ストロークが長い上にコンロッド長も長いです。
あ、勘違いが多いですがストロークが長い=コンロッドが長いでは無いですよ。ストローク長が同じでもコンロッド長が違うと言うのもありますし、ストロークが長くてもコンロッド長が一緒と言うのもあります。

という事で腰下もバラしてゆきます。
右端についている丸い蓋のされている所、オイルポンプです。
50ccに比べてCD90は大容量になっているので、大容量の物に交換です。

クランク取り出し。
こちら50ccのクランク(交換するクランクは写真取り忘れ)
こちらを交換するわけですが、CD90の物その物ではなく、モンキーのクラッチが使えるストローク&コンロッド長がCD90と同じ物に交換です(CD90とモンキーではクラッチ付く位置が違うのでクランクの取り付け部分も違うんです)
コンロッドの太さも50ccよりもずっと太くなりますよ。
ちなみに、50ccから90ccにする時にコンロッドを長くしたのは、連桿比(れんかんひ)を大きくし耐久性を上げたんですね。
連桿比→コンロッド長とクランク半径の比率。
ピストンはクランクが回転する事で上下だけでなく横への力も発生し(首振り)、ピストンとシリンダを接触させる事になるけど、コンロッド長を長くする事により、ピストンの横への首振りの力を少なくさせる事が出切る。
ちょっと脱線しましたがお次。

クラッチケース、ジェネレーターカバーは比較的綺麗な状態ですが、一部腐食の後とかが見えるので塗装しちゃいましょう。
例によって、サンドブラストでクリア塗装を剥いで足つけ。
プラサフを塗って塗装です。

車体が黒多目なのでケースも黒で塗装。
さて、組み上げ……と言う前に一つ問題。
CD90のシリンダの状態があまり宜しくない、と言う事です。
シリンダ内にホーニング跡とかは残っているんですが、一時期水が入ってたのか、それともピストンの首振りが激しかったのか僅かにえぐれて錆が出ています(と言うか錆で腐食してえぐれたか)
この部分、ピストンリングにも接触した跡が無いので凹みがあるようです。
ここでどうするか。
1、無視
2、シリンダ新調
3、シリンダボーリング&オーバーサイズピストン
さてどうする?
っと色々考えていたら、某オクを見ていると訳有りCD90のシリンダ&ピストンが出ているではありませんか。
訳ありの理由、製造ミスによりシリンダとピストンのクリアランスがギチギチ。スムーズに動かないよ・・・っとの事で、激安でありました。

で、買いましたよ。11円でwww
まぁ送料&振込み手数料で800円程かかりましたけどね。
この位なら、駄目でも諦め付くかとw

という事で、何が悪いのか計測です。
一番良いパターンは、シリンダサイズ→問題無し ピストンサイズ→でかいというパタンですね。
CD90オリジナルと今回購入した物を計測してみると……
シリンダー CD90とほぼ同じサイズ。
ピストン CD90に対して今回のが0.05mm程でかいと言う結果に。
クリアランスギチギチの原因はピストンがオーバーサイズという事のようです。
という事で、
ピストン→CD90
シリンダ→オク品
という組み合わせで使えば良さそうです。
残ったピストンとCD90シリンダはピストンに合わせてボーリングに出せば良いでしょうね。
あ、あと一つピストンリングも新しい奴にしようと思ったらなんかデカイ……
シリンダに入れてみたら重なり合う部分が……使えねーじゃん……
CD90のを再利用w
という事で、組立です。

腰下を組み上げ

腰上を組んで完成です。
49cc→85ccなので1.73倍の排気量ですね。

という事で車両に搭載。
ノーマル車両と言われても全然違和感なし。
判る人が見たら、キャブ回りが少し違うから判るかな。
キャブレターはC90(カブ90)のPB16を使います。
パワーを狙うわけでもないし、元々の90ccのキャブを使うだけだからこれで十分。
天候や季節にも影響されずらいですし、セッティングも大きく変えないで済みますしね。
C90のPB16はCD90のPB16と違ってワイヤーで引っ張ってチョークを動かします。よってハンドルにチョークレバー増設です。

マフラー、エアクリーナーは50ccの使い回しです。
85ccには多少つまり気味?と言う感じだけど、それでも普通にトルクフルに走るから良いかな。

1号機、2号機並べてみましたよ。
如何に1号機が大きく成長しているか判るかと。

ボルト1本、ナット1つまで徹底的にノーマルスタイルにこだわって。

エンジンパワーは凄いパワーとは行かないけど、ノーマルモンキーの車体には必要十分。
50ccから比べると雲泥の差です。

こちら1号機

サイドカバーも綺麗に。
エンブレムもぴったり

タンクエンブレムも綺麗に。でも高いです……

1号機のサイドカバーエンブレムもデザインぴったりでしたよ。

きちんと2種登録です。
1種のままはイカンよ。

今や希少なキャブ車モンキー
このまま大事にノーマルのまま保存していきたいです。
おわり