お久しぶりです
暫くみんカラ放置状態でしたが、最近やっと落ち着いてきましたので久々にブログをあげてみます
と、いうのも自分の住んでいる処は岡山県倉敷市真備町でして…
片田舎の辺鄙な町ですが、この度の７月豪雨災害で街全体が大きな被害を受けてしまいました
今回は被災直後の行動を書いてみようかと思います
町のメインストリート付近
道沿いに病院、スーパーやホームセンター、飲食店、衣料品店などが立ち並ぶ真備町の中心
未だに当時のこのような画像を見るといたたまれなくなります
浸水被害はまさにハザードマップそのままでした
7/6の夜に降りしきる雨の中、LINEのグループで友人達とハザードマップの話をしていました
ウチはダメだとかウチはセーフだとか、いやまさかその通りになるとは…
メインストリートとなる県道沿いとそのバイパスはほぼ全て水没、1番酷い場所で5m程浸かりました
古くは東西にのびる街道沿いの宿場町だったのですが、現在もその道に沿って店舗は集中しています
役所もこの道から少し入った場所にありました
水害時、インフラも含め真備町の機能は完全に停止しました
また、浸水する前日の夜（河川堤防決壊の1時間程前）に豪雨の中、真備町に隣接する総社市にあるアルミ工場で爆発事故がありました
爆発事故があったアルミ工場
事故の翌日早朝に撮影
この爆発で周囲十数キロ範囲の建物の屋根が吹き飛んだり窓ガラスが割れる等の被害がありました
近隣の住民の不安を更に煽り、浸水が起きる数時間前でしたが、既に建物に被害を与える事故になっていました
マジでこの爆発はびっくりしました
この工場はウチから車で5分程度の場所にあるんですが、降りしきる雨音の中、いきなりドーン！ドーン！と地響きを伴う轟音とともに家にぶつかる衝撃波がきました
何事かと⁉︎
まさか堤防決壊したのかと⁉︎
当時はネットで河川水位をリアルタイムで見ていたのですが、すぐさま検索すると情報が入ってきました
窓を開けると件の工場がある方角の夜空が赤々となっています
しかし、まさかこの数時間後に堤防決壊からの街全体が巨大な湖になるとは思ってもいませんでしたが…
時空列にしてみますと、
7/6
23:30頃
アルミ工場爆発
7/7
0:00頃
小田川支流末政川の西側の堤防が決壊、付近の家屋が流される
消防団の数人が目撃していたが、市や県は把握していなかったようです
決壊したとの発表も無し、連絡ルートに問題があったのかもしれません
実際に市や県が把握したのは街全体に浸水が始まった8時頃だと思われます
しかし、この時既に末政川の西にある同じく小田川支流の高馬川東側堤防も決壊していたかもしれないとの事
そして小田川も決壊していた可能性があるそうです
高馬川と末政川に挟まれた地域は既に巨大なプールになりつつあったのではないかと思われます
3:00頃
末政川の水位が下がりだす
恐らく、決壊した末政川西側堤防より流れ出た水が、高馬川と末政川の間の地域にプールのように溜まりはじめた為に一時的に末政川の水位が下がったのでしょう
8:00頃
高馬側と末政川の間の地域に巨大なプールのように溜まっていた水が、末政川東側堤防の決壊とともに街の中心部へ流れだします
車も流されていくほどの勢いの濁流が瞬く間に…
流れ出ていくさまは実際にこの目で見ました
徐々に街全体が水に浸かっていく様子を見ながら東へ東へ移動しました
真備町は南北に高梁川、東西に小田川という大きな河が流れています
わかりやすく例えると、四角形の右側の辺が高梁川、下側の辺が小田川
四角形の上側は実際の北側になりますので、山があり北に向かうほど海抜は高くなっています
その四角形に、左側から水が流れ込み、四角形の右辺と下辺にある二大河川の堤防で水が止まり、さながら巨大な湖のようになってしまいました
友人から送られてきた画像
うちの近所の田圃の中にある神社
屋根と木しか見えていません
末政側東側決壊時、彼女から連絡を受け、なかなか避難しなかったうちの両親をやっと説得して避難させました
当日は、家の二階に避難して取り残された友人知人が多くいました。
自分は友人たちと北側の山あいにある工場の駐車場に避難したのですが、まさに何も出来ない状態
移動の範囲も限られるため浸水してるそばまで行って救助の様子を眺めるしかありませんでした
決壊した川の付近は街へ流れでる水の勢いが強く、自衛隊もボートでの救助は困難と判断したようです
正午から日没まではヘリでの救助が続きました
また、この間にもボートを所有している市民による可能な範囲内での救助活動もあったようです
真備町の人口は約23000人、被災した家屋は全9500戸中4600戸、そのうち全壊判定は2100戸
また事前に避難した人数は全体の2割程と言われていました
自衛隊と消防に救助された方の数は約2300人
この他にも民間に救助された方々も相当数いたと思われます
ジェットスキーやカヤックで救助にあたった方などが後日メディアに出ていましたね
自分の1日目はなすすべもなく終了
本当に無力でした
しかしまだ、ツイッター上では住所を書いて救助を待つ人たちがたくさん見受けられました
翌早朝、ある友人が用意したボートを使い、住所がはっきりしている取り残された方々をピンポイントで救助に向かう段取りをして友人達と水際まで向かいました
ボートを下ろす地点にいた自衛隊の部隊の方々と相談したところ、自衛隊のボートに乗って道案内をすることになり、２つのボートを使い救助、救助した方々は先行している大型のボートに移ってもらう方式になりました
自衛隊の方が言うには、真備町の地図を用意しているが、町全体が水没しているので道も地形もましてや住所などまるで見当がつかない状態だと、そして私物のスマホは持っているがツイッターの救助依頼は見ていないそうです
全国から複数の部隊が派遣されていましたが、本部からの指令は大雑把で部隊毎に各々に場当たり的に救助活動をしている状態だったようです
ツイッターで救助を待つ方々の元へピンポイントで虱潰しに向かえるならありがたいとの事で快諾してくれました
ボートによる救助活動を提案してくれたK氏
ボートの手配もしてくれました
某団体職員で真備地区の担当をしていた事もあり地理と住所を把握しています
ツイッター上での救助待ちの方々以外にも、彼の知る独居や自力で動けない高齢者の方々の家にも注意をしていました
彼の行動力は素直に素晴らしいと思います、グッドマンです
緊急時には
たとえ100点の結果にならないかもしれなくても
すぐ行動を起こす事が大切
総社市の片岡市長も似たような事をツイッターで言ってましたが、まさにその通りだと思います
今回の水害は真備町以外にも被害を受けた地域があります
お隣の総社市もそうなんですが、片岡市長は迅速な判断と対応、細かな情報発信、他の県や市にも横の繋がりが広くたくさんの支援を頂いてました、それは他県の災害時に速やかにに総社市から救援部隊を送っていたからにほかなりません
そして自身が前に前に出るスタイルなどで、市長の株はうなぎ登りになっているかと思われます
出たがりだのアピールだの片岡市長に対してとやかく言う人もいますが、いいんですよそれで
やらない善よりやる偽善です
自分も数回会って話をした事がありますが、非常に好印象を受けました
腰が低いんですよ、誰に対しても同じように接していますね
腹の内はどうか知りませんが、政治家なんていいんですよそれで（2回目w）
自分は片岡市長を支持しています
倉敷市民なんで票は持ってないですけどw
因みに…
もう１人、この救助活動に参加した自分の勤める会社の社長でもあり、幼馴染のS氏は巻き込まれる形で半分躊躇しながらも救助計画のボートに乗りました
途中で真備に地盤がある某県議の事務所へも寄り、取り残されていた県議とその取り巻き一党をボートに乗せたそうです
で、ボートがいっぱいになったので自分がボートを降りますと申告し、歩けそうな道を通って出発地点に戻り嫁に電話して迎えに来てもらって、これから親戚の家へ厄介になりに行くからもう帰るわと連絡がありました
…おい…
最後までやれよ…
ま、アレだろうなー
参加しなかったら後で何言われるか分からないから、一応自分も参加した体で…ってやつだったんだろーなー
と、邪推もしたくなります
このS氏は普段から
昼行灯なんですよ
基本、人柄も良く他人の悪口は言わないような男です
そう他人の前では言わないだけで陰では言ってますし、たまに本人の前で強烈な暴言を吐く事もあります
仕事は可もなく不可もない男と言いたいところですが、残念ながら不可の方が多いと云うか多すぎます
とにかくイライラさせられる事が多いのですが、多分、周囲のまともな友人や彼の嫁さんもそう思ってます
しかし！
平素は昼行灯でも、このような非日常的な災害時には夜道を照らす月明かりになるのではないか？
と、期待していたのですが
災害時にも昼行灯じゃったわ…
本当の意味で期待を裏切らない男（笑）
まあ、これ以上我が友をディスるのはやめときましょう
一応、ホントに一応、人助けはしたわけですし
水が引き始めていましたがまだこのような状態
正午くらいには自衛隊以外にも民間のボートも多数出ていて救助活動が町のいたる所で見受けられました
救助された方々は近くの避難所に移送された後、更に別の県内の避難所に割り振られてバス等で移送されます
15時頃まで救助活動を続けました
救助された方々が写ってる画像はありません
不安と疲労の中やっと救助された方の写真を撮るって行為は自分的にはNGだと思うからです
最後に百数十人が取り残されている病院に向かってほしいとの連絡を受け向かいましたが、到着した時はほぼ救助作業が終了していました
付近の民家を見回った後にメインストリート沿いに東の上陸地点に向かい撤収しました
美味しいと評判の『我が家』さんも…
友人のラーメン屋も…
かなり水がひいてきましたがこの有様
上陸地点に到着
この先にある高梁川にかかる川辺橋は封鎖中で真備町に入ってこれなくなってます
出発地点まで送って頂きました
一緒に行動して頂いた隊員の皆さん、本当にありがとうございました
正直、自分は思うのですが、
今回の水害の場合ですが、初日と2日目は人の生き死に直面します
救助を待つ人、またその救助を待つ人を待つ人達にとっては、決して大袈裟な表現ではなく、また陳腐な表現でもなく、自衛隊は「神様」ですね
特に初日のような、増え続ける水の中、降りしきる雨の中、二階や屋根の上に避難していた人達にとってはまさにその通りではないでしょうか
感謝しかありません
実を言いますと、
自分の彼女の家も二階まで浸水し、その二階に家族と取り残されました
夕方にヘリで無事救助されましたが、救助されるまでの間は自分は心ここにあらずでした
何度も避難するように電話をしたのですが、うちの両親同様に彼女の親御さんも避難を拒否していたからです
彼女の家は決壊した末政川の傍にあり、濁流が押し寄せ車が流されていく様をみて自分に連絡をくれました
そっちはまだ間に合うから逃げてと
うちの両親にその事を伝えると、ようやく重い腰をあげて避難すると言ってくれました
ついでに近所に住む、先ほどの昼行灯社長のS氏にも彼女の件を伝え、今すぐ逃げろと
彼とその家族は前夜から避難場所に避難していたのですが、一時間程前に
「わいが大丈夫だと判断したから家に帰ってきた」とのたまっていました
そして家族は家で寝ていたそうです
しかも、連絡をした後で本当に水がそこまで来てるのか一度車で外の様子を見に行き、大慌てで家に戻り家族を叩き起こして避難したそうです…
いや、もう…
お◯え◯◯だろ？
（汚い言葉ですみません、その時に思った事を記録するとこうなります）
まあ、いいや、取り敢えず無事だったしな
そして、まだ間に合うかもしれないし、何にせよ状況を知りたいと、自分は彼女の家に向かいました
1.5k程離れています
家のすぐ側まで行きましたが、轟々と濁流が迫ってきてそれ以上近寄れませんでした
付近の住民が大急ぎで車や徒歩で逃げ出す後ろから濁流が噴き出してくる有様でした
末政側東側堤防が決壊する前からメインストリートに水が流れ出ていたために警察官数人が通行規制をしていたのですが、その警察官たちもパトカーに乗って一斉に避難しはじめました
そのパトカーの一台を停めておまわりさんに、
ちょっとそこの家にうちの彼女が家族で取り残されてんだけど何とかならんかな？
…!?
…いえ、何とも…
救急に電話していただくしか…
間に合うかよ！
オメーらがいんだろうが！
………
警察官無言、パトカーと足元の水がどんどんと増えていく
暫しの時が流れる
自分、我にかえる（笑）
ごめん、無茶を言ったわ
おまわりさん達も速く逃げて
はい、あなたも早く…
ありがとう、悪かったね
走り去るパトカー、自分も車に乗り込み、走りながら119しました
住所は承りました
要請が多すぎて対処できない
救助はいつになるか分からない状況
長袖、長ズボン、ジャンパーなど暖かい格好
雨合羽、飲料水、携帯電話
旅行カバンや大きなペットボトルなどとにかく水に浮かぶもの
それらを、二階または屋根に持って上がり
とにかく必ず助かると信じて救助を待つように伝えて下さい
必ず助かります！
と、オペレーターさんに言われ、それを彼女に伝えました
そのまま、徐々に水に広がる街の様子を見ながら東へ東へ移動しました
もうこれ以上は危ないなと思い、友人達が避難している工場の駐車場に向かいました
避難所数カ所も開設されていたのですが、近場はどこもいっぱいとの知らせは受けていましたので
と、まあ、このような事がありました
故に自分自身、自衛隊の方々に非常に感謝しております
勿論、行政や一般のボランティアさん、民間で救助活動にあたられた方々、避難場所と飲食を提供して下さった企業さん
そして心配して頂いた方々、募金をして下さった方々、感謝しております
ただ、災害初期はただひたすら救助ですね
その後起こるであろう様々な問題は取り敢えず置いといて、ひたすら人命救助
命あっての物種
取り敢えず生きている事
生きてなきゃ何も始まらない
自衛隊は、
救助活動をして下さった隊員さん達は、
救助された被災者達、そしてその周囲の人達にとっては「神様」であり「英雄」なんですよ
大袈裟に感じる方もいるかもしれません
ヒトってのは喉元過ぎれば…恩を忘れるもんです、そうならないようにも戒めが必要です
このブログも戒めの一つみたいなもんです
その時に自分が感じた事や思った事が記録に残りますから
そして、被災3日目からは家の片付けを始める事になるわけですが、不衛生な環境の中でで猛暑と疲労、まあ特に精神的にやられてる方が多いのですが、当然といえば当然ですね
苦労して建てた家が泥水に浸かってしまったわけで、惨々たる家と周囲の状況を見て自分の親父もすっかり弱ってしまいました
冗談抜きで死んでしまうんじゃないんだろうかと思うくらいに…
まあ、片付けが終わり綺麗にリフォームしていく過程でどんどん元気を取り戻していきましたけどね
幸いな事にうちにはクセはあるが優秀なスタッフが（親戚一同の事ですがw）揃い、片付けもリフォームも低予算で順調に進みました
この辺の話はまた次回に
最後なりますが、
この度の豪雨災害により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまにお悔やみを申し上げます
後日加筆修正します
その2に続き…ます？
時間があるときにまた
お久しぶりです
