バタートースト

今は建物すら残っていませんが、昔会社が日本橋にあった関係で、小さな個人経営の喫茶店を贔屓にしていました。

そこはオーナーとマスターしかいないお店で、お二人とも高齢の女性という構成。人が少ないので、オーナーもお店に出ていました。

ここで出されるバタートーストが本当に大好きて、今でもよく思い出します。一般的にバタートーストはパンに切れ目を入れるとか、パンを二度焼きするとか、最後に軽く塩を振るとかいらいろ言われますが、ここのは切れ目無しの一度焼き。特徴的なのは、バターを懇切丁寧に塗ることにこだわっており、丁寧な仕事の結果、本当に美味しいトーストを提供してくれていました。

単にバターを塗るにしても、トーストとバターの温度関係には絶妙なマッチング点があるとのことで、トーストの蘊蓄を聞くだけでも楽しかったのを覚えています。

よく、タイムマシンがあったら？という話になり、その都度自分は今が一番なので不要と答えるのですが、トーストにバターを塗るたびにふとこの店を思い出し、あの頃のお店にもう一度行きたなーと思ってしまいます。