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2021年09月21日 イイね!

マイ・イヴォークの紹介と、イヴォークがランドローバーにもたらした功績を考えてみる

-イヴォークのヒットがジャガー・ランドローバーにもたらしたもの-

タイトルの通り今回は自身のイヴォーク・コンバーチブル(毎回長いのでイヴォコンと呼ぶことにする)のエンジンについてとイヴォークがジャガー・ランドローバーにもたらした影響についての話。

初代イヴォークは2011~19年(約8年)という比較的近年では長めの期間販売されたモデルとなった。これには色んな事情が有ると思うが、一つにはジャガーランドローバーが比較的長いモデルサイクルを採用していることも有ると思うし、イヴォークは2008年にフォードからタタ・モーターズに売却された初期に出たモデルだったことも有り、ジャガーランドローバーに取っては重要な試金石を担ったモデルでも有った事も関係しているだろう。

コンセプトカーが発表されたのが2008年だったので、既にフォード時代から開発されていたとは思うが、特に中期以降はタタ・モーターズの資金力とイヴォーク自身のヒットがもたらした成功体験をベースに、ミッション(アイシン6速→ZF9速へ)、インフォテインメントシステム(InControl)、自社製エンジン(エコブースト→インジニウムへ)らの刷新や導入を進めながら陳腐化しないよう努めたと言えるのではないだろうか。

イヴォーク自体は後に繋がるスポーティで都会的なプレミアムSUVブームの先駆けとなり、当時のランドローバーにとって望外な大ヒット作となった。タタ体制となったジャガーランドローバーにとってもこの結果は「ブランドを作り上げていく」という大きなモチベーションになったのではないだろうか。

実際にこの後、イヴォークとシャシーを共有し、7人乗りやサイズに比して広いラゲッジスペースを確保したアクティブなスタイルの「ディスカバリー・スポーツ」も登場させ、"デザイン志向で都会的なSUVクーペ"である「イヴォーク」と"家族でのキャンプやアクティブなライフスタイルに呼応したワゴン"的な「ディスカバリー・スポーツ」という棲み分けも行った。

更にこの後ジャガーブランドサイドに対する大きなテコ入れが始まり、ジャーマンスリーに対峙出来る"英国車"の復権に向けたプロセスがイアン・カラムのネオ・ブリティッシュネスと言える様なデザインを纏った「XE」から始まったと言えるだろう。
(厳密には1世代前のXF時代からイアン・カラム・デザインなのだが、フォード末期~タタ初期の初代XFはボディは後につながるスタイルなものの、何度かのデザイン変更を受けた。また、初代XFにおけるシャシー等ベースは旧Sタイプの流用とされている)

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Jaguar XE
ロングノーズの伸びやかなフォルムとショートテイルのスポーティさ、クーペ的にスラントしたCピラーなど、X-Typeからデザインコンセプトが一新されたXE。自身も所有していた1台。足回りも燃費も最高で良いクルマだった。リアからのフォルム、フェンダーの造形は量産車としては素晴らしいと思う。ジャーマンスリーよりむしろライバルは伊達なイタ車、「アルファロメオ・ジュリア」だと思う。

XEでプレミアムラインの主要セグメント(流石に近年ではこの位置もSUVに明け渡しつつあるが、それでも3シリーズやCクラスへの需要は少なくない)であるDセグメントに再挑戦し、更に同プラットフォームをベースにEセグメントの「XF」を刷新、また、同プラットフォームを用いたD~Eセグメントのジャガー史上初のSUV「F-Pace」も発表した。因みにコンパクトSUV「E-Pace」はイヴォーク、ディスカバリー・スポーツと同一プラットフォームを採用している。

ジャガーの話はこれ以上ここでしても長くなるので割愛するが、それでも当初F-Paceが出ると聞いたときには驚いたものである。ジャガーとSUVはやはり古い人間ほど結びつかなったので。一方でタタ体制以降、ジャガーとランドローバーはベースを共有する同一メーカーな訳で、SUVの知見も多分に有るのだから、SUVブームも勘案し、それを活かさない手は無かったのである。

今となっては更にプレミアムなアストンマーチンやランボルギーニ、そしてロールスロイスやベントレーにもSUVは存在するので、これはこれでSUVが"現代のサルーン"として認知されたということなんだろう。「ミニにSUVは流石にやりすぎ」なんて思ってた時代は随分昔に思える(10年くらい前の話なのだが)。

閑話休題、イヴォークの成功、ジャガーの復権を経て、ランドローバー自体に還元されたものは何だったのだろうか。僕はそれを「モダンなラグジュアリーさ」だと捉えている。ディスカバリーやディフェンダーのような、実用性やワイルド感の有る車両は元より得意だし、重厚で鷹揚な高級感はレンジローバーで既に確立しているが、近年のSUVブームの鍵となる要素の一つはワイルドさ、鷹揚さだけではなく、「都会が似合うモダンなデザイン」と言えるので、この部分をジャガーやライバルから吸収したのではないかと考えている。その始まりが「レンジローバー・ヴェラール」だったと思うのだ。ヴェラールには「引きの美学」と言えるような、キャラクターラインやドアノブまで排除しつつ完成した美しいフォルムを持ち、僕も見惚れてしまうほどだが、この感触はイヴォークの成功を1つ先に押し進め、更にはイヴォークで有ったようなネオ・ブリティッシュなポップさ(言うなれば、ダニー・ボイルの映画から出てきたような感じのするミニ辺りで確立したスタイル)すら控え、モダンなプレミアムSUV像を提示したように思える。それを証拠に2019年にモデルチェンジされたイヴォークは、スタイルこそキープコンセプトだが、初代イヴォークで特徴的だったオーバーフェンダーやサイドのキャラクターラインの凹凸は抑えられ、ヴェラールと同様にドアノブも隠れるタイプとなり、ヴェラールとの共通性が高まり、プレーンでモダンな印象が高まった。

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Land Rover Range Rover Velar
中国市場向けの影響か、ドイツ車でも押し出し感やキャラクターラインがどんどん強くなっている昨今だが(New BMW4シリーズとかには正直驚いた)、ヴェラールの無駄のない造形美は発表時、異彩を放った。これがこれまでの5シリーズとかEクラスのステーションワゴンに代わる、モダンで都会的なプレミアム・ワゴンなのかも知れない。因みに全長は4.8mくらいなので何とか日本でも取り回せるが、全幅はいよいよ2mを超える。


こんな感じで、イヴォークのヒットとジャガー・ランドローバーの復権について長く語ってしまったが、現在のジャガー・ランドローバーを語る上で重要なマイルストンだったレンジローバー・イヴォークを語る上で触れておきたかったのでもう少しお付き合いください。


-初代イヴォーク最晩年に登場したコンバーチブルには2種のエンジンタイプが存在する-

さて、自身の所有者の1つが「レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル」なのだが、これは名前のまま、イヴォークのコンバーチブルモデルで、今の所初代にのみ設定されていた。販売時期が2016年後半からモデルチェンジに至る2019年途中までなので、実質2年強しか出回らなかったので、普通だと意外に知られていないかも知れない。勿論エンスーな方は普通にクルマ情報サイトやショールームで目にしているだろうけど。

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セダン(クーペ)の流麗なコンバーチブルとまた趣の違う、イヴォークらしさを活かしボディ容積の大きさの感じるフォルムが良い。フロントから厚みが直線的(斜線)に増えていくデザインも後ろ下がりなルーフが無いので目立つ。

そんなヒット作であるイヴォークの中でも異端なコンバーチブルだが、これも前回触れたとおり、SUVかつオープンというクルマは結構希少で、当時車好きの間では結構話題になったのはないかと思う。

個人的には元々良かったイヴォークのスタイルに幌を被せることがこんなに似合うなんてという気持ちと、自身がオープンカー(過去イヴォコン以外に2台所有経験あり)好きだったので一目惚れだったのだが、これを普通のイヴォークと同じように「プレミアム感のあるコンパクトSUVで、でも人も3~4人なら乗せられて、荷物も意外と入るし倒せば結構ワゴンみたいに使える」と考えてはいけない。まずショールームで最初に見たとき驚いたのは後席の狭さ!コンパクトって言ったって4.3mの全長と1.9mもの全幅が有るんだからもう少しどうにかなるのでは?と思いつつもとにかく後席はタイト。幌を仕舞う関係上横が狭くなるのは仕方ないにしても、リアはフットスペースが兎に角狭い。昔乗っていたミニ・コンバーチブルと大差ないような。。そしてこちらも以前乗っていたVWイオスよりは圧倒的に狭い!イオスはかなりマイナーなクルマになってしまったが、実は後席もオープンカーとしては結構広かったんだよね。センターにトランクスルーも付いてたし、ハードトップを仕舞うためもありトランクも大きかった。サイズは4.4m*1.8mだから対して変わらないでしょ。まぁ全てはデザインの為に有るイヴォークと、どんなに趣味性が高くても実用性を考えるVWの違いなのかも知れないけど。

それ以外にもハッチバックみたいな形なのにリアシートは倒れない(ミニは倒れたのに!)、固定式だからトランクと繋がってないし(自身のモデルはトランクスルーが付いてない!)、トランク自体も何だか小さい。そう、このクルマはどうしてもイヴォークのスタイルとそれをオープンで乗りこなしたいという変態変わり者向けのクルマなのである。しかし、オープンで走っているとまるで「走る高級風呂桶」の様で最高のフォルムだ。。

要するにイヴォコンはこのクルマにしか無い素晴らしさと、このクルマ故の欠点が明確に存在するのである。プロコンが明確化するのでバランスは良くない。それでも僕はこのクルマにとても満足している、有る一点だけを除いては。。

別話と導入が長かったが、その気になる点が今回のテーマ「エコブースト」である。僅か2年強の販売期間でイヴォコンはパワーユニットが一度置き換わっている。それはちょうどジャガー・ランドローバーがXEのリリース前後に"インジニウム・エンジン"をリリースし、次々搭載していたことも関係しているのだが、そもそもイヴォークがデビューした2011年の時点では、ジャガー・ランドローバーは自社開発のダウンサイジングエンジンはまだ開発できておらず、元々フォードグループだった経緯もあり、当時の多くのジャガー・ランドローバーの車種でエコブーストの2Lエンジンを採用していた。イヴォークもその一つである。

エコブーストはダウンサイジングによる直噴ターボの第一世代とも言うべきエンジンで、当時のフォードの多くのモデルに搭載された枯れたエンジンと言える。タタ傘下になって暫くはこのガソリンエンジンの"エコスブースト(Ecoboost)”とクリーンディーゼルである"デュラトルク(Duratorq)"をフォードから供給されていた。これらは当時(今でもかもしれないが、最近フォードの情報は日本だと少ないので)欧州市場を重要視していたフォードらしく、自社モデルは勿論のこと、ジャガー・ランドローバーだけではなく、現在はプレミアムラインのライバルと言えるボルボ(ボルボも中国ジーリー傘下になる前はフォード傘下だった)、シトロエン、プジョーなど、ヨーロッパを代表するブランドの多くに搭載された言わば「欧州市場を意識したダウンサイジング・エンジン」だったと言えるだろう。因みにデュラトルク・ディーゼルを積んだイヴォークやジャガーXFは日本市場には正規導入されなかった(一部では並行輸入でイヴォークの2.2Lディーゼルとかは人気が有ったようだが)。

一方でジャガー・ランドローバーはタタ傘下になってから、新たなモデルの開発に加え、自社製のエンジン開発についても急いでいた。特に2~3Lのエンジンが必要な主要セグメントにおけるエンジン開発は新たな量産モデル開発に於いて最重要課題でもあったはずだ。とは言え、まずは顔となるジャガー・ランドローバーの各車種の開発(イヴォークやXE等)を行いながら、順次載せ替えていくという方式を採用した。これが出来たのは勿論早くブランディングを進めなければという現実も有ったと思うが、一方でエコブーストらフォードのエンジンには一定の信頼感も有ったからではないかと考えられる。

既に自社フォードでフェイスタやエクスプローラーのような主要車種への導入実績に加え、先述のように多くの欧州車主要セグメントで採用されたその実力を疑う必要はないので、エンジン開発にも時間をかけられたのではないだろうか。

実際僕もエコブーストのエンジンに何度か乗ったことが有った。自身が所有していたジャガーXEはインジニウム・ディーゼルのモデルだったが、メンテや点検時の代車として借りたクルマがエコブースト世代のXEやXFだったのでこの頃エコブーストのジャガーに乗っていて、その辺りは自身の過去のブログでも記しているので興味が有れば確認してほしいが、見返してみると今イヴォークに乗って感じているプロコンが余り変わらないと感じた。我ながら短期間でもクルマを味わいながら乗っているクルマ好きなんだなと改めて。

ここまで話したとおり僕のイヴォコンはエコブーストを搭載した世代のモデルだ。先に記した通り初代イヴォークにはフォード系エンジンと自社製インジニウム・エンジンの双方が時代によって採用されたのだが、インジニウムが搭載されたモデルは末期の2018~2019年途中までという実質1年強であり、ほぼエコブーストのモデルが多くを占める。それはイヴォコンにおいても変わらない。

本音を言えばイヴォークのようなSUVこそインジニウム・ディーゼル搭載のモデルが欲しかったのだが、自身の購入時期の都合もあり、インジニウム導入前のモデルを購入したので、搭載エンジンは必然的にエコブースト2L直噴ターボとなった。ただ、乗ってみるとこのエンジンが中々良い。横置きなのも踏まえて少し前の直噴ターボに有りがちな振動はゼロではないが、抑えられている方かなと思うし、何よりこのエンジンは吹け上がりが軽やかで良い。以前のXE代車で気になった極低回転域でのトルクの薄さは2tを超える重さが有るにも関わらず余り感じない。すぐに回転がトルクスポットである2~3000rpm辺りまで上がるのでスッと発車してくれるし、もう少し踏み込めば2Lターボとしては結構なハイパワーな部類(240馬力)なので、SUVとしてはスポーティに加速してくれる。厳密にはXEの時の200psタイプのエンジンではないのでトルクもこちらの方が高いのが影響しているかも知れない。

この辺りは良く考えてみれば8.42kg/PSというパワーウエイトレシオ等を考慮すれば、結構優秀だし、エコブーストが他の直噴ターボと少しキャラクターが異なることも関係している気がする。一般的な直噴ターボは燃費やトルクを考慮しロングストロークが採用されることが多いのだが、エコブーストは僅かながらもショートストローク(87.5mm*83.1mm)である。この辺りもスポーティな味付けに寄与している感じがする。僕の直噴ターボのイメージは、踏み込んだ時にザラつきの様な重さを少し感じつつも、低い回転数でトルクやパワーのピークが来るので、想像よりも加速しているというイメージが有る。例えば小柄にしてはかなりハイパワーだったミニ・クーパーSはエンジンがPrinceと呼ばれるBMWとPSAが共同開発した1.6L直噴ターボだったのだが、クルマとしては加速などはかなり速かった記憶は有るけど、それでも加速時のザラつきみたいなのは感じた方である。その辺りがエコブーストは余りなく、ブローオフサウンド的な音を少し聴かせながら、小気味よく回っていく感じだ。

だからイヴォコンは見た目だけではなく、乗っていても結構楽しい。4WDという事も有るのか、ハイパワーでもFF的トルクステアも余り感じないし、ワイドトレッドと良い足回りの恩恵かコーナリングでもSUVとしては結構気持ちよく、怖さを感じない。まぁジャガーXEみたいな張り付き感は勿論無いけど、それを望むならSUVに乗るなって話になるからね。

ただ、、これがそのままネガティブ要素になる。重いが良く回る小排気量ターボエンジンと言う構成なので

び っ く り す る ほ ど 燃 費 が 悪 い !

率直に、今まで乗ってきたどのクルマよりも悪いと思う。VWイオスもGTIのエンジンを比較的重めな車体に載せて居たので燃費は良くなかったが、それでも街乗りで悪くても7km/Lくらいは走ってくれたと記憶している。しかし、イヴォコンは街乗りで余り考えずに走っていると、先ず5km/Lを超えない。。高速なども交えて走れば7~8km/L くらいは行くことが有るが、下手をすると5km/Lを割り込むときもあり、燃料計は現代車としては信じられないほど直ぐに下がってくる。

高速中心だと意外と高くなる傾向も有るのだが、考えても見れば2トンのクルマを2Lのエンジンがそこそこ小気味よく回すというのは、それだけエンジンに負荷がかかる訳で、この辺りは「通常のイヴォークより250kg以上重い事」、「エコブーストが直噴ターボとしては大して燃費は優れてない」事が重なり合っての結果だと思う。

また、細かい燃費感は何処かで付けてみようと思うが、取り敢えず燃費の悪さだけでは如何ともし難く、「やっぱりインジニウム・ディーゼルのモデル買えばよかったかなぁ~」とふと思ってしまう時がある。インジニウム・ディーゼルはXEで経験してるし、巡航時の燃費はとても良かったのを覚えているので余計である。そして軽油の燃料費が安い!320dもXEディーゼルも、あのサイズでトータルの燃料費はかなりお安かったのは良く覚えているので、この燃費の悪さには焦る。

インジニウム・ディーゼルのイヴォコンを乗っている人がどんなものか分からないが、それでもXEの頃を思い出すと、都心でも8~9km/Lは行くのではないだろうか。高速巡航なら15km/Lは優に狙えるだろう。まぁディーゼルは燃費で戦えば勝負にならないので、逆にインジニウム・ガソリン搭載のイヴォコンに乗っている人が居れば、その数値を聞いてみたいものだ。

なのでちょっとした街乗りでは先ずイヴォコンよりは500xを乗ってしまう。まぁちょい乗りをしない方がクルマには良いと聞くので大事に乗るようになったと思うしか無い。。

そんな感じでエコブーストのイヴォコンは良さが悪さと言う感じだが、他にそうないSUVコンバーチブルなんだから、と言い聞かせ楽しもうと思う。

今回はこの辺で。
Posted at 2021/09/21 05:54:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | Range Rover Evoque | クルマ
2021年09月18日 イイね!

Self Introduction 03 -自己紹介 その3-

-今はどんなクルマに乗っているのか-

このブログも大分間隔が空いてしまったのでまた1から綴っていくような感じで始めようと思う。

今所有しているクルマは2台有って、このブログのタイトルにもかけているイヴォーク・コンバーチブルとフィアット500xの2台である。どちらも少し斜に構えたチョイスであるという自覚はある。

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Land Rover Range Rover Evoque Convertible
世の中のSUVブームの先駆けの一つになったイヴォークをコンバーチブルで。あぁニッチだ。。
洗車場にて。因みに当方は普段晴れ男なのだが、洗車をするとかなりの高確率で雨になる。
酷い時は天気が良い日に洗車していたら突然ゲリラ豪雨 に襲われたことも一度や二度ではない。


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FIAT 500x Cross
世界的に人気の高いシティコミューター"500(チンクエチェント)"のSUV版、500x。
実は中身に共通点はなく、むしろ兄弟と言えるのは同じFCAグループの
"Jeepレネゲード"とシャシー、エンジン等を共有する。

と言った感じで今は2台のクルマを所有している。リセールバリュー乗りやすさもあり、2台共SUVという比較的今様なクルマチョイスに変貌を遂げた訳だが、選んでる車自体は相変わらず何処かズレていると認識している。

しかし、長らくセダンやハッチバックを乗ってきた自分にとって、何故そこまでSUVが持て囃されるのであろうと思っていたが、それには日本のクルマ事情もあるんだろうなと思うようになった。

少なくとも自身が子供の頃、80年代くらいまで乗用車の多くはセダンやクーペが主流で、背の高い車と言えば商用車がメインだった。バスとかトラックとかそのくらい。だからセダンでも今より視界は開けていたし、そこまで気にならなかった。だが、現在の日本の主流は「ほぼトールワゴンかミニバン」だ。軽乗用車でも全高が1.8m位あるのはザラである。だからそれまでのセダンやクーペで街を走ると、囲まれ感(スポーツカーのインパネの話ではない)が凄く、兎に角見えづらいのだ。特に混雑時の信号は注意なく前の車に付いていくと、赤信号になっていることもまま有ることだと思う。

昔なら前を走る乗用車もせいぜい1.4~5mだったものが、2m近いのが当たり前になればそりゃあセダンでは視界は開けない。だからSUVの台頭というのは必然だったような気もする。家族が多くなく、スタイル的にデザインされたクルマを乗りたいが、とは言えセダンではどうも目線が低くて視界が悪い、それを体よく解決してくれるのは間違いなくSUVなのである。

だからフィアット500xみたいな小型車でもSUVだと視点もそこそこ高くて囲まれ感も少ないし、それでいてサイズも程々なので街乗りもしやすいという事を、SUVに乗って良くわかった。当初は「4WDでもないのに・・・」と思ったものだが、SUVへの需要は、世の中のクルマ事情の変化がもたらした必然でも有るんだなと、所有して理解できた。

そんな感じで、今までSUVと無縁だったのに、乗り始めたら2台共SUVになってしまって、それはそれでやり過ぎかなと今は思っていたりもするのだが、それぞれのキャラクターはかなり異なるので、用途を考えながら今後どうしていこうかと思っている。

とは言え、端的に言えば今所有している2台は、僕の車に対するフィロソフィ?からはかけ離れていない。1つはレトロカーへの情景から始まった自身のクルマに対する憧れを現代的に具現化したもの。ミニにはクラシック、R52(初代BMWミニ・コンバーチブル)、R55(2代目BMWミニ・クラブマン)と3台お世話になった訳だが、クラシックミニからBMWミニに乗り換えたことによりクラシックカーのプリミティブさ、また現代車の進化の素晴らしさを深く理解できた訳だ。金属のシャシー、ボディをレシプロエンジン等を動力にして走らせるという基本はここ100年近く変わっていなかった(近年動力はEV等への移行期だが)のに、運転しやすさ、安全性、テレマティクス、運転補助(自動運転)などは大きな飛躍を遂げてドライバーに恩恵となっていることをクラシックからBMWミニへの乗り換えで強く感じたのだ。

要するにクラシカルなスタイルを継承しつつも、その実は現代のテクノロジーで支えられているクルマ、そういう都合の良いクルマって素晴らしいなと思うに至った訳だ。その代表格がミニであったり、フィアット500やビートルなんだろうと思う。何ならポルシェ911もスタイルやRRというフィロソフィを維持しているし、メルセデスGクラスもそう言えるのかも知れない。

またミニとフィアット500の過去と現在については別に書いてみようと思うけど、そんな感じでフィアットは一度乗ってみたいクルマで有ったが、ちょうどその頃家族で運転できてそこそこ積載しやすく、女性にとっても好感の持てるデザイン(奥さんが乗るという前提も踏まえ)、大きすぎないクルマというのを模索していたので、ミニ・クロスオーバーやルノー・キャプチャーとかも試乗したりしていたのだが、実は装備や性能、セーフティがライバルに対してかなり値ごろ感もあり、デザインや500(チンクエチェント)という知名度も勘案して500xをチョイスすることになったと言う訳。兎に角ミニは標準だとシートもちゃっちいし、シートヒーターも付かない(当時は確かグレードによってACCとかもオプションという有様)、必要や有用と思えるオプションパッケージを付けるとびっくりするほど価格が跳ね上がるという状態だったし、通算4台目のミニを買うなら、ジョン・クーパー・ワークスとかコンバーチブルとか、余り他に無いグレードを本質的には選びたかった。ルノー・キャプチャーはモデル末期で、カラーとかも殆ど残ってなかったし、そもそも日産との兼ね合いなのか日本でルノーって余り真剣に売っている様子がないので遠慮することにした。


まとめると、フィアット500xは自身が好む、名車の面影を残しながらも基本的には現代にアジャストしているクルマの一つなので、特に乗りやすいとされる500xは「初めてのイタリア車」としても与し易かったのである。

もう一方のレンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルだが、これは出た時からずっと憧れていたモデル。SUVクーペとでも言うべきイヴォーク自体もデビュー時はセンセーショナルだったし、その後のプレミアムSUVブームの先駆けどころか礎を築いたと言っても過言でないほどのヒット作だ。正直これがヒットしたことが後のジャガー・ランドローバーの復活に大きな影響を与えた。

ただ、何よりも刺さったのはコンバーチブルだった。SUVでコンバーチブルなんて何と個性的な!みたいな論調が出ていたし、確かに現在ではそうなのだ。今現存するSUVのコンバーチブルは少なくとも日本には無い。実はSUVとしてはVWのT-ROCにカブリオレが有るのだが日本導入はされていない。あと、ニッサン・ムラーノにはクロスカブリオレと言う素晴らしく格好良いグレードが有ったが、日本には導入されなかった。既にムラーノ自体も正規の日本販売からは撤退している。


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日産ムラーノ クロスカブリオレ
北米のみで販売されたというムラーノのソフトトップ。閉めても開けても美しいデザイン。
もし日本で出ていたら手を出していたかも知れない。スカイライン・クロスオーバーとかも派手さはないが
近年の日本車には無い良いデザインだった。2000年代の日産のデザインはルノーと親和性が有って結構好き。

そんなニッチな存在であるオープンSUVであるが、元を辿ればそもそもソフトトップのオープン車をラインアップに用意していたのはむしろ4WDの方だったのでは無いか、と言うことである。三菱ジープやジムニーにはその昔、幌仕様のモデルが有ったのである。何ならドアも幌のモデルですら有った。僕は子供の頃、父が所有していた2ストの幌モデルジムニー(SJ30)が大好きだった。ジムニー自体は小さなクルマなのに幌を開けると空間は無限に広がる、それで居てバイクのようなスリリング(それがバイクの良さなんだけど)さはなく優雅にオープンエアーを味わえてしまうあの原体験が自身のオープンカー好きに間違いなく繋がっていったと思う(だって自分で買った2台目のクルマがミニ・コンバーチブルという位オープンに飛び込むのは早かったもの)。

そんなジムニーでの原体験と英国車好きな要素がミックスされ、レンジローバーとしてのブランド力もあるイヴォーク・コンバーチブルは最初に見た時からかなり心を惹かれていた。また、現代的な"コンバーチブル"としては、自身も過去にミニ・コンバーチブルとVWイオス(ハードトップ)を経験しており、所謂「4座オープンカー」の善し悪しをそれなりに理解しているので、踏み込むのは余り怖さと言うか躊躇もなかったというのはある。

特にミニ・コンバーチブルとの共通点が多いのも再びオープンカーを欲しくなった理由の一つである。ミニ・コンバーチブルはとても良くできたオープンカーで、オープンユニットも二段階で開いたし、ミニのフォルムを崩さないように幌も結構立っていたのでリア含めヘッドクリアランスも意外と有ったから窮屈でしょうがないという感じも無かったのだ。そもそもR50代の初代BMWミニは今よりサイズも小さかったし、リアのフットスペースはクラシックミニより狭くて、結構フロントシートを前にスライドさせないととても大人が足を入れることは出来ないクルマだった。だからハッチバックとコンバーチブルでもリアスペースは五十歩百歩というか大差も無かったのである(荷室はまた別だが)。

何よりミニ・コンバーチブルは最高にポップで優れたデザインが大好きだった、オープンにしたときの屋根が飛んでいった様なフラットなフォルムが大好きだった。

またイヴォーク・コンバーチブルについてはこれから色々書いていくが、ハッチバックベースの幌型4座オープンであるイヴォーク・コンバーチブル、実はミニ・コンバーチブルと結構共通点もあり、ここで自身のオープンカー好きかつ英国車という部分が満たされるのでデビューした時から心惹かれる訳なのだ。まぁ細かいユーザビリティは真の英国車?らしくドイツ人の知恵が介入しているミニより大雑把だし、ランドローバーブランドのSUVとしての堂々としたスタイルは、ミニとは異なる点も有るのだけど。

ダラダラと書いてしまったが、要するに自身の2台のクルマはミニ・コンバーチブルを手にする事で得た「ネオクラシカルながらも今様な乗り方や安全性が確保され、かつオープンである」と言う自身の嗜好を2台に分けたと言えるのだ。

そんな2台との奮闘記をこれから紹介していければと思う。また、よろしくお願いいたします。
Posted at 2021/09/18 06:55:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | Self introduction | クルマ
2021年09月01日 イイね!

実はかなりコスパの高い小洒落た小型SUVである

実はかなりコスパの高い小洒落た小型SUVであるネガポジ色々かいたけど、総じて昔ながらの薫りも残る欧州車として楽しめる範疇の癖だと思うし、実際は結構今様な装備が備わっており、安心して楽しめるイタリア車と言えば良いと思う。

オリジナルのチンクが未だにアクティブセーフティと無縁で、とてもコンパクトで、息継ぎするAMTミッションで、2気筒エンジンでとかスキモノ向けの凄い癖を見せつけている中、500xは実際のところデザインだけを採用している別のクルマと言え、イタリア車の初めてにも良いのではないかと思えたりもする。

実は国産の同車格SUVと価格帯もサイズも近く、ヴェゼルやC-HR辺りと比較出来そう。CX-30よりは安いくらい。ちょっと人と違う選択肢も良いかなと思う向きにはオススメ出来る。

もっと売れても良いクルマだと思うけど、ユーザーとしてはひっそりと個性が有るのが良いところなのでこれはこれで良いのかも。
Posted at 2021/09/01 04:33:30 | コメント(0) | クルマレビュー
2021年09月01日 イイね!

SUVオープンと言う孤高をイヴォークで愉しめる

SUVオープンと言う孤高をイヴォークで愉しめるイヴォークで、SUVで、オープンでと言うデザインとブランド要素をてんこ盛りな所にピンとくるならきっと気に入るはず。
正直乗ってきたオープンカーの中でも実用性ではVWイオスに大きく劣り、かなりタイトだったミニコンバーチブルに比べても積載性は考えられてなさそうな気もするが、オープンが好き、イヴォークのデザインが好きと言う人ならきっと気に入ると思う。
何気にインジニウム前のフォード由来エンジンも結構高スペックで走りも楽しめる。
Posted at 2021/09/01 03:30:08 | コメント(0) | クルマレビュー
2018年02月23日 イイね!

改めて、Dセグセダンを考察してみる(中間管理職のアイドル達は地味に復活傾向) その2

改めて、Dセグセダンを考察してみる(中間管理職のアイドル達は地味に復活傾向) その2前回からの続きで、ジャーマンスリー以外の気になる最近のDセグサルーンをリストアップしてみる。

3.キャデラック ATSセダン (Cadillac ATS Sedans)

・Cadillac ATS Sedans Premium (2L直噴ターボ) 570万~
※これを書いているうちに価格とグレード改定が有ったので参考程度に

※同価格帯にあたるライバル車
・BMW 320i Luxury 577万~
・メルセデス・ベンツ C220d Laureus Edition 575万~


「アメリカン・プレミアム・ブランドが放つ本格的コンパクトFRセダン、実はコスパ高し」

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古くはメルセデルらと並んで高級車ブランドとして大統領専用車などに採用されてきたGMグループの由緒正しきブランドである。日本でも自分が子供の時分はアメ車で輸入されるものはそう多くなく「キャデラック≒アメリカ車」というイメージだった。個人的には変なクルマ好きは親戚でもNo.1だった叔父がキャデラック・セビルを大事に乗っていたので思い出深い車種の一つである。

叔父のクルマはいつも統一性も無く(ある意味他人が余り乗らないと言う統一性は有るのかもしれない)、昭和当時のクルマ選びでは暴挙に近い思いつきとしか思えないような買い方が目立ち、ふと思い出してもFJ40(多分ガソリンだったのでBJではないと思うが4~5歳の記憶なので)のランドクルーザーで本格的な4WDに乗りつつも山道や悪路を走行していた記憶はなく、突然古いアルファロメオを買ったかと思えば、それに同乗したら首都高の料金所を過ぎて僅か数百メートルでエンジンストップして真夏の首都高上に3時間位立ち往生したり、ハイラックスの4WDをブラックにオールペンして、洒落たゴールドのラインを入れて、超ハイアップ&太径タイヤを履かせて(当然タイヤはフェンダーをはみ出し、子供には乗るのに一苦労なくらい乗車位置が高かった)、それに乗るとしょっちゅう警察に注意されていたりと面白い記憶しかない。

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海外のWallpaperサイトで見つけた懐かしきFJ40。ちょうど色も黄色だったので叔父のランクルを思い出す。これ街乗り専用って、今のSUVとかじゃないんだからさ。。。内装も鉄板だらけでスパルタンだったな。格好良かったけど。

そんな中で一番長く乗っていたのはキャデラック・セビルだったと思う。当時はヒップだった4WDを突然止め、重厚で巨大なアメ車に乗ってきた時もたまげたし、ドイツ車はともかくとしても、フランス車辺りでもまともなサポートを受けれない事が多々有る時代で、英断?だなと思ったし、そういう破天荒の似合う人だった。

考えようではアメ車と言っても古典的と言うよりは、当時のヨーロッパの高級車ブームに呼応するかのようなセビルを選んでいるのは彼らしいなと今では思うのである。小さくもなんともないが、それでも当時のアメ車としてはヨーロッパ車を意識し、それまでよりもダウンサイジングされた中で高級感は維持するという路線を採ったのがセビルだった。恐らくベンツSクラスやBMW7シリーズがライバルだったと思われる。それでもベンチシート、コラムシフト、フラットなフロントパネルとデザインにはアメ車を感じたものである。当時でも全長5m超え、全幅1.8m超えなので子供には巨大なクルマであった。

話が逸れたが、キャデラックという名前を聞くといつも叔父を思い出してしまう性分なのでお許しを。さて、そんなゴージャスで大きいサルーンを得意とするプレミアム・ブランドのキャデラックがGMのゴタゴタを経て再建計画の中で、モデルやサイズの見直しを行って2012年に登場したのが、プレミアム・コンパクト・カーとして設定された「ATS」である。

アメ車は8~90年代の日本車、ドイツ車のコンパクトカーの台頭で、アメリカ国内の自動車メーカーにも大きな変化が起きた。各社がこぞって生産の合理化やコンパクトカーの開発を進めたのである。だが、その多くは本国ではともかくとしても、欧州や日本では「大味なコンパクトカー」という評価を受けて余り受け入れられず、各社とも苦戦することになる。強いて言えば英国側にも開発拠点を持つ英国フォードだけはゴルフやポロと対峙できるフォーカスやフェイスタのような名車も有ったが、日本車キラーと言われたクライスラー・ネオンが世界的に成功したとは言い難いものが有る。

日本だと、C~Dセグメントのアメリカ車は国内導入されないものも多いので、全てを理解しているわけではないが、先ずこのあたりのコンパクトカー(アメリカにとっての)が成功しなかったのは、徹底した合理化と簡素化、そしてコストや車内スペースを勘案し横置きFFベースで作られたモデルが多かったからだと思う。

要するに、Dセグのクルマは、アメリカにとってはダウンサイジングだし、日本車や韓国車のような実用車を想定して開発しているのだと思う。一方、日本や今となってはヨーロッパあたりでもDセグメントはもう小さいクルマとは言えず、この手のモデルに求める部分は「モノの良さ」なのである。しかもわざわざ輸入車で買おうというのであれば尚更である。ジャーマンスリーは言うに及ばず、フランスのシトロエンC5やプジョー508辺りだってラグジュアリーなセダン/ワゴンと言う部類だろう。VWパサートは高級車とは言えないかもしれないが(普通に400万くらいするクルマなので十分高級だが相対的に)、上質な実用車としての完成度はとても高いわけだ。つまり、最高級でなくても「車格相応の高級感」は欲しいのがDセグ(Cセグも最早そうだろう)のクルマなのだ。

だから、日本車以上に質素で日本の普及車と変わらないメカ(横置きFF)、チープで大味な内装、そして日本車には及ばない故障率ではマニアックなアメ車好き以外に売れないのは当然の結果だったのかもしれない。上から下がる時と下から上がる視点のズレが有ったような気がするのだ。

そういった中でキャデラックATSは実質的な前任"キャデラックBLS"で利用され、サーブ(Saab)が開発したGMグループ共有のFFプラットホームコンセプト(サーブ、オペル、キャデラック等で共有)から大きく見直して、カマロやこのATS用に新たなFRプラットホームを準備した。

また、個性的かつボリューム感のあるエクステリア・デザイン、質感の高い内装、最新のインフォテイメントシステム、プリクラッシュセーフティなど、このクラスに必要な装備、デザインは奢りつつ、更には流行りの高出力直噴ターボや多段AT、可変式ショックアブソーバー、FR駆動などメカも妥協しなかった。そして現在クルマ好きにはATSだけでなく、キャデラックのラインアップは注目されるべき存在になっていると言えるだろう。いよいよミドルクラスSUVのXT5クロスオーバーもリリースされたのでヨーロッパのプレミアム・ラインと比較できるモデルを揃えつつあると言える。

特に日本では台数はともかくクルマ好きには人気のあったフォードが撤退してしまい、アメ車の灯は随分小さくなってしまった。フィアット(FCA)傘下のクライスラーもどちらかと言うと日本では人気の高いイタリア車、フィアット・グループ(フィアット、マセラティ、アルファロメオ、アバルス)を優先し、日本ではJeepブランドのみを今後売っていくようだし。

そんな中で唯一日本でも引き続きある程度のモデルやグレードを販売してく姿勢を見せているのがキャデラックだ。実際にラインアップも興味深い。とは言え、今のところ右ハンドル仕様が無いのが最大のネックでは有るのだけど。

日本のサルーンとしてもフィットするサイズのATSはグローバル展開を多分に意識したモデルとして2013年より日本でも販売開始。少し年数は経過しているが、その間にATミッションの入れ替え(6速→8速)やCUEのアップデート(スマホ連携の強化等)を行い、特に遜色はない。Dセグメントの範疇にしっかり入るサイズ感もヨーロッパやアジアを意識しているのではないだろうか。

先ず目に入るのが、外観の個性的なデザイン。ヨーロッパ車や日本車とも違う、中身の詰まったようなボリューム感が特徴的。確かに近年のトレンドらしく全体的にクーペ的な流麗なライン、ピラー処理はされているのだが、何処かに昔のアメ車にあったような「四角感」もちゃんと残っている。エッジの鋭角的なキャラクターラインや高めのボンネットデザインも視覚的に効果を上げている感じ。でも車高は1415mmとジャーマンスリーより低いくらいで、ジャガーXEとはちょうど一緒。パッと見よりは随分低く構えているのである。

後はアメ車らしさを強く残しているのはグリル周りかな。メッキ感や大きなエンブレムにキャデラック感を感じる。モダンなデザインのライトも良く見れば縦長系で、アメ車らしいのかもしれない。リアビューも同様に縦テールランプで、ごっつい感じだ。ある意味良くこのサイズでアメ車っぽいボリューム感を演出していると思う。好き嫌いは出そうだが、アメ車ファンにはじわじわ気にいってもらえるのではないだろうか。

これが現在のモダンなアメリカン・オートモービルと言われれば、納得したくなる。ATSが見せている継承と革新というテーマはちょうどジャガーXEでも感じた変化に似ている所もあり、ちょっとシンパシーも感じる。近年の合理的なアメ車はアメ車じゃないと思っていた人たちにも、このサイズでちゃんとアメ車らしいデザインを提示しつつもモダンさもある感じは、時間はかかっても浸透していくのではないかと思う。日本で乗れるサイズで現代的な装備を備えつつも、そこかしこにはアメ車感があっていいじゃないかと、そういう調子の良さも兼ね備えていると思うのだ。

スペック全体で先ず特筆すべきはプライスである。今回は上位グレードの"プレミアム"を対象としたが、下位グレード"ラグジュアリー(2月下旬のグレード改定で無くなってしまった模様)"だと470万~と言う戦略的な価格だ。普通下位グレードだとエンジンやレザーシート、タイヤ&ホイールなどは簡素化される傾向だが、先ずATSの特徴の一つである高出力直噴ターボ(後述するが2L、276psのみ)は変わらず、レザーもランバーなどは省かれるが本革全自動シートだし、ホイールもワンインチ下がるが17インチのアルミだ。

大きく異なるのは安全装置関連で、エマージェンシーブレーキやアダプティブクルーズコントロール(ACC、クルーズコントロールは下位グレードにも付く)、LSDが付かない。あとはインフォテイメントシステムは付いてもナビは無かったり、チルト&テレスコが手動になったり、可変式ダンパーも付かなかったりと値段相応に削られている部分は有るが。

ちょっと安全装置関連を削るのはどうなのかと思うけど、ドイツ車もSEと呼ばれるようなエントリーグレードだと大体そういう傾向である。それらよりは随分ラグジュアリー装備は残っている方なので(シートも手動でレザーやスポーツシートではなくなり、インフォテイメント、プリクラッシュセーフティ自体が無いとか結構なレベルでBMWやジャガーの最下位グレードは削られる)、エンジンなどの走りのスペックが変わらなければACCとかは使わないと言うのであればキャデラックATSの下位グレード"ラグジュアリー"は十分検討に値する。

逆に今回の比較グレード"プレミアム"は570万~だが、上に挙げた装備は全て付いているということ。メカ的にはこの価格帯の外車としては最高レベルで、エンジンはGMグループで共有され"EcoTec"と呼ばれる今様ロングストローク・ダウンサイジングユニットの2L直噴ターボ一種のみ(本国ではV6グレードなどもある)だが、これが276PS/40.8kgmというかなりパワフルかつトルクフルなエンジンだ。特にガソリンの2Lエンジンで40kgm超えのトルクというのは特筆に値するだろう。この点でATSはライバルの上位モデルと同等かそれ以上のエンジンを積んでいる。例えばBMWならPHVになるが330e(2L直噴ターボ+モーター、システム出力252ps)は最低でも630万以上する。以前有った328iと比べても価格で勝り、スペックで凌駕しているのがATSの「普通」だったりする。

その他装備で特徴的なのはDセグミドルレンジではほぼオプションな可変式サスペンションを搭載しているところか。MRC(磁性流体減衰力制御システム)と呼ばれる個性的なサスで、路面状況に応じて車体制御を行うようだ。また、Sportsモードなどでは硬さも変化する。オーディオはBoseの10スピーカーシステムが全てのグレードに標準装備、ジュリアの時に書いたように、この辺りはドイツ車だとほぼオプションだし、毎日耳にする部分でも有るので地味に嬉しい部分。

実物を見てないが、写真で見る限り内装、シートやインパネはデザインも含めしつらえは良さそうだ(多分ジャガーXEよりは質感が良さそうだ)。デザインもアメリカ的な派手さは有るものの(アメ車好きにはそれで良いと思う)、単に大味とかではなく、モダンなイメージもちゃんと投入されている感じだ。それでもエアコン吹き出し口はフロントライトを思わせる縦型だったりする。

CUEと呼ばれるキャデラックのインフォテイメントシステムは触ってみないと何とも言えないが、今様なタッチパネル操作が中心のシステムだ。初期のレビューを見ていると使えないとのことだったが、ナビもビルトインされたし、Android AutoやApple Car Playにも対応しているので一通りの機能は有してるのではないだろうか。

全体的にはアメ車らしさと現代のDセグメント・サルーンに求められているものが高いレベルで融合しているのが"キャデラックATS"と言えそうなので、何れか試乗してみたいなぁと思っている。惜しむらくは左ハンドルしか無いこと(外車好きのくせに左ハンドル車は苦手だ)、JC08モード燃費が非公表な事だろうか。ネットなどの情報を総合して、パワーも勘案すると、都内一般道中心では7~9km/L位ではないだろうか。ジャガーXEの2Lガソリンモデル(EcoBoostエンジン時代)がそのくらいだったので近いのではないかと。

正直アメリカ車はアメリカ車なので、ジャーマンスリーのような良い意味での無難さは無く、アクの強いキャラクターはグローバリゼーションに歩を合わせても健在だ。デザインは格好良いとは思うけど、アメ車好きではない自分にとってはちょっとマッチョで距離感は有る。だが、アメ車は乗りたいけど燃費やサイズ、エコやプリクラッシュセーフティ等の現代性はやっぱり気になると言う人にはこれ以上無いモデルなのでは?実際いつでもと言う訳ではないにせよ、ATS、たまに見かけると「おっATSだ!」ってクルマ好きとしてほころんでしまう。折角5~600万かけるのだから、間違いない選択をしたいのも確かだけど、自分の個性を安心できるレベルで表現したいって人も居るし、コスパで見てもメカ的にかなりイケてるのでそういう選択肢でも良いと思う。キャデラック、紆余曲折は有っても伊達に長年プレミアム・ブランドの看板を掲げているわけではないと思う。

Cadillac ATS Sedans Premium
全長:4680mm 全幅:1805mm 全高:1415mm
エンジン:1998cc 直4DOHC 直噴ターボ
スペック:276ps(5500rpm)/40.8kgm(3000-4600rpm) JC08モード燃費:非公開
ミッション:8速AT 駆動:FR


4.フォルクスワーゲン アルテオン (VW Arteon)

・VW Arteon R-Line 4-Motion (2L直噴ターボ AWD) 549万~

※同価格帯にあたるライバル車
・アウディ A5 Sportback 2.0 TFSI 546万~ 
・メルセデス・ベンツ C200 AVANTGARDE 530万~


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「VWのニュー・フラッグシップは攻めのデザイン+スペック+プライス」

特に言及はされていないが、実質"パサートCC(フォルクスワーゲンCC)"の後継モデルとも言える4ドアクーペ。だが、セダンではなく、ファストバックスタイルのワゴン的な機構で、リアはトランクではなくハッチバックだ。なので、同グループのアウディA5スポーツバックとスタイルも含めてかなり近しいモデルとなり、姉妹車的な存在と言って良いのではないだろうか。むしろパッと見はA5より派手なくらいのデザインが目を引く。

言うまでもないかもしれないがVWとアウディの関係はトヨタとレクサスに近く、プラットホームやエンジン、テクノロジーは共有したりしながらも、普及車を中心とするVW、プレミアム・カーを標榜するアウディという色分けが出来る。最近はこういったブランド戦略は他でも見られ、シトロエンから分離したDSもそう言った意図を感じ取れる。そもそもVWグループは巨大なブランドグループで、超プレミアム系のブガッティ、ベントレー、ポルシェ、ランボルギーニも傘下に収めている。

そういう色分けの中で、昔以上にスタンダードなクルマ中心になったVWだが、リーマンショック前くらいまでは結構その辺は曖昧だった。それは元々国内以上に海外でVWがジャーマンスリーみたいなプレミアム・ブランドとは異なるとしても、「実用的ながら上質」でコンパクトからミニバン、大型SUVからスポーツ・グレードまで幅広いラインアップを高いレベルとリーズナブル以上のプライスで揃えているので、ドイツ車好きや、普通以上の上質、高級さを求める層に受けていたから、単に実用車というだけでなく、個性のあるモデルやラグジュアリーなモデルも存在していた。

例えばビートルは実用車と言うよりは、VWのアイコン的な存在と言えるし、以前は首相公用車だった大型サルーン「フェートン(日本未導入)」、ハッチバック・クーペの「シロッコ」、パサートやゴルフに存在した(今も現存するモデルもある)R32などのスポーツ・グレード「Rシリーズ」、装備も上質で、自分も愛用させてもらったハードトップ・オープン「イオス」など、決して普及車ばかりをリリースしていたわけでも無い。そしてそれらの多くは日本ではカタログ落ちしていてもヨーロッパでは今でも販売していたりもするのだ。

元々ドイツでVWは「ドイツのトヨタ」と言って差し支えのない大企業だし、日本では買えないようなピックアップや商用車、1Boxなど殆どのラインアップを揃えているので一概に普通のクルマを売ってますとは言えないし、それはレクサスが有ろうがクラウンやアルファードなどの高級車を売るトヨタと似たような事である。

とは言え、特にリーマンショック直後は特に日本導入のモデルにおいて、個性的なモデルやラグジュアリーなモデルの展開は控えめだったVWだが、近年はプレミアム・ブランドのダウンサイジング化もあり、特にVWの顔とも言えるゴルフを脅かすようなライバルも増えてきたので、Rシリーズやラグジュアリーモデルの拡充に加えて、PHV、EV、SUVなどバリエーションも増やしている。勿論数年前の排ガススキャンダルも日本での販売台数に影響を与えている(不動の首位だった年間売上で首位の座をメルセデスやミニに譲る状況が続いている)。燃費や性能をリーズナブルに訴求しやすいディーゼルが暫く出せなくなったのも、ライバルのディーゼル・モデルの充実っぷりを勘案すればかなり痛かっただろう。ようやくついこないだ正式にパサートのディーゼルがリリースされたが、アウディにも展開するのだろうか。

さておき、そんな中で久々VWブランドとして発表されたスポーティな4ドアクーペと言えるのが「アルテオン」だ。アウディA5と似たベースを持つが(ハッチバック機構、4-Motion(Quattro)、7速DCT)、サイズはA5以上で、エンジンは2Lながら280psのハイチューングレードのみとなり、A5のQUATTRO(252ps)グレードを上回る。価格も普段なら近しいグレードはアウディよりVWの方がオトクなのだが(例えばA3とゴルフなど)、装備の差はあれど決してアルテオンも安いわけではなく、あくまでVWのプレミアム・モデルという位置付けだと思う。

スタイルはVW好きでなくてもクーペスタイルが嫌いでなければ誰もが「格好良い」と思えるデザインだろう。サイズがDセグとしてもかなり大きめなことも有るが、ダイナミックで流麗なライン、VWにしては多めのキャラクターライン、そして中国などでも受けそうな大きく派手なグリルなど、今までのVWで余り見られなかったアクの強い、プレミアム感を強調したデザインだ。

正直に言うと、クリーンなVWらしさが結構好みな自分にとって、グリルなどはちょっとやりすぎかなという気もするし(逆にリアビューは意外と大人しくVWらしい)、ボンネットのキャラクターラインももう少し普通で良いかなとも思ってしまうのだが、今の時代、プレミアムやラグジュアリーを売りにするモデルはこれ位やらないといけない時代なんだろう。メルセデスは明らかに近年のアクの強いデザインになってからのほうが成功しているし(ちょい悪オヤジをくすぐる優等生的でないデザインとでも言えば良いか)。

エンジンはこの価格帯のドイツ車としてライバルと比べると最強の部類だろう(280ps)。同価格で買えるライバルより1、2グレード上のスペックを手に入れることが出来る。しかも4MotionだからアウディならQUATTROレベルが標準だ。JC08モード燃費は13.3km/Lと平凡だが、まぁ馬力とのトレードオフと思えば仕方ないか。アウディならベースグレードのFFモデル(190ps、546万~)、BMWなら420iのオプションパック無し(184ps、601万~)と価格差は明確だ。それで有りながらスペックだけではなく、LEDヘッドライト、プリクラッシュセーフティ、レーンアシストを含むACC(自動運転レベル2)等は全て付いている。この辺り、結構プレミアム・ブランドだとオプション扱いが多い(特にJLRは結構この手が最初何もついてない事が多い!安全機能なんだから改善を求む)。

装備関係も全てナパレザー、シートヒーター、電動式パーキングブレーキ、VWのインフォテイメントシステム"Discover Pro"、スマホとの連携"App-Connect"、8スピーカーのオーディオシステム等、大体の装備は満遍なくフォローされている。デジタルメータークラスターは上位モデルのみ標準だが、オプションで取付可能だ。

実は以前のパサートCC、かなり好みだった。プレーンな中に美しいボディラインを持ち、内装はラグジュアリーだったパサートCCは一時かなり欲しいなと思っていた。結局ジャガーXEも出たので僕はそちらに流れたが、VWの持つ、品の良い上質なイメージは昔から好きなのである。子供の頃に乗った初代ゴルフが何とも言えず無駄のないデザインで好きだったのも有るだろう(黒いGTDに憧れた)。

それ以来のファストバック・クーペという事で気にはなる存在だが、正直装備や性能を差し引いてもちょっとVWとしては高いのかなという思いと、ちょっとデザインがVWらしくない気がしてしまう。改めてA5のスリークなデザインは最近良くも悪くもデザインがゴテゴテしてきている中で見ると素晴らしいなと思うのもあり、A5を選んでしまうかも。僕は200馬力前後あれば、日本では十分快適以上に速く走れるような気もしてしまうのでそこまでスペック至上主義ではない(有ったら嫌だとかそんな事も無いけどw)。

と言うか、スペック重視なら、VWならゴルフ・ヴァリアントの「R」が最強のコスパを誇ると思うのでそちらを選んでしまいそうだ。300ps超えでスタイルは普通のゴルフ・ヴァリアントな所がある意味格好良い。荷物も一杯入るし、人も乗りやすいし、速い。言うこと無しだ。後はリセールバリューも5~600万のクルマともなると無視できない。アウディA5ならその辺りは間違いないので。

ただ、それは私感であり、Dセグのクーペライクなセダン系としてはかなり優れたデザインと性能、機能を有しており、またハッチバックであることから積載性も高いので、やはり実用も無視しないVWらしい優れたクルマで有ることは間違いないと思う。好き嫌いの話を置いておけば、BMW 4シリーズグランクーペ、3シリーズGT、アウディA5スポーツバックに引けを取らないクルマに仕上げてきているようだ。価格もVWとしては高めなのだが、装備や性能はライバルを凌ぐので輸入Dセグセダン、クーペの中で相対的に高いわけではない。機会が有れば今度試乗してレビューはまた書こうと思う。

本編に関係ないけどアウディQ2の姉妹車"T-ROC"はいつ頃日本に導入されるのだろうか。

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VW T-ROC アウディQ2とベースが共通のVWのやんちゃ系?SUV。Cピラー等にQ2とデザインの共通性が見出だせる。しかし、何故「ティーロック?」と言う名前なんだろう。"ティグアン・ロック"って意味かな。

VW Arteon R-Line
全長:4865mm 全幅:1875mm 全高:1435mm
エンジン:1984cc 直4DOHC 直噴ターボ
スペック:280ps(5600-6500rpm)/35.7kgm(1700-5600rpm) JC08モード燃費:13.3km/L
ミッション:7速DCT(DSG) 駆動:AWD(4-Motion)


もう少し他の車種についても書こうかなと思ったが、一々長くなるタイプなので今回はこの辺で。。しかし、こうやってDセグサルーンを色々見ていくと、トレンドというか、基本的に求めらてるものは意外と共通していることも解ってくる。ちょっと端的では有るがまとめると

・基本的にはFR、FF主体のメーカーでもスポーティな4WDなど気の利いた駆動

・ベーシックなグレードでもある程度走りは良いスペック。燃費第一よりは心地よい程度の速さは欲しい(でもまるで非エコなクルマも上位のスペシャリティ・グレードとかでもない限り余り許容されない)

・内外装ともにアベレージ以上のプレミアム感、スポーティ感が必要。オーディオシステムなどもそこそこ良いものが付く

・広さや実用性よりはデザインや走り重視、だが4ドアであったりハッチバックであったりと実は気が利いているので人や荷物を乗せることも問題なく出来る

・最新のエンジンやテクノロジーなどはオプションも含めて相応に投入されている

・(遅くはないが)スペックが速いのではなく、ノーマル状態でも雰囲気が速そうなクルマが多いw。

・大体相応のスペックを満たすグレードの最低プライスは550~600万の範疇に入る


こんな感じだろうか。既に何度も自車のジャガーXEに関しては言及しているので詳細は割愛するが、ジャガーXEも当然「ジャーマンスリー以外のオルタナティブ」としては選択肢に入る。既に今のジャガー・ランドローバーはイギリス車好きで無くとも手を出しやすい間口の広さを持っていると言える。

そんな中で一番のライバルはやはりアルファロメオ・ジュリアだろうか。両者の狙っているスポーティかつセクシーで日常よりも非日常的な雰囲気を演出している所や、ジャーマンスリーより匿名性が高い分、クラスレスな雰囲気を持ち、それを利用している感じは良く似ている。

まだ試乗もしていないのであくまでスペックやデザインなどのレビューなのだが、ざっとコスパや装備、デザインを勘案して独断と偏見で採点するとこんな感じだと思う。

1.アルファロメオ・ジュリア(ALFA ROMEO GIULIA)

・最も近いライバル ジャガーXE、BMW3シリーズ
両モデルとはシルエットもサイズも似ていると指摘されている。個人的にはこの前赤いジュリアを見かけたが、一瞬横から見た時に「あ、XEかな?」と思うくらいロングノーズ・ショートデッキなスタイルは似ていた。

・コストパフォーマンス ☆☆☆☆
320iスポーツを下回る550万以下の戦略的な価格設定、実は上位のVELOCEがかなりコスパが高く、AWD(左ハンドルのみ)とハイパワー(280ps)でも約600万(FRの右ハンドル仕様は587万)。

・デザイン ☆☆☆☆
マセラティ以降のヨーロッパのトレンドに合わせたイタリアンモダンスタイルをDセグにも投影。

・バリエーション ☆☆
正直、中身としては実用的なグレードも欲しいのがDセグ。クアドリフォリオは別格で実質のグレードは280psのハイチューン(左ハンドルのみAWD)"ヴェローチェ"か200psの普及グレード"スーパー"の2種で、何れも同型2Lマルチエア・エンジンのチューン違いだ。超トルクフル(45.8kgm)と言われている2.2Lディーゼルが出れば燃費でも訴求出来るのだが、もう日本でも輸入車のクリーンディーゼルは選択の一つとして定番になっているので、後追いで出るような気もする。シューティング・ブレイク的なワゴンが出たら、ジャガーXEは食われる可能性も有るが、どうも出ない模様(もうこの辺りの積載も求めるユーザにはSUVを薦める時代なんだろうな)。

・装備 ☆☆☆
内装の設え、デザインは見事。だがインフォテイメントにビルトインナビが無く、Apple Carplayなどでスマホからマップを投影するしか無いのは、まだ日本では車格に対する考えやリテラシー的に厳し目か。

・ブランドバリュー ☆☆☆
アルファロメオ・ブランド自体は伝統は有るし、明確にフィアットの上位ブランドという位置づけになりつつ有るので今後はもっとバリューが上がる可能性も。

・ユーティリティ ☆☆☆
レビューとかで見る限り、トランク容量は及第点(480L)だし、4:2:4のトランクスルーも備わる。後席などはヘッドクリアランスだけでなく足元もやや狭めという評価だが、このスタイルなので致し方ない(ジャガーXEも似たり寄ったりだ)。やはり基本は普段は1~2人だがリアはドアも有るしシートもちゃんとしたものも備わって大人がちゃんと乗れて、その気になれば長尺の荷物も積めますよというクーペとしては便利さも有るのでスタイルに比して悪くはないと思う。

2.ニッサン・スカイライン V37(グローバル名:INFINITY Q50)

・最も近いライバル レクサスIS

・コストパフォーマンス ☆☆☆☆☆
スピード・ハイブリッドが320iとほぼ同価格、メルセデス・エンジンの2Lグレードなら1.5L3気筒エンジンの318i以下で"INFINITY Q50"が手に入ると考えると国産さまさまだと思う。

・デザイン ☆☆
悪くないが、個人的には趣味ではないだけ。ちょっとキャラクターラインの入り方や多さが哲学的で無さそうだなと僕は思った。内装も質感は良いがデザインはくねくねし過ぎ(試乗はしてないが実車はショールームで見たことが有る)。

・バリエーション ☆☆
装備はともかく基本的に200馬力前後の2L直噴ターボと350馬力超えの3.5L+モーターのハイパワー・ハイブリッドの二者択一。ちょっと中間的なモデルも欲しい気がするし、ヨーロッパには2.2Lのディーゼル(ベンツC220dと同等のエンジン)・グレードも有るが、日本でリリースされることは無さそう。ワゴンも無い。本当は2ドアクーペのQ60が日本でも導入されれば、選択肢の幅は増えるのだが、それも無いだろう。それが国産車のラグジュアリー・セダン・クラスの実情とも言える。

・スペック ☆☆☆☆
先述の通り3.5L+ハイブリッドの「普段使いでは最早モンスターマシン」レベルは、ドイツ車の同価格帯には存在しない。同じレベルを求めたら800万を切らない。AMG C43位の予算が必要。これだけでも価値があるが更にはハンドリングバイワイヤー。どの程度イケてるのか分からないが、新しいものとして有っても悪くないと思う。通常EセグUpの足回りと言われるダブルウイッシュボーンのフロントサスも高スペックに貢献。400万台の2L直噴ターボモデルはC250相当のエンジン。スペックは必要以上に十分過ぎるくらい。敢えて4なのはここまで揃ってるならディーゼルも揃えてほしかったと言う所。走りを犠牲にせず価格を抑え燃費を上げられるので。ディーゼルもそんな便利ツールのような時代になった。

・装備 ☆☆☆☆
国産のインフォテイメント、セーフティ、ダブルウイッシュボーン4輪独立懸架など新し目の装備が多く備わる。Boseのサウンドシステムもオプションで選べる。但しサイドブレーキは足踏み式ってのがちょっと。。まぁ見えない部分なので余りここでは減点しないが。

・ブランドバリュー ☆☆
スカイラインという名に伝統はあるが、純粋にスカイラインの系譜と言うよりは実はインフィニティだし、でも日産ではインフィニティは国内でハイブランドとして展開してるわけでもないし、ちょっと分かりづらい。リセールバリュー等の点でレクサスのような安心感は無いかも。

・ユーティリティ ☆☆☆
大きめのサイズという事もあり、全体的にゆとりも有るし細かい所で国産車らしい使いやすさは有る。但しハイブリッド・グレードは機構上トランクスルーが不可の為☆3つ。

3.キャデラック ATSセダン (Cadillac ATS Sedans)

・最も近いライバル
BMW3シリーズ、ベンツCクラス
フォードモンデオ等が既に日本には無いのである意味孤高とも言えるが、開発の際に参考にしたのは3シリーズのようだ。確かにサイズ感は3シリーズに近い。

・コストパフォーマンス ☆☆☆
ベースグレードなら高い走りのスペックはそのまま500万前半だ。
※これを書いてる時ちょうど価格とグレード改定があり、PREMIUMグレードのみでナビがオプション化されたので500万切りのモデル(Luxury)は実質無くなってしまった。

・デザイン ☆☆☆
好き嫌いは分かれるかもしれないが、今のアメリカン・プレミアム像の提示はちゃんと出来ている。ヨーロッパ車の横風を受けつつもアメ車という芯はブレてないと思う。

・スペック ☆☆☆☆
2L 276PSの直噴ターボのみの設定。この点はお値段以上のアドバンテージ。惜しむらくはJC08モードが非公開なので燃費が未知数なことだが、EcoTecエンジンはフォードで言うところのEcoBoostのライバルなので、そう酷いことも無いだろう。走れるサルーンの為のエンジンだ。可変式サスやこのクラスではアッパーグレードにしか装備されないものも標準。ディーゼルを好まないアメリカにディーゼルモデルを求めても仕方ないのでこれで良いのだと思う(フォードは欧州向けにディーゼルも充実していたが)。

・装備 ☆☆☆
内外装の設えはアメ車として良く出来ている。左ハンドルしか設定がないのが痛いが、気にならない人は性能には影響ない話。インフォテイメントは触ってみないと分からないが、Apple Carplay等にも対応。パッと見のインターフェイスはちょっと貧弱そうな感じも。統合ナビは上位モデルのみだが、上記が有るのでスマホのマップを利用可能だろう。インフォテイメントの操作とかはともかく、装備だけで見れば実際☆4つでも良いくらい。但し、500万切りの下位グレードだと、プリクラッシュセーフティやインフォテイメント等は一部省かれるので一応3つ。

・ブランドバリュー ☆☆☆
キャデラックを知らない人はそう居ないし、やはりイメージとしてはゴージャスなアメ車らしいアメ車と言うもの。特に自分のような世代にはそう感じる。日本ではリセールバリューがやや心もとないが、このクオリティなら極端に下がらず、逆にタマが少ないと高めになる時も有るので何とかなるのかな。

・ユーティリティ ☆☆
6:4のトランクスルーは有難いが、トランク容量が290Lとこの手のセダンとしては少々小さいのが気になるところかな。リアシート周りも然程広くはないというレビューが多い。ちょっとこの辺りは実際に見てみないと分からないが、A5の様にハッチバックとかではないし、データから見た感じではこんな所かなと。

4.フォルクスワーゲン アルテオン (VW Arteon)

・最も近いライバル
アウディA5、BMW4シリーズ、BMW3シリーズGT
4ドアのファストバック・クーペかつ、変形ハッチバックともワゴン(シューティングブレイク)とも言えるスタイルを持つのはこのセグメント、クラスではA5と4シリーズが先陣だ。特に同グループのアウディA5との相似点は少なくないと思う。

・コストパフォーマンス ☆☆
実はスペック、装備を勘案した上でライバルと比べるとコスパは高い。ベースグレードの「R-Line」でもAWDとハイパワーエンジンは変わらず、上位グレードにしか付かない主装備はデジタルメータークラスターや縦列駐車支援、シートの一部機能などに留まる。A5や4シリーズは元々A4や3シリーズのような廉価グレードの用意がなく、ベースグレードの価格が高い。そのベースグレードはアルテオンよりは基本的に同額クラスか高価で、スペック、装備ともアルテオンに及ばない。基本的に4-Motion、280馬力の高スペックのみのアルテオンのお得度は高い。だが、クルマとはスペックや装備だけで語れない部分が有る。それがブランドバリューだ。プレミアム・ブランドとしてのアウディやBMWの地位は既に揺るぎない。VWは素晴らしいブランドだが、名前の通り国民車のブランドだ。アルテオンの550~600万という価格帯はやはり1サルーンとしては高額に映るだろう。パサートがかなりお得感が有るので余計だ。フラッグシップという自負も有るのかもしれないが、VWブランドとしてはやや高めな設定が販売、リセールバリューでどう出るだろうか。実際は苦戦のつづくVW、値引率が高いとも言われているので、検討している方はライバルとの見積もりを出して交渉すれば、結構安くなるかも?

・デザイン ☆☆☆☆
これを書いてる内にプジョー508の新モデルも発表されたが、やはりというかプジョーもこれまでと180度スタイルが変わり、アクの強いキャラクタにー変貌し、思い切ったファストバック・スタイルのスポーティなエクステリアになった。つまり、このちょいワルスタイルこそ今の4ドアサルーンのトレンドそのものなのだ。そういう点でアルテオンもVW本来のプレーンさよりもトレンドを意識している。これを格好良い、欲しいという人は多いと思う。サイズも大きめなのでデザイン自体も伸びやかだ。

・バリエーション ☆
今のところ装備違いの2グレードのみ。この差もオプション程度の差と言える。廉価グレードやエコモデルが出るのかは今後の日本での販売台数にかかってそうだ。実はヨーロッパだとFFモデルや1.5Lの廉価グレード、240PSのディーゼル・ツインターボなど多彩なラインアップなのだ。

・スペック ☆☆☆☆
2L280馬力の直噴ターボ設定のみ。最早VWの2Lの良さや安心感について語ることも無いだろう。基本の良さに加えて、ゴルフGTIを上回り、Rシリーズに迫るハイパワーを与えている。燃費は然程でも無いが、まぁ昔の日本で言えば自主規制値上限の280馬力を捻り出しての13km/L台(JC08モード)なら文句も無いと思う。VWならGTE系のPHV(中々高出力かつ面白いユニットと評判だ)やディーゼルと、何でもユニットは揃っているが、今後日本でも増えることは有るのだろうか。

・装備 ☆☆☆☆
先述の通りベースグレードでもアベレージ以上の装備が付く。万が一フルセットの上位モデルでも本体としては600万切り。プレミアム・サルーンに必要な装備は殆どついているので困ることも無いだろう。

・ブランドバリュー ☆☆☆
コスパのところでも書いたとおり、VWというブランド自体に揺るぐところはないが(近年では排ガススキャンダルも有ったが、数年経過し、世界的には軽微だ。日本では思った以上に影響が出ているが、それが売上に響かないのが悲しくもある)、VWグループとして、ブランド別に色分けが進んでいる中で、贅沢車っぽいアルテオンが何処まで日本でも認知されるか。過去にイオスやシロッコ、前任のパサートCCも余り上手く言ったとは言えない。

・ユーティリティ ☆☆☆☆☆
リアがハッチバック式でオープンし、その容量は570L以上。最早そこら辺のワゴンよりも大容量だ。余程高さが嵩むような荷物でも積まない限り、並のワゴン以上の積載性を誇る。実はワゴンの高さ空間ってデッドな所が多いからね、自家用では。奥行きがしっかりあるアルテオンのユーティリティは高い。当然シートを倒せばもっと広大な空間も手に入る。

5.ジャガー XE (Jaguar XE)

今回レビューは書いてないが、散々このブログ(基本はジャガーXEのブログなので・・)でも書いてきたので気になる方は過去記事を。3シリーズとの比較とかもやってます。これに乗ったことがDセグの選択肢について考える機会だったので。

・最も近いライバル
アルファロメオ・ジュリア、BMW3シリーズ
元々3シリーズを強く意識して開発されたXEだが、ジュリアは逆にXEを強く意識したように思える。個人的にはジュリアとXEがスタイル的にガチンコのライバルだと思う。イギリス車やイタリア車に躊躇なく手を出せるって人は外車慣れしてるだろうし、クルマ好きだろうから。

・コストパフォーマンス ☆☆☆
318iやA4 1.4対策もあり、最廉価の「SE」も設定された(約450万)が、プリクラッシュ、インフォテイメントなどが一切付かない。現状2L以下のエンジンがJLRには無いため致し方ないが、XEで簡素な装備、内装にするなら318iを買ったほうがトータルでは良い。「PURE」は本革シートやウッドパネルに拘らなければプリクラッシュ等は付くが、本革シートやパネルチョイス等の出来る、実質3シリーズラグジュアリーやジュリア・スーパーの対抗馬「PRESTIGE」と「PURE」の値段差は20万無いくらいなので、装備差を勘案するとPRESTIGEがDセグのプレミアムサルーンとしては妥当かな。2L直噴ガソリンターボ(200PS)がエンジンのチョイスとしては最安値になり、ラグジュアリー系の「PRESTIGE」が約530万~、スポーツ系の「R-Sports」が約570万~だ。何れも多少のオプションは付けることになるだろうから、そうなると600万前後と言うのが現実的な価格になる。このレンジでは高くもなく、安くもなくだ。安定の3シリーズやCクラスと価格差は無い中で、飛び込める勇気が有るか、どうか、かな。故障率という点でもクオリティは上がったと思うが、本音で言えば故障や電気系統トラブルはドイツ車よりもやっぱり多いと思うのが3シリーズから乗り換えた僕の感想だ。でも、止まったりはしないから外車に慣れていれば十分アベレージ以上だとは思う。

・デザイン ☆☆☆☆
何度も書いてるが、最初はショックだった。これはジャガーではないと思ったくらい嫌悪感を持っていた。でも今は毎日見るたびに、実は無駄なくセクシーな良いデザインだなと気にいってる。強いて言えばサイドベンツは何かミニを中途に真似したみたいで半端だけど、キャラクターラインも哲学が有るし、リアフェンダー辺りはわざとらしくないのにとってもセクシーで筋肉質だし、量産車としては本当に良く頑張ってると思う。イアン・カラムの魔法にかかってるのかもしれないが。

・バリエーション ☆☆☆☆
実は多彩。装備だけでもベーシック、ラグジュアリー、もっとラグジュアリー、スポーツと分かれているし、エンジンも2Lクリーンディーゼル、3種の2L直噴ガソリンターボ(200、250、300PS)、そして最上位のスポーツ・グレード「S」に積まれたV6 3Lターボは380PSを誇る(F-Typeなどにも積まれるスポーツ・エンジン)。ユーザはニーズに合わせて細かいチョイスが出来ると思う。メーカーの規模を勘案すれば大健闘のバリエーションだ。スポーツブレイク(ワゴン)も出れば良いのにとは思うが、XFで出したし(派手さはないが上品で素晴らしいデザイン)、その辺りの層はE-PaceやF-Paceも有りますよという事なんだろうな。

・スペック ☆☆☆☆
上記の通り燃費やトルクで訴えるクリーンディーゼル、新たにリプレイスされたインジニウム・ガソリン3種は2Lとしては何れもハイスペック。そしてスポーツグレード「S」はV6と、基本スペックは高い上に、環境性能も悪くない。HVやPHVも出るかもしれない(SUVかXFの方かなぁ)。ボルボとジャガーは今ジャーマンスリーに最も近づいてると思う。

・装備 ☆☆☆
正直☆2つにしたい所も。基本的に質感はジャーマンスリーに及ばない。収納もちょっと小さいし、センターパネルも色気がないし、すぐ傷が付きそう。ダイヤルシフトもイマイチ気に入らない。シートはグレインレザーとのことだが、ごわついていて、余り良い品質とは思えない。BMWどころか、ミニのレザーシートだってとても質感は良かったからね。そこはもう少しドイツを学んで欲しい。但し、全体のモダンなデザインや広さ感を敢えて捨てたタイトなパッケージは、一見で他にないクールさは有るので3つ。ここだけでなく、トランクの裏とかいきなり塗装が殆ど無くむき出しだったり、そういう所、イギリス人の手抜きなのかなぁとも思ったりする(苦笑)。

・ブランドバリュー ☆☆☆☆
恐らくニッチなブランドなのに以前からバリューは高いのがジャガーだと思う。日本は洋服でもそうだが英国ブランドはリセールバリューが高い傾向が有る。一時名前だけになっていたが、XE、F-Pace、XFの成功で一気にブランド力を取り戻していると思う。その点でリセールバリューは悲観的な事は無いと思う。今のところ。

・ユーティリティ ☆☆☆
後席の入りづらさ、天井の低さには既に言及しているが、実は足元などは決してこのサイズのFRサルーンとしては狭くない。基本的にはデザイン重視なのでリアのヘッドクリアランス(高さ、囲まれ感)は致し方ないのかもしれない。だが、4:2:4のトランクスルー機構なども有るしトランク自体の容量も415Lと見た目よりは有る。実際に利用していると、幅はやや狭めだが奥行きは有る。またトランクスルーはやっぱり便利。

長々書いてきたが、ざっとリストアップするとこんな感じだろうか。ベンツのCLA辺りから明確に見えてきた「セダン、サルーンのスポーティ・デザイン化」はジャガーやアルファロメオを超えてフランスのプジョー508辺りまで巻き込みつつある。正直プレーンなフランス車像、特にピニンファリーナ時代のイカしたデザインを知っていると驚きも有るが、当然日本のレクサスISもその傾向は見える。ファストバック・スタイルやワイドアンドロー、ブラックパーツの多用など、これが今のトレンドになったといえるだろう。国内のセダン、ワゴン市場は冷え込んでいるし、回復は難しいのかもしれないが、世界的にもSUVの影に隠れつつあったセダンが、新たな価値観と共に活発になってきているのは、ちょっと面白いのでまとめてみた。

また試乗したりしたらレビュー等書いてみようとは思う。

https://carview.yahoo.co.jp/article/photo/20180222-20103633-carview/1/#contents

※プジョー508のニューモデル公開記事
Posted at 2018/02/24 01:25:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | Car Review | クルマ

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「マイ・イヴォークの紹介と、イヴォークがランドローバーにもたらした功績を考えてみる http://cvw.jp/b/2246861/45479630/
何シテル?   09/21 05:54
cafebleuです。英国車、ミニが好きでローバーからBMWのミニへ合わせて3台乗りました。ミニ・コンバーチブルに乗ったらオープンカーに取り憑かれてVWイオスに...
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