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cafebleuのブログ一覧

2018年02月15日 イイね!

Legacy(伝統)を振り切ってModern(現代)にチャレンジするジャガー

~新しいジャガーとモダンな英国車像を広めるために久々登場したDセグジャガー~

Xタイプが生産終了してから長らくジャガーで、いや、英国車では不在(ローバー75も、最早古い話)となっていた量産Dセグメント久々のモデル。

前車がBMW320dツーリングで、正直この価格帯で買えるクルマとしてはとても完成度が高いし、更にワゴンなので広さも有り、特に文句の付けようも無かったが、イギリス被れとニッチに惹かれてしまう性分(まだ乗ってる人が少なかった初代ミニ・コンバチやイオスに乗ってる時の勝手な優越感が忘れられず)なのか、思い切ってしまった。

ジャガー、一目惚れではなく本当に徐々に慣れていった感じ。正直に言うと最初はXタイプの方がデザインは好きだったくらい。それに初代XFが出た頃は、同時期にタタ・モーターズの買収ニュースも重なって、XJ-Sに憧れ育った自分としてはこんなのはジャガーじゃないと思ったし、「ナノ」を作った企業が買い取ったジャガーの将来への不安を感じたことだけが当時の記憶だった。

しかし、そこから10年、ジャガーはブレずにイアン・カラムが中心となって構築したデザイン言語をどのモデルにも徹底し、モダンなジャガー像を提示し続ける事に腐心した。

そうこうしている内に、僕のような古いジャガーに憧れたような層も、新しいジャガー・デザインに慣れてきたというか、ジャガー云々を置いておくとしても、イアン・カラムのデザインは、セクシーだけどシンプルだし、むしろ怖い顔つきが増えた現代のクルマとしては大人しいくらいのデザイン(特にグリル周りとか)なのだけど、それでいて見れば見るほど美しいプロポーションだなと思うようになり(例えばリアフェンダー付近とか)、段々意識が変わっていった。

要するにブランド戦略にまんまと乗ったんだと思う(笑)。しかし、そういうストラテジーを10年がかりで出来るのは大したものだとも思う。

デザインばかり言ってるけど、クルマとしても力作というか意欲作で、まだまだ3シリーズとかに比べると肩肘張り過ぎな所、意外と手抜きな所も有ったりするのだけど、新しいシャーシと足回りが生み出すコーナリングのポテンシャルは、ノーマルDセグセダンとしては随一のものだと思うし、しなやかさも内包している。

久々のジャガー・ランドローバー自社開発エンジン、インジニウム・ディーゼルもイギリス車として云々よりは、現代のヨーロッパ車基準(スペック、環境性能)を照準に合わせ、ジャーマンスリーと対抗すべく開発された感じで、癖もあるけど力持ちな良いエンジンだ。

一時期日本では超高級車のマセラティよりも登録台数が少ない時も有ったジャガーだが、XEやF-Paceの様なモデルも出てきたし、更にコンパクトなE-Pace(身内のイヴォークがライバル?)も登場したのでこれからの展開やアップデートにも期待したい。
Posted at 2018/02/28 03:54:02 | コメント(0) | Jaguar | クルマレビュー
2018年01月14日 イイね!

AdBlueを補充してみた。そして消費量を計算してみた。

-補充はそんなに難しくないが計算はイマイチ合わない-

前回僕のジャガーXEのAdBlueが減っており、警告表示が出たという話をしたが、予告したとおり自分でAdBlueを購入し、補充してみることにした。

前回可能走行距離が2,500kmだったので、残量2~3Lの想定からすれば10L以上入りそうだが(ジャガーXEのAdBlueタンクは16L)、他の人のブログを見たりしていたら、失敗してAdBlueをトランク内にこぼしたとかいう話も見たので、ちょっと尿素水的なものをこぼすと大変そうなので、先ずは確実に全て入ってくれそうな5Lのボトルを買ってみる。BIBと言う10~20Lのものが値頃なんだけど、それを持って補充するのも重そうだったので、ボトルが欲しかったというのも有る。

DSC_0004.JPG
新日本化成 AdBlue 5L ノズルも付いててサイズもちょうど良い

早速再度現状を例の裏コマンド(エンジンをかけずにイグニッションで辿るメニュー)で確認。残走行距離が2,200kmに減っている。前回の記事から300kmも走っていないと思うが、減っている。。。

DSC_0002.JPG
前回ブログで2,500kmだった距離が2,200kmに減っていた

トランクを開けて、給水位置を再確認。こんな感じでXEだとトランク左側に給水口が有るのでキャップを外し早速AdBlueを補充開始。

DSC_0005.JPG
DSC_0006.JPG
補充しながら写真を撮るのは結構大変。5Lでも最初は結構重い

ちょっと口が小さいので補充は少し時間がかかるが、難しいことはなかった。ひたすらボトルから流し込むのみ。勢い良く流しすぎると吹きこぼれそうな感じだったのである程度丁寧にやれば大丈夫。因みにAdBlueは開封して直ぐ臭うとかそういう事はないので慌てずに準備して大丈夫。

補充後再度インフォメーションを確認。5,700kmに増えた!警告も出なくなり補充は完了。

DSC_0007.JPG

2,200kmが5,700kmに増えたということは5L補充して3,500km増えたことになり、そう考えると僕のジャガーXEは実質700km/LというAdBlue消費量という事になるのだろうか。そうだと考えると警告が出たのが残3,000kmとして

700×13=9,100(km)

となり、実際の走行距離(約6,500km)とは合わない。650km/Lでも8,450kmだからなぁ。ただ、何れもジャガーの言ってる参考値(1,000km/L)には及ばない。ま、高速巡航中心ではなく、街乗りやちょい乗りが多いのも影響はしてるだろう。

ま、それはさておき、補充したらちゃんと残走行距離は上がったので作業自体は問題なくという感じだろう。もう間もなく1年点検なので、そこでちゃんと満タンにしてもらって再度確認してみようと思う。作業は問題なく完了。
Posted at 2018/01/14 16:40:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | Jaguar | 日記
2018年01月06日 イイね!

ジャガーはAdBlue(アドブルー)が良く減ります

-AdBlue、1年内に二度目の残量警告-

adbluephoto01.jpg

エンジン交換後、新年は親戚や古い友だちと会うのにジャガーを連れてフラフラしていた。何と言っても正月の都内は空いててドライブに最適なのだ。普段は住んでいる城西から城東や城北地区に向かうのは距離以上の時間がかかるのが常だけど、この時ばかりは都心は完全に空洞化しているのでスイスイ移動できる。

エンジン交換後はまだ1000km走ってないので余り回しすぎずというスタイルでは有るけど、ディーゼル車は普段乗りしてる時、そもそもダラダラ運転するようになるので(回転を上げる必要が無いから)、慣らしでもそれ程ストレスは感じない。エンジンも相変わらず静かだ。強いて言えば500km超えた辺りから少し燃費が悪くなり始めている気がするが、恐らくエンジンが馴染む過程での微小なものだと思う。悪いと言っても10km/Lは超えるからね。

そんな感じで大手術?後のジャガーは元気に走っているのだが、一昨日くらいに
"ディーゼルエキゾーストフルード(DEF)テイカ"(正確には"ディーゼルエキゾーストフルード ローレベル"だった)
DSC_2086.jpg
※この警告、エンジン始動時の数秒しか表示されず、とても慌てて撮らないと間に合わないのでブレまくってしまった。。スピードメーターが凄いkm辺りに居るけど起動時のスウィーピング(スバルとかでも有るアレです)なのでご心配なく。

みたいなメッセージがメーターパネルに出てきた。最初意味が分からなかったのだが、要するにAdBlueが少なくなってるという事。二度目なので「あれ、もう?」というのが今回の感想。
(因みにジャガーのメーター周りのインフォメーションディスプレイ、日本語表記はカタカナです。この辺りがJLR合わせても年間6000台前後の売上に対するローカライズの現状でも有る。BMWとかでは有り得ない現実。幸いセンターのInControlはちゃんとした日本語で表示されるけど)

既に前のエンジンとの合計で14,000km程度走ってるので(序盤の岩手や金沢旅が結構効いて距離が伸びてる)致し方ないとは思うのだが、振り返ってみるとこうだ。

・2017/8月頃 → 7000km程走り、一度目のDEF警告表示が出たためディーラーで補充 作業費込みで1万くらい?

・2018/1月 → 14000kmに到達する直前で二度目のDEF警告。今ここ

要するに7000km程で警告が出るということだ。DEF、つまりAdBlueの容量メーターは無いのでわかりづらいのだが、ジャガーXEの場合、AdBlueは16L入る仕様となっている。また、ジャガーの目安としては1000km程度走行するとAdBlueが1L減るのが標準とされている。ならば、通常AdBlueの補充は最悪15000km位乗ってからで良いはずなのだが、どうも僕のジャガーは良く減るらしい。

DEF警告は二段階あるらしく、多分自分のは初期警告で、本当にやばくなると二度目の強い警告が出るらしい。では初期警告の時にAdBlueがどの程度残っているのかということになるが、これがはっきりとは分からないのが不親切なのだ。ただ、大凡はわかる様になっていて、これもたどり着きづらいのだが、インフォメーションディスプレイから辿れる。但し、エンジンをかけてしまうと選べないモードから辿るので、まるで隠しコマンドのごとく分かりづらい。

※AdBlueの大凡残量確認方法(実際には距離でしか表示されない)
DSC_2082.jpg
1.エンジン始動ボタンをブレーキを踏まずに押し(つまり、エンジンが掛からないイグニッションモード)、ハンドル左側ボタンのMenuから辿ると「シャリョウジョウホウ」(後ろの画像が被って見づらい!)というモードが現れる。これ、エンジン始動中には出てこないモード。ファミコンの裏コマンド並。

DSC_2084.jpg
2.「ジカイテンケンジキ」を辿ると、オイル交換残距離数と共に"ディーゼル ハイシュツエキ ホジュウ"という、また警告とは異なる表現で残走行距離が表示される。僕の場合、現時点で2,400kmと出ているので、2~3Lは残っていると推測される。つまり、最初のAdBlue補充警告は結構早めに出るということだ。それ自体は性能には影響しないが、無くなるとエンジンを始動できなくなる重要な部分なので早めの警告なのだろう。

これで見たら、残走行可能距離が2000km強だった。つまり初期警告時は結構余裕がある状態と言える。ジャガーの参考情報を信じるなら少なくともあと2LくらいはAdBlueが残っているということになる。

一度目の時は警告が出たと同時に夏休みということもあり直ぐにディーラーで補充してしまったのでここまで見なかったが、改めて確認してみると初期警告で慌てる必要はないのかと。少なくともまだこのまま名古屋~東京の行き来くらいは余裕で出来るという事だ。

とは言え、7000km時に補充し、14000kmで警告が出たわけだ。仮に出荷時に満タンで無かったと仮定しても(普通これくらいはイギリスでチェックして無くても日本のディーラーで納車時にチェックしてよとも思うが)、夏の補充で満タンにしてもらったはずなので、そこから僅か7000kmで表示が出て、残距離が2000kmなのだから、少なくとも僕のジャガーXEは満補充から9000km程度しか走れないという計算になる。

つまり、メーカー参考値の1.8倍近くAdBlueを消費するクルマということになる。値とすれば563km/LのAdBlue燃費?だ。1000km/Lとされる参考値には程遠い。

この燃費?の悪さはちょっとディーラーにも確認してみないといけないけど、恐らくこれ1台しか乗って無くちょい乗りも多いせいなのかなとは思う。異常とかそういう事ではないような気がする。

で、このペースなら毎回ディーラーに行って1万取られるのは何となく馬鹿馬鹿しい気がしてきた(何かサポートはいってるはずなので本来はタダなような気がするけど、前回取られたし。。。)。そもそもAdBlueって尿素が含まれる水なので、多少匂いはするが、劇薬とかそういうものではなく、個人で購入も可能で結構安い(20LのBIBでも4000円しないだろう)。スタンドでも補充できるらしいけど、対応してない所も有るみたいだから。

https://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&url=search-alias%3Daps&field-keywords=adblue

だので、せっかく尿素SCR付ディーゼル車に乗ってるのだから、知る事も含めて今回は自分でAdBlueを補充してみようと思う。結果は、また。
Posted at 2018/01/07 02:27:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | Jaguar | クルマ
2017年12月31日 イイね!

他のジャガーの使用感は?(XF ガソリンモデル 2016年仕様 25t)

他のジャガーの使用感は?(XF ガソリンモデル 2016年仕様 25t)-JLR新作ラッシュの中でひっそりと咲く良質ラグジュアリー・サルーン-


2015~2017年辺りのジャガー・ランドローバーはこれまでに無い新作、モデルチェンジラッシュだった。ざっと挙げても以下のような感じ(発売年月は国によっても違いが有るので細かい違いはご容赦を)。

☆新車種☆
・ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(2014年~、日本には2015年から) C,Dセグメント・SUV ※フリーランダーの実質後継
・ジャガーXE(2015年~) Dセグメント・サルーン
・ジャガー F-Pace(2016年~) Dセグメント・SUV
・レンジローバー・ヴェラール(2017年~) D,Eセグメント・SUV
・ジャガー E-Pace(2017年~、日本には2018年から) Cセグメント・SUV

☆モデルチェンジ☆
・ジャガーXF(2015年~) Eセグメント・サルーン
・ジャガーXF スポーツブレイク[ワゴン](2017年~) Eセグメント・ステーション・ワゴン

こんな感じでここ2年位でこれだけの新車種やモデルチェンジが行われている。更にはここまでも多く触れているが、ジャガー・ランドローバーとして久々の自社開発エンジンである最新モジュラーユニット"インジニウム"が先ずディーゼル(2015年)、追ってガソリン(2017年)とリリースが続き、これらが、モデルチェンジと関係なく既存のジャガー・ランドローバーの2Lモデルを次々置き換えていき(例えばイヴォークはそれまでのフォード系エンジン、2Lガソリンと2.2Lディーゼルをインジニウムの2Lガソリン、ディーゼルに置き換えた)、それらもほぼ終わったところだ。

これはジャガー・ランドローバーの企業規模やこれまでの展開を勘案するとかなりドラスティックな動きで、今までにも無かったと言って良い。今のJLRはタタ体制以降の大きな勝負に出ていると考えて良いだろう。ただ、これだけの展開が出来るのは勿論資金力が付いたこともあるけど、大きいのはベースとなるモジュラーエンジン、プラットホームの開発が出来たことだろう。ガソリン、ディーゼルのパーツを共通化し、なおかつ2Lで出力も200~300馬力位までECUや過給器で調整できるエンジン、XEのようなセダンからF-PaceのようなSUVまで共通のシャーシベースで共有できるプラットホーム。これによって一つのベースで幾つもの車種を作り出すことが出来るようになった。そしてこれが現代の自動車メーカーの潮流でも有る。そこにJLRも乗ったのだ。

この流れ、偶然か必然か分からないが、ボルボと本当によく似ている。ボルボもジャガー・ランドローバーもフォードグループ以降は時間をかけてここまで来たのだ。そしてそれを支えているのが中国(ボルボ)とインド(ジャガー・ランドローバー)というアジアの新興国なのもまた現代的である。

毎度話が逸れてしまうが、今日の本題はジャガーの現在(いま)に至る礎となったラグジュアリー・サルーン「XF」の話だ。僕の乗るXEよりはワンサイズ上、要するに"Eセグメント"呼ばれるゾーンに属するモデル。わかりやすく言えばライバルはメルセデスEクラス、BMW5シリーズ、アウディA6となる。

XEとプラットホーム共有化された2代目は見た目こそキープコンセプトだが、中身は刷新され、お得意のアルミ75%シャーシとなる。初代XFは見た目こそ今につながる新しいジャガーの提示第一弾となったが、シャーシはフォード時代のSタイプのものを流用していたり、エンジンも特にダウンサイジングな時代に合致したものでもなかった。モデル後期にはフェイスリフトや、直噴ターボの採用など、変えられる部分は年次改良も含めてどんどん変えていき、今に繋がるジャガー像の橋渡しをしたとも言える。その過程を受けての二代目XFと言うことになる。

前回のXEガソリンの試乗記?と同じく僕が代車で借りたXFは実質フォードのエコブースト2Lガソリンエンジンを搭載したモデルとなる。但し、今回のXFの場合、グレードが25t Prestigeとなり、エンジン出力が240馬力のハイチューン仕様となる。BMWで言ったら528iのような感じ。

だからXEガソリンの時と同じようにエンジンフィールは来年以降新車で購入する人には参考にならないかも。中古や在庫車を安く買おうと考えている人向け、と言えば良いのかな。ただ、今回はエンジン云々よりは普段XEに乗っている自分から見たワンランク上のモデルが持つ意味という事について主に書こうかなと思う。エンジン自体の特徴は前回のXEガソリンモデルの項で長所、短所について触れているので気になる方はこちらを。

・ジャガーXF Prestige 25t 2000cc 直4直噴ターボ 240ps/5500rpm 34.7kgm/1750rpm

良くXEとXFは区別が付かないほど似てると言われている。確かにパッと見はその通りで、意図的な気すらする。何故かと言えば、今はイアン・カラムの提案した「新しくモダンな英国車像としてのジャガー」をアピールしている最中と言えるので、基幹モデルの顔つきを敢えて似せてイメージの浸透を図っていると想像出来る。だから、XE、XF、XJ、F-Paceは本当に良く似ているし、スポーツカーのF-Typeのみ少し顔つきが異なっていたが、そこに敢えてコンパクトSUVのE-Paceを寄せて、ジャガー全体でブレないように腐心している。

だが、良く見れば細かく違う。特に毎日XEに乗っている身なので分かりやすいのかもしれないが、フロントライトの切り欠きが逆だったり、テールランプの半円デザインがXFでは2つ、XEでは1つとか(更に更にテールにクロームラインが入るのもXFのみ)だ。まぁ何よりも横から見ると長さが結構違うし、やはりサイズが大きい分XFの方が伸びやかでエレガントだ。クーペスタイルなのも共通では有るが、リアが寸詰まりっぽいXEに対して、XFは高級サルーンの証?でもある所謂"6ライト(リアドアの後ろ、Cピラー部分にウィンドウがある)"なのでリアシートへの配慮も外から伝わる。XEも一見6ライトっぽいのだが、実際はリアドアと一体だ。

中に乗ってもやはり広々している。まぁ全長5m弱、全幅1.9m弱の車が狭かったら困ったもんだが、サイズ以上にタイトさを強調しているXEと比べると、ダッシュボード付近も含めて広々感のあるデザインをしている。リアシートも偉い人が座るのにぴったりな雰囲気だ。

XFのダッシュボードはアルミパネルがドアサイドまで広がる独特のデザインで、最近のジャガー(XEやF-Pace)の傾向と少し違う。つまり初代XFから引き継がれている部分が見受けられる。エンジンをかけると空調の吹き出し口が回転して開くのもキープコンセプト(以前と違い、サイド部分のみになったが)。この辺りは乗り換えのユーザに配慮してという部分も有るのだろう。何せ今のジャガーで2世代以上続いている、若しくはそれが確実なのはこのXFとモデルチェンジを控えているフラッグシップのXJしか無いのだから。

実はこのダッシュボードデザイン、写真で見たりする限りは余り好きになれず、せめてウッドパネルとかも選べたら良いのにとか思っていた。何というか、アルミばかり主張して色気がなく、さめざめしているように感じていたのだ。だが、実際に乗り込んでみると、XEで足りなかった質感(ソフトパッドやレザーのあしらい方等)もちゃんと全体でカバーされているし、ちょっと他には無いデザインなのでこれはこれで新しい高級感は有るのかなと思った。

xfint01.jpg

メーター部分もいち早く"デジタルメータークラスター"と呼ばれるデジタル表示とナビ表示等を可能にする今流行り?の液晶化が成されている(XEも2017年後半モデルから既にデジタル化された)。これが期待していたより見やすく、地図にも出来るのには結構感動した。何か新しものっぽくて悪くない。僕のXEではInControlをアップグレードしても出来ないので少し羨ましい。これからXE買う人には付いてくるのでご安心を。

乗り始めて分かるのが遮音の確かさ。前回XEガソリンの話で書いたとおり、フォード由来エンジンは余り静かではない。だのでその音が少々気になる所なのだが、XFの場合、遮音が確かなのでそういった外部の音が気にならない。良く見てみると、ドア部分の遮音パッキンが、内側の閉まる部分だけでなく、ドアの端(ドアエッジとでも居言えばよいのか)部分も遮音用のゴムが裏側に付いていて、これは今まで自分が乗ってきたクルマには付いていたことがない。流石XF、というかEセグくらいになるとこの辺りまで気遣いされているのだと知った。乗ってないので想像では有るが、これだけの遮音が効いていればディーゼル・モデルでも全く気にならないだろう。

走りは借りたのが240馬力の25tだったので、やはり余裕を感じるし、このサイズにはこのくらいのパワーが欲しい。足回りもホイールベースの長さも手伝ってXEより滑らか。サイズはデカいのだが、思ったより見切りも良くて運転もしやすかった。勿論絶対的なサイズはデカいので細い道では気をつけたほうが良さそうだが。

自分はやはりミニで育った人間だし、基本的にコンパクトなクルマが好きなので、Eクラス、5シリーズ級のモデルになると大きいなと思ってしまうのだが(そもそもこのクラスくらいになるとエントリーグレードでも高くて手が出ない)、ワンサイズ上のクルマに乗るということは、単に大きくて人が乗りやすいという事だけではなく、価格相応のプレミアム感も上がってくるのだなと感じた。まぁ700万以上出して買うようなクルマだったらそれくらいユーザの要求も高くなるか。

ジャガーにとって久々の普及車だったXE、そして初のSUVであったF-Paceの話題に埋もれがちでは有るが、このXF、このクラスのクルマの選択肢としては十分有り得る良いクルマだと思う。今なら程度の良い中古が場合によってオトクな価格で流通しているのではないだろうか。絶対的なタマは少ないだろうけど。

最近"スポーツブレイク"と呼ばれるワゴン・モデルも登場した。正直ワゴン好きにはこのクルマに興味津々ではある。初代XFでもスポーツブレイクは存在したのだが、日本への導入は見送られてしまったので(どうやらDuratorqエンジンのディーゼルしか設定が無かったためらしい)XFならワゴンに乗りたい。

xfsportsbreke01.jpg

XF、単にXEよりワンサイズ大きいというだけでなく、見える所、見えないところにもラグジュアリーな気配りの有る良いクルマでした。XEにもスポーツブレイクが出たらいいのになー。
(ジャガーやイアン・カラムの話だと、XEのスポーツブレイクは発表予定が無いとのこと)
Posted at 2018/01/12 01:42:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | Jaguar | クルマ
2017年12月26日 イイね!

他のジャガーの使用感は?(XEガソリンモデル 2016年仕様 20t)

他のジャガーの使用感は?(XEガソリンモデル 2016年仕様 20t)-「EcoBoost(フォードエンジン)なガソリンモデルのジャガーはどう?」って話-
※代車の写真撮り忘れたので、海外のWallpaperサイトからのイメージ。


最初に断っておくと、この話は2018年以降の新車ジャガーを買う人には関係が無いと言うか、参考にはならない話である。何故かと言うと、18年モデル(正確には17年秋モデル)から、ジャガー、そしてランドローバーのガソリンモデルの殆どはフォード由来のエンジン(エコブースト)から自社開発の"インジニウム・エンジン"に切り替わるからである。

また、特にジャガーからこれまでのエンジンがエコブーストであると日本で正式に発表されているわけではないが(ディーラーさんも知らなかったりする)、海外の情報やボア*ストローク、エンジンサイズや出力からの情報なので、参考程度に(ecoboostで海外サイトをググったりすると情報は出てきたりする)。一応このブログではエコブーストであるという想定で進めますが個人の感想です。

ジャガーXE発表と同時期に久々の自社開発であるインジニウム・エンジンも登場したわけだが、先んじて出てきたのはディーゼルである。ガソリンモデルに関しては発売当初はフォード由来のエンジンが搭載された。要するにガソリンエンジンの開発はXE登場には間に合わなかったとも言える。それはディーゼルが主流であるヨーロッパでは然程珍しいことではない。そもそもガソリンモデルは初代XF等の後期モデルに既に搭載されていたし、レンジローバー・イヴォークのエンジンも同系で既に実績が有った、つまり、焦る必要が無かったというのも有るだろう。

但し、インジニウムはディーゼル、ガソリン共にパーツを共有するモジュラーユニットエンジンなので、2年強のタイムラグで来年度モデルからXEを始め、全ての2L搭載モデルのジャガー車でエコブーストからインジニウムに切り替わると言うのは冒頭の説明の通り。

こんな事情もあり、当初からXEはインジニウムの発表もあり、ディーゼルモデルのほうが俄然注目されたのだが、VWの問題も有ったりして日本の導入は発売から半年以上遅れた(実はこの問題後、厳しくなった日本のディーゼル試験に最初に合格したのがXEらしい)。なので初期モデルではフォード由来のガソリン・モデルのみが出回った。このエンジン、定評もあり、レスポンスの良くフォードでも実績を十分に積んだエンジンだと思うので(クーガやエクスプローラーにも同型エンジンが積まれたことはフォード好きならご存知だろう)、例えば中古でXEを探す際にこの感想を参考にしてもらえればと思う。

考えようによっては安心してサポートを受けられる数少ない"フォード"エンジン車と言う事も出来る。エコブースト好きなら一考の余地ありだ。

なお、自分が乗ったエコブースト・ジャガーは以下の2車種。何れも同型のエンジンだが、チューニングにより若干出力が異なる。

・ジャガーXE Prestige 20t 2000cc 直4直噴ターボ 200ps/5500rpm 32.6kgm/1750~4000rpm → 今回はこのガソリンモデルのXEの話。

・ジャガーXF Prestige 25t 2000cc 直4直噴ターボ 240ps/5500rpm 34.7kgm/1750rpm

最初にガソリンモデルの、良い所、悪い所をざっと書くとこんな感じだ。

長所
・ショートストロークらしく吹け上がりが軽快

・恐らくディーゼルより速い、若しくは加速感を感じやすい(ディーゼル[20d]とガソリンモデル[20t]の0-100kmのタイム公表値は双方とも7秒台で大体同じだが、踏み込んだ時の馬力感に差が出る、先述の吹け上がりの良さも関係している)

・ライバルの2L標準モデルよりパワーで勝る(BMW320i→184PS、Audi A4 2.0TFSI→190PS)

・リリースから時間が経っているので(エンジンとしては2010年登場)、枯れており、実績の少ないインジニウムより細かい改善が進んでいる(はず)

・上と共通するが、エコブーストはフォードが社を上げて開発したエンジンなので自社だけでなくボルボやランドローバーなど多くのモデルで採用例がある


短所
・直噴ターボの割に燃費が良くない(設計年次が一世代前というのもある)。特に都内街乗りだと7km/Lを切ることすら有る(高速巡航なら10km/Lは超えられるが)

・ショートストロークなせいか、最大トルク、馬力の付近(加給がかかるところ)で突然加速する、所謂"ドッカンターボ"っぽい(好きな人もいると思うけど)

・上記に関連し、極低速のトルクがやや細い

・リリースから時間が経っている分、一世代前のエンジン感は有る(振動、日本には関係ないがEU環境性能レベル等)



読んでみれば分かるかと思うが、要するにこのエンジンは「長所が短所」なのである。それをユーザがどう捉えるかと言う所だろう。つまりはショートストローク特有の吹け上がりの良さはスポーティなサルーンにはふさわしいけど(ハッキリ言って見た目からすればこの軽やかさの方がディーゼルよりXEに似合う)、現代のエンジンは省燃費、トルクを稼ぎやすいロングストローク時代である。昔はロングストロークだとかったるいエンジンになりがちだったが、今は摩擦係数などの技術が上がり、そんなに気にならない時代だ。

それでもインジニウム辺りはロングストローク特有のダルさも感じるのだが、そもそも直噴ターボやディーゼルは、高回転までエンジンを回さなくても十分力の出るような中低回転向きのセッティングなので、回さなくても良くなった時代なのだ(特に回転数の低いディーゼルは知らない内に思ったよりスピードが出ているという事が多い)。

だが、エコブーストはちょっと他の欧州メーカーのそれら(直噴ターボエンジン)と味付けが異なり、ある程度軽快に吹けあがりながらクルマを走らせていくエンジンだ。とは言え、高回転型のN/Aエンジン程回す必要はない。良い塩梅って感じ。だから乗っている分にはそこそこの所で回ってる感じがクルマらしくて楽しい。

その分、燃費ではややライバルには劣る。いや、はっきり劣ると言って良いだろう。近年のBMWやアウディのそれら2L直噴ターボは、180~200PS、30kgm辺りは当然稼ぎながら、JC08モード燃費も15km/Lを超えてくるものが多いし、実際都心街乗りでも10km/L近くまで行く車種が多いが、このエンジンとジャガーXEの組み合わせだと、良くて7km/L後半、悪いと6km/L後半辺りで推移する(ジャガーXEののJC08燃費は11.8km/L)。これはショートストロークで回転の上がりやすいエコブーストがストップアンドゴーを然程得意にしてないことや、ライバルに比べてやや古い(2010年発表)設計年次もあるだろう。

直噴ガソリンターボも世に出回るようになってから10年以上経過し、VWやBMW辺りでも2世代目、3世代目のサイクルに入っている。それらは環境対策(EURO6基準、燃費向上)、静音化(特に振動など)、モジュラーユニット化(4気筒なら2L、3気筒なら1.5Lのように組み合わせでエンジンを構成できる)が進んでいる。

そういう中で言えばジャガーに搭載されたエコブーストは、1世代前の感は有る。燃費も然りだが、振動系、これはR世代のミニのエンジン辺りもそうだったけど、冷却ファンの作動頻度や振動が多いエンジンだった。とは言え、R世代ミニ(2代目、R56系)で積まれたPSA(プジョー・シトロエングループ)とBMWで共同開発された通称"Prince"エンジンはアップデートされて現在でもプジョーやシトロエンのガソリンエンジンではメインだ。

つまり、ヨーロッパでは既に環境対策としてEV化を急ピッチで進めており、過渡期である現在ではPHVやディーゼルのほうがガソリンより優先される。CO2排出量の多いガソリンエンジン、もっと言えば長らく自動車を支えてきたレシプロエンジン自体が急速でオワコンに向かい始めている。だから特にガソリンエンジンに関しては順番が最後になる傾向が目立つ(それだけガソリンエンジンは完成してるとも言えるが)。

そうは言っても、市場に出て枯れているからこそインジニウムのような未知の問題は少なく、安心して乗れるとも言えるのだ。フォード・エコブーストやPSAのPrinceエンジンにおけるこの10年のダウンサイジングにおける貢献度は高いし、十分信頼できるとは思う。

クルマ好きなら御存知の通り、フォードのクルマ、エンジンは昔から一定以上のものがある。元々英国フォードとしてヨーロッパ向けのコンパクトモデル、フェイスタやフォーカスは、B、Cセグメントの実用車としてVWポロやゴルフと対峙し、時には彼らの立場を脅かすほどの評価やセールスを欧州ではあげてきた。残念ながら日本ではアメ車自体のセールスが伸び悩み日本市場からは撤退してしまった。それでも特にフォードにはエンスー中心にファンは多いし、今でもエクスプローラーが街を元気に走っていたりする(知人でもエクスプローラー乗りは居たりする)。

そう言ったヨーロッパの「ダウンサイジング」の波の中で切磋琢磨して生まれたのが"エコブーストEcoBoost(ガソリン)"、"デュラトルクDuratorq(ディーゼル)"エンジン(どちらも過去にジャガーランドローバーで採用されたと言われているエンジンだ)なので、美点も多く存在する。だから、もし中古や在庫品でガソリンモデルが欲しいと言う向きで、インジニウムではないジャガーはどうなんだろうと感じてる人がいるなら、それは全然気にする必要はないと思う。

まだ自分もインジニウムのガソリンモデルは乗ったことが無いのだが、リリースしたてのエンジンは大小問題が多いだろうから(自分のインジニウムXEなんてバランサーシャフト不良から大きな交換作業が起きた)、チョイスして後悔することは無いと思う。先述の通り今となっては日本でサポートを受けられる数少ないフォード由来エンジン搭載車種(別にフォードで面倒見てくれるわけではないので、悪しからず)なので、そういうエンスーにも◯である。

もし、PORTFOLIO(25t)のガソリンモデルが中古でタマがある場合、これは同じ2Lでもハイパワーモデル(240PS)なので、Sみたいなハイチューンまでは必要ないけど、そこそこ速い車が欲しいという向きにはお得かもしれない。BMWで言ったら328i相当だ。

こんな感じで、フォード由来のジャガーXEも中々良いのだが、中古を手に入れようとする時にディーゼルとの最大の違いは何かなと考えてみると、燃費かなと思う。都心ではJC08モードで20km/L走るクルマでもハイブリットでもない限り、高速に乗らないで走っていれば大体10km/L前後行けば良い方だ。それは過酷なストップアンドゴーや渋滞が日常茶飯事だからである。

そういう意味でエンジンフィールとかフォード由来とか新しく作ったエンジンだとかそういう細かいことを抜きにしてしまえば、基本的に大きくパワー関係は変わらないので、大雑把にガソリンもディーゼルも性能差はあまり無いと仮定した場合、一番大きく変わるところは燃費かなと思う。

仮にガソリンを7km/L、ディーゼルを10km/L(実際は走り方でもう少し良く出来ます)として、その差は3km/L程度だが、かたやハイオク、かたやディーゼルなので、L辺りの価格差は30~40円/L出ることになる。その辺りのコスパにもシビアに行きたいならディーゼルだとは思う。条件は様々なので細かくは書かないけど、このペースで1年8000km走ったりするとディーゼルは燃料費が半額程度になることも有り得る(実際は8000kmも走れば色んなケースが出てくるのでこの限りではないけど)。

コスパ重視ならディーゼル、ルックス通りの軽快さならガソリンなのかな。ありきたりな回答だけど。


別の回でも書いているが、インジニウムの実績のなさから来るネガも有るには有るし、良く言われる「ディーゼルの絶頂感の無い加速」は慣れが必要かもしれないが、基本的にはディーゼルも十分良いエンジンだとは思うし、このクラスにおけるディーゼルの恩恵は燃費、性能(坂道や巡航では特に)共に小さくない。ま、それでも新しいジャガー自体がまだまだ人柱な部分も有ると思うので、何れにせよ中古とかでもサポートを受けやすいメーカー認定の中古車を勧めるけど。

そんな訳で、僕的にはやっぱりディーゼルだけど、ガソリンモデルも良さは有るので後は好みかと。来年には出回るインジニウム・ガソリン車も乗る機会が有ればまたここで。

最後にだけど、エンジン以外に中古で大きなところとしては、初期モデルにはインフォテイメントシステムとしてInControlが導入されてないので、ここはこの手のものが気になる人は要注意かも。最も別の回で書いたようにInControl自体もかなり発展途上系なので、ちゃんとナビが使えて車内の設定にアクセス出来ればこだわらないよって人には余り気にしなくても良いかも。
Posted at 2018/01/09 06:11:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | Jaguar | クルマ

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