☆ベイマリス☆のブログ一覧

２０１８アマロック。VW流に洗練された高級中型ダブル・キャブ（ダブル・キャビン）は完成領域に到達してます。フロントマスクは存在感タップリの洗練された鉄板ワーゲンマスク仕上げ。徹底した企業アイデンティティを追及する重要性は筆者の持論なんんですが、フロントマスクの極端なメイクアップに目をくれず自動車の中身造りに力点を置くジャーマン・テクノロジーこそ自動車造りの王道なのかも知れません。もはやハイラックスを御先祖様としたVWタロの面影はサイズだけ、他には一切見当たりません。

カブト虫進化系「ゴルフ」が地球規模で増殖を展開させていた１９８０年。ついにゴルフベースの小型トラック「キャディー」が正式デビュー。ゴルフマスクを残しながら単に後部キャビンを切り取っただけのデザインで米国輸出モデル名はハッチバックと同名のラビットでした。その中古車が低価格・堅牢・パワフルとアメリカの若者層に大受けで様々にカスタマイズされ80年代のアメリカン・グラフティーの一ページを飾ったのです。トヨタOEM車タロや自社開発のキャディで知識集積しながら現在のアマロック開発に繋げたVW社技術陣にリスペクト！さすがですね。

2010年にデビューしたVW製中型ピックアップがアマロックでした。ゴルフ風味のマスクで自己主張したアマロックこそVW流の開発技術によって大変身したハイラックスに他なりません。14年間のトラック開発技術の醸成結晶化と言えますね。このアマロック登場によってVWのラインナップ・メニューが整ったわけです。ちなみにアマロックは北方民族イヌイット語で「狼」の事だとか。国際戦略車らしいシニカルな命名です。

ハイラックス誕生の２１年後・１９８９年にフォルクスワーゲン社へOEM生産されたのが写真のタロだそうです。メーカーエンブレムを付け替えただけの典型的なリバッジ・モデルで動力のみ2400ｃｃディーゼルに換装された外観フルコピー車。いかにも実用一点張りのドイツ人風味がタップリのトラックですね。安価・堅牢なトラックとして農村人気が高かったとか。ドイツでも並行生産され９６年に生産終了。これが更にＶＷ流発展を遂げて新たなモデルとしてデビューします。

初代ハイラックスが発売になったのは1968年なんと昭和43年のこと。記憶が正しければ東京オリンピックが終わってガラ空き状態だった首都高速道路や第三京浜道路にカローラなど国産乗用車が走り出した頃です。VWのカブト虫も増殖してました。
そんな中でハイラックスはトヨタの設計企画を日野自動車で組み立てた4つ目ランプがお洒落な1トン積み商用トラックとして誕生したものでした。現在の大型ピックアップとは比較にならないスケールですね。
後にダットラ同様にマザートラックとして大きな変身を遂げてゆくのです。