
普段の通勤や仕事、そしてプライベートのドライブまでシームレスに使えるバッグを目指し、フルハンドメイドで本革トートバッグを仕立てました。
手にするたび、そしてバッグを開けるたびに上質さを感じられるよう、素材選びから内部構造、細部の仕立てまでとことんこだわっています。
【こだわりの仕様・マテリアル】
メイン外装: キップレザー(2.3mm厚/アニリンレッド)
透明感のある深い赤と、プルアップによる豊かな表情が魅力の革です。
内装(内袋): ピッグスエード
バッグを開けた瞬間の手触りと高級感を重視し、贅沢に総スエード仕立てにしました。
ステッチ: ビニモMBT #5(ベージュ)/ 4.0mmピッチ総手縫い
金具類: アンティークゴールド(スマイルマグネット、Dカン、底鋲5点、メタルファスナー)
【機能とデザインのポイント】
オン・オフ使える収納力と安心感:
天ふた(ファスナー仕様)を設けて防犯性と中身の見えにくさを確保。外装両面にはアクセントを兼ねた大容量ポケットを配置し、片面には遊び心のあるスマイル金具をセットしました。
握り心地と耐久性を両立したハンドル:
幅30mmの革を縦に二つ折りにする「半折り仕立て」を採用。内部に伸び止めテープと1mm厚のレース革芯を仕込むことで、肩掛け時や手持ち時の当たりが柔らかく、長年の使用でも伸びない設計にしています。
実用的なDカン配置:
外ポケット側のハンドル根元(左下)にDカンを配置。製作した共革タッセルやパスケースを提げ、改札や鍵の出し入れがスムーズに行える動線にしています。内装の見返しステッチラインにもキー用Dカンを1箇所追加しました。
【主な製作工程】
1. 材料切り出し・下ごしらえ
型紙に合わせて裁断後、見返しや天ふたの重なり代を手工具で1.0mm厚に漉き加工。
2. サブパーツの仕立て
ハンドル(芯材巻き込み・半折り縫製・コバ磨き)、外ポケット(スエード裏貼り・総厚3.0mm・金具取付)、内ポケットの製作。
ファスナーを天ふたパーツで挟み込んで縫製後、作業性を高めるためスライダーを外して左右2パーツに分離。
3. 外装の組み立て・立体化
外装平面の状態でハンドル、マグネット受け、外ポケット、底板(硬化床革1.0mm)、底鋲をセット。
両サイドのラインを外縫い後、底マチを開いて縫製し、外装の立体化とコバ磨きを完了。
4. 内装ユニットの仕立てと現物合わせ
スエード内袋にポケットを縫い付け、見返し下端と合体後に内袋のみ外縫いで立体化。
外装に内袋を落とし込んで現物合わせを行い、革の伸縮によるシワが出ないよう見返し両端の位置をミリ単位で確定して縫合。
5. 最終合体・口元縫製
外装と見返しの間に天ふたを挟み込んで本接着。
口元一周のステッチは、歪みやよれを防ぐため「天ふた前後2区間+左右マチ2区間」の4分割で1〜2目重ねながら縫合。縫い終わりは内側で目立たないよう熱処理。
6. フィニッシュ(ファスナー終端処理&タッセル製作)
硬質な高級ファスナーのムシ(務歯)を喰切りで丁寧に除去し、長さを合わせて革タブでストッパー処理。
1.0〜1.2mmに漉いた革でタッセルチャームを仕立ててハンドルに装着。
最後に手こずったファスナーのエレメント処理も無事に決まり、タッセルを添えて理想通りのバッグが完成しました。
鮮やかな赤革が日々の通勤やドライブでどんなエイジングを見せてくれるのか、これから使い込んでいくのが楽しみです。
Posted at 2026/09/14 08:00:25 | |
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