さて、ダムを攻めていると切っても切り離せない存在がこれ。
そう、
ゲートである。
その殆どが「立入禁止」を示すゲートなのだが、そうではない場合も多々あり、単なる「通行止」を示している場合もある。
ダムをこよなく愛する貴兄も、忌々しいこの金属製のゲートを鷲掴みにし、このゲートの向こうにある絶景に思いを馳せる…と言う経験をした事も、1度や2度では無いはずだ。
このGoogle マップの写真を見てピン!ときた人は相当のダム通だろう。
そう、ここは道道741号線、羽幌二股ダムから下流に6km程の場所。
この場所からダムまで歩くのは、往復12キロ。
老体メタボの私には、到底不可能な距離である。
さらにこの先は上りがきつく、自転車の場合だと往路で90分、帰路は30分と、健脚なトレッカーの足でもかなり難易度が高いと紹介されているブログもあった。
そもそも、このゲートの先約1キロのところでは崖崩れが起きており、車が通れないわけではないが、危険なために通行止めにしているとの事だった。
ちなみに、このゲートを管理しているのは留萌建設管理部羽幌出張所である。
調査等の大義名分があればこのゲートのキーは申請すれば貸してもらうことが可能。
だが、「ダムが見たい」「写真が撮りたい」では、鍵は借りられない(笑)
徒歩も無理、自転車も無理となれば、車かバイクになるのだが、ウチにはオフロードを走れるような立派なオフローダーは無い。
かといってそのためだけに買ったとしても、ここまでバイクに乗っていかなければならないわけだ。
万が一、不測の事態により走行不能に陥った場合、すでにこのゲートの場所自体が電波の届かないエリアで助けを呼ぶ事すらできない。
加えてこの場所は、日本最悪の獣害事件のあった「三毛別羆事件」の舞台となった苫前町三毛別から極めて至近距離にある。
役場前に巨大なヒグマのオブジェを作ってしまうほど、ヒグマにより町興しをしようと町民が考えているほどヒグマがメジャーの場所なわけだ。
単独且つ徒歩とか、もってのほかの自殺行為である。
そこで思いつくのが、車載可能なトランスポーターだが、牽引トレーラーなどの大げさな装備では、小回りが利かずそもそもダムアタックには不向きである。
大げさにならないためには、数々の装飾品が既についているハイエースのキャンパーの中に収まる自走可能な乗り物…と言う選択肢になるわけだが、ここで絞り込まれたのが以下の4車種。
・ヤマハのフォーゲル
ヤマハのフォーゲルは4速リターン式ミッション、一番下がニュートラルと言う、ちょっと変わったミッションなので、気に入らないから除外。
さらに全長でモンキーより100mm長く小さく見えて意外に大きい。
必要以上にテールランプ周りが後ろに突き出ており、折角の小さい車格を台無しにしている。棄てがたい2ストなのに実に惜しいっ!
・スズキのエポ

スズキのエポは2ストロークでかなり速いとの噂なのだが、ハンドルの高さが70センチ(ウチのコンパスドルクの2段目のベッドの下に突っ込むため、格納状態で地上高70センチを超えてしまうと載せる事ができない)を超えるため、泣く泣く除外。
2ストアタッカーを夢見たのだが・・・・
・ホンダのモトコンポ
ホンダのモトコンポはシートもハンドルも折りたためて、収納スペース的に最高なのだが、良い状態の車両が少ないことと、新車状態で2.5馬力しかなく、且つ自動遠心クラッチのため登坂能力は絶望的で、アタッカー候補として不可。
・ホンダのモンキー/ゴリラ
燃料タンク容量の大きなホンダのゴリラはやはり程度が良い車両が少ないと言うことと、後述するがモンキーと違い、ハンドルを工具無しで収納することができない。
というわけで、消去法でダムアタックマシン候補はモンキー1択となった。
ヴィンテージモンキーは4.6馬力と魅力的なのだが、ノーサスで実用に耐えうるものでは無いので除外するとし、年式的に言っても4L(4リットル入りのタンクを指す。6V前期の2.6馬力モデル。おにぎりタンクとも言うらしい。上写真のモンキーとはタンク形状が違う。上写真はティアドロップタンクを装備した5リットルタンク装備の6V後期3.1馬力モデル)モンキー以降のものではなければ実用には耐えられまいという事で、5Lタンク以降(6V後期以降)のものを探し始めた。
モンキーを改造して乗るような歳でもないので、限りなくオリジナルに近いおとなしい車両を探すこと数ヶ月。
搬送料金のかからない地元で、フルオリジナルの車両がオークションに現れた。
話は少しばかり戻るが、モンキーは長い歴史の中で大きな変更を何度か受けている。そのひとつがバッテリーが6Vから12Vに変更されている事。
今の若い人は知らないのだろうが、今から30年前は原付バイクはバッテリーが6Vが当たり前だったのだ。
モンキーもこの変更により、夜間の視認性やヘッドライトの暗さの問題、すぐ切れてしまう6V電球に悩まされた日々から開放されたのだ。
また、6Vモンキーは今では当たり前になったCDI点火方式ではない。
「ポイント接点点火方式」であるため、ポイント調整の必要な6ボルトは敬遠される傾向にあり、比較的安い車両が存在する。
12ボルトモンキーでは10万20万30万が当たり前の世界、とてもダムアタックマシンにしてコタコタにしてしまうことなど、勿体無くて出来ない価格である。それでも6Vモンキーだって普通に10万は下らない。
そんな中で見つけた格安マシン、信じられないほどの程度の良さを維持しつつも、オーナーの事情により手放される車両は、それはそれは魅力的な価格だったため、ポチっとやってしまった(笑)
スクリューノブ1つでハンドルを格納できる6Vモンキーは、ウチのキャンピングカーのベッドの下に潜り込ませるのにはぴったりの大きさ。
何よりもこのゲートの下をくぐれるのだ!(笑)
それに、出品されていたモンキーは6Vモンキー後期のものであり、前期6V2.6馬力のエンジンから、圧縮比を10に上げ3.1馬力に変わった初めてのモンキーである。
そして特筆すべきは、これまでロータリー式自動遠心クラッチだったモンキーが、この型より4速リターン手動クラッチ付き(今のバイクと同じ左手クラッチ方式)に変更になっているのだ。登坂能力が要求されるダムアタックマシンとしては申し分のない装備である。(それでも3.1馬力はちょっと心許無いが。)
これは拾い物だった!
我が家にやってきた来年のダムアタックマシン!
Z50JF型 6V モンキー!フルオリジナル!
本日到着!!
そうはいっても1985年生まれの御年31歳になるバイクである。
タンクの中などは真っ赤に錆びており、これから一冬かけてレストアをして行く予定である。
冬はガレージの中か、お部屋の中で、バイク弄り決定っ!(笑)
※おわび
誤ってお一方のコメントを消去してしまいました。
大変申し訳ございません。m(__)m