モデルチェンジがあればもう一度買いたい車でしたが残念ながら生産終了となりました。2017年時点では未来的な感じの車でしたが2022年でも古くは感じません。
【エクステリア】
特徴を持ちつつまとまっています。LEDデイライトやルーフレールの感じから前から見るとSUVみたいにも見えます。
ボディ色は砂色を買いました。単なるベージュとおもいきや、天気によって灰色にもベージュにもなる光沢色です。
大きな窓は開放感にあふれます。
【インテリア】
ダッシュボードが大胆な造形ですが破綻せずに纏まっています。ボタンはほとんど無くスッキリしてます。この値段で内張りのほとんどがソフトパッドや布張りなのは驚きです。
シートは布地ですが、独特の模様が付いており個性的だし、滑り止め効果もありそうです。長距離でも疲れにくく、マッサージ機能も付いてます。助手席にはフットレストもついてます。
2列目は3席セパレートで個別にリクライニングします。無理なく3つのチャイルドシートを装着できます。大人が座るには背面が小さいのですが、クッションと足下スペースの広さから不思議と疲れません。
3列目はさすがに足元が狭くて補助席な感じですが、長時間座っても腰が痛いことはないです。
2,3列目はフルフラットにでき身長180cmの方でも寝られます。助手席を畳めば、250cm以上の長さでも積めます。
大きな窓+サンルーフの代償で夏は暑いですが、2列目にエアコン、3列目にサーキュレーターが付いていますので悪くない方と思います。
【エンターテイメント機能】
エンタメ機能は、フランス仕様と日本仕様で大きく異なります。フランス仕様はAndroid AutoとApple Carplayの両方に対応している上に、WiFiアクセスポイント機能やメーターパネルへのナビ表示など、2014年に登場した車とは思えないぐらい多彩です。
日本仕様は、Carplay、bluetooth接続、USBの音楽を再生できます。オプションのカーナビも、スマホの画面も動画もすべて下画面(7インチ)のみです。上の12インチに映したい!
スピーカーは6スピーカーみたいです。フロントガラスにツイータ、フロントドア、リアドアにフルレンジです。
【燃費】
燃費はかなりいいです。市街地こそハイブリッド車(HV)に敵いませんが高速なら好敵手です。私が主に5人乗りで120000km走った実燃費は17.7km/lです。カタログ値18km/l(JC08)の98%の達成率です。
100km/h程度の高速道では20km/lくらいです。80km/hであれば25km/l行くこともあります。
一般道は市街地13km/l、郊外18km/lです。1回の走行が10km超なら良いのですが、5kmを超えない走行の燃費は極端に悪いです。
ガソリンより軽油は約20%安いので家計に優しいです。ピカソの17.0km/lは、ガソリン(HV)の20.4km/lと同額、ピカソで20km/lならば、ガソリン(HV)で24km/lと同額の燃料代です。
【エンジン】
トルクが分厚く(370Nm)、アクセルを踏むとグイッと加速します。ターボがかかる1700rpm付近から上が急にパワフルです。猫の皮をかぶった虎です。
エンジン音はやや大きいですが、走ってる時はほとんど聞こえませんし、止まっている時はアイドリングストップになるのでエンジン音を気にする場面は少ないです。
【運転のしやすさ】
運転感覚は独特で実に面白いです。アクセルはゆったりだけど、ブレーキは制動力が強い設定で、優しい操作が求められます。これに慣れてから日本車に乗ると、ブレーキ効かないんじゃないかと焦り、加速が過敏で急に飛び出すという感じになります。要するに全然違うのですが、ミニバンのくせにちゃんとトレースできるハンドルの素直さとか、80km/h以上での直進安定性とかとても良いです。
街中の運転でも、大きな窓で周辺確認しやすい上に、360度のカメラとセンサーも備わっており、大きな車の割には安心と思います。
【全体として】
全体として満足度は高いです。ほかの人とかぶりにくいし、エクステリアもインテリアもおしゃれ、燃費もいい。
運転操作は独特ですがすぐ慣れ、素直な運転しやすい車です。12万km走ってますが特段の故障やトラブルはありません。もっと壊れると思っていたので拍子抜けですが、とても良い子です。長く乗りたいです。
2022年に後継モデルのスペースツアラーが生産終了となりました。ピカソのデザインが気に入っていて、新車や程度の良い中古を見つけたならすぐ買ったほうが良いです。私はこの車のデザイン、走り、装備、経済性に満足しています。
【細かいところ】
ここからはやや細かい特性等の話です。興味のある方はどうぞ。
・運転席
運転の操作類の配置が全体的に数cm左に寄ってます。センターメーターの為なのか、外車右ハンドルの宿命かはわかりません。ただハンドルの真下にブレーキペダルがあります。まあ、日本車でも左にズレている車種はままあります。
ATの操作は珍しいコラムシフトです。しかも右側にあり、慣れるまでは左手で空振りばかりしました(笑)
日本車に乗りなれている人なら、ワイパーとウインカーももちろん反対です。
・運転支援機能
アダプティブクルーズコントロールでは、全車速域で前車追従のアクセルとブレーキ、70km/h以上でレーンキープアシスト(はみ出し防止)が使えます。セットは30km/h以上、先行車が停止した場合は完全停止します。再スタートは手動です。
駐車支援では、バック駐車と縦列駐車がアシストされます。線に合わせて駐車するのではなく、車と車の間に駐車してくれるという機能なので、隣の車が曲がっていればこの車も曲がって駐車します(笑)
・変速タイミング
ATのシフトタイミングは1速0-11, 2速12-36, 3速37-48, 4速49-65, 5速66-84, 6速85km/hという感じで、一般道でも90km/hが普通のフランス向けなギヤ比です。日本車のシフトタイミングとは全く違い、日本の市街地でよくある40,50km/hでは2速3速の回転数高め(2000〜2500rpm)で維持されます。1500rpm付近でもそこそこパワーあるのに何でそんなに回すんだと思っていましたが、DW10FDエンジンは3000rpmが一番燃焼効率の高い回転数らしく、2000〜3000rpmはむしろ積極的に使いたいゾーン。1500rpm未満のトルクは極端に落ちるため、シフトアップ後に1500rpm以上になるように回転数を上げておく必要もあったようです。
まあそんなわけで、この車の場合はダラダラ加速せず、目的の速度まで素早く加速して定速走行(アクセルオフ)する方が、運転フィールも燃費も良くなるんではと思います。まあDレンジでもパドルシフト使えますので、早めのシフトアップも可能です。