
208 Styleは直列3気筒DOHC。1199ccで82馬力、トルクは12.0 kgmです。208の他のグレードならターボが付き、110馬力で20.9kgmなので、比較してしまうと非力なエンジンになります。でもカタログスペックだけで性能は語れないし、実際、5MTで気持ち良く走れるのだから特に不満はありません。
それよりも、自分は初めての3気筒エンジンに興味が湧きました。今までバイクの単気筒からクルマの2・4・6気筒を経験してきましたが、やはりそれらとは異なるフィーリングがあります。
一般的に3気筒はアイドリングがガサツだとか評されることもあるようですね。しかし、208では少し独特な振動があっても車内は静かで、アクセルを踏めばとてもスムーズに回転が上がっていきます。これはPSAのエンジン独特のものなのか、現代の3気筒全体の特性なのかは分かりませんが、何れにせよ回すと結構面白そうなのです。
◆6気筒の記憶
エンジンの回転が上がっていくフィーリング、なんか昔乗ったクルマに近いなぁと思い出すものがありました。それは二十歳で初めて買った中古車、トヨタ マークⅡ LGツーリングです。

<画像はお台場のメガウェブに展示されていた2ドア。私のは4ドアで緑色でした>
既に車齢20年を経過していたパブリカとは別に、クーラーの付いた自分のクルマを持ちたいと思い父の友人のツテで購入した10年落ちのマークⅡ。2リッター直列6気筒で5速フロアシフトMT、5ナンバーサイズいっぱいのボディ、当時は大きく感じました。
自分がそれまで乗ってきたバイクやパブリカと比べると、エンジン音やロードインフォメーションの伝わり方は小さく滑らかで、室内は静かでした。発進や加速でアクセルを踏み込んだ時にエンジン音が高まっても、その音量が控えめなため今一つ盛り上がり感に欠けるし、音を頼りにしたシフトチェンジがやりにくかった気がします。このせいで、MTでもあんまり運転が楽しいクルマには思えませんでした。まあスポーツカーじゃないので当然なのですけど。
当時は、パブリカの方がエンジン音が大きいからシフトチェンジのタイミングが分かりやすい(加えて4速コラムシフトMTも使いやすい)、車体が小さいから取り回しが楽だと感じました。でも今考えると、エアコン・パワステが付いた4ドア5人乗り、クラウンの次に位置するトヨタの正統派セダン、後にはハイソカーブームまで巻き起こすマークⅡに対してこんな印象しか持てないなんて、クルマのことを何も知らなかったんだなと恥ずかしくなります・・・。
そして今回乗り始めた208の3気筒、エンジンの感触がマークⅡの6気筒を彷彿とさせる瞬間があるのです。それは加速・減速時のアクセルに同調する回転フィーリングの滑らかさであったり、中・高速域でのエンジン音と振動の気持ち良さであったりします。
車格が異なるとはいえ、静かな車内で操る5MTや街乗りでの乗り味の柔らかさに共通項も見いだせますが、それよりも、3気筒エンジンの燃焼行程のバランスが6気筒と似ているという機械的な特性が、そんな昔の記憶を引き出してきたように思いました。
◆4気筒もいろいろ
初めての4気筒は、マークⅡから乗り換えたいすゞ ピアッツァ イルムシャーターボ 5MT。2リッターのSOHCターボでした。

<画像はWeb上から拝借。私のは濃紺だったのでこんなにハデではないです>
結構ガラガラしてるエンジン音、いわゆるドッカンターボ。その時、知人が乗っていた1.5リッターのFFジェミニも同じようなエンジン音だったので、いすゞはこういう音なのかなんて思ったりもしたものです。
外装だけでなく、インパネのサテライトスイッチとか5MTのシフトブーツのデザインも印象的。カッコイイし速いし、文句無し(個人の感想です(笑))。
ピアッツァの次に乗ったシトロエンBX、Xantia、C5も4気筒で、新しくなるほど静かなエンジンになりましたね。これは4気筒というよりも、車格や遮音性能が上がったからかも。
◆倍数は似ている?
その後、クライスラーイプシロンで直列2気筒ターボというこれまた珍しいエンジンに出会うわけですが、この2気筒はアイドリング時こそバサバサ言うものの、回転が上がると4気筒っぽい感じになりました。ということは、直3が直6に近いフィーリングになっても不思議ではないし、誤解を恐れずに言えば3気筒は6気筒に通ずるスムーズなエンジンなのではないか、とさえ思えてきました。
直6に乗ったと言ってもBMWのシルキー6は未体験ですし、3気筒はPSA製のみ。大それたコトを言えるほどの知識や経験もありません。でも、40年前のマークⅡの6気筒でも実は良かったということに今更ながら気付かされ、また、現代の3気筒の面白さに興味が深まったという点では、208のMTを選んだ甲斐があったと言えるでしょう。

中古車とはいえ未使用に近い車両、昨日やっとオドメーターが300キロに!取説には慣らし運転とかエンジン回転数に関する制限項目は無いものの、まだ控えめなアクセルを心掛けています。
購入から1か月。相変わらず週末しか運転していませんが、208の現代的な装備や機能にもだんだん慣れてきました。これからも楽しんで乗っていきます!
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2018/03/26 00:22:10