
人生もいよいよ終盤になると、物忘れも酷くなり残念である。
独り暮らしならば、自分自身が忘れたことにさえ気付くこともなく平和な余生を送れるのだが、そこに認知症ではない人間が介入してくると、様々な指摘を受けて忘れていることに気付かされ、ガッカリすることになる。
先日深夜に電話してきた元カノが今日昼過ぎ、加賀100萬石の別宅で独りのんびり快適に過ごしていたワシの「ゾウの墓場」生活を掻き乱しにやって来た。
突然、災いのトリガーコールが。
クソババ 今、金沢駅に着いたの。迎えに来てくれる?
ワシ えっ!?金沢?金沢文庫じゃなくて?
ババ 金沢よ。新幹線の。あなた金沢に居るんでしょ?早く迎えに来て。雪凄く積もってるし。
ワシ ワシは金沢じゃないよ。迎えに来て欲しければ小松の方が近い。途中で手取川って川を渡るから窓を開けて川に飛び込め。少し上流の8号線で拾ってやる。
ババ そんなことムリに決まってるでしょ。小松まで行くから早く迎えに来て。
渋々小松駅まで迎えに行く羽目に。
その30分後。
恐ろしいほど若造りしたクソババがディオールのプアゾンの悪臭とともにワシのいいぃぃ~ッスに乗り込んで来た。よく公共交通機関で逮捕されずに済んだな。
小松って初めて来たわ。迎えに来てくれてありがとう。こんな軽自動車も持っていたのね。
ワシ ホテルは金沢なのか?
ババ ホテルなんて予約していないわよ。泊めてよ。どうせ独りなんでしょ?お金、勿体ないし。
ワシ え~ッ、ふとん無いよ。
ババ ウソ。奥さんが来たときにはどうしているのよ。
ワシ 妻の部屋にシングルベッドがある。
ババ それじゃ~私、あなたと寝る。いいでしょ。昔は奥さんの目を盗んで一緒に寝た仲じゃない。
ワシ そんな大昔のことは全く記憶にないぞ。
ババ 取り敢えず何か食べましょ。近くに食べるところ無いの?
ワシ イオンが有るのでフードコートでも行くか?
ババ 近いならそこでいいわよ。
フードコートでジャンクフード食べながら
ババ なんか一階のテナント、幕張イオンモールの2階にそっくりね。
ワシ イオンモールなんてどこも同じなんじゃないか?須坂長野東インターにもイオンモール出来ていてフードコート寄ったときに同じこと言っていたぞ。
ババ 私、そんなところ行っていないわよ。どうせ奥さんと行ったんでしょ。
ワシ イヤイヤイヤ、マテマテ。去年の夏一緒に野沢温泉に行った帰りにイオンモールに寄ってフードコートで天ぷらそば食べたよね?覚えてないのか?
ババ 野沢温泉?それって私じゃないから。他の女でしょ。フンッ!
ワシ(思わずハッとして、このデーモンレディガガではないもっとずっと若い世界で一番可愛い愛娘とだったことを突然思い出す 認知レベル1ダウン↓)
気を取り直して、いいぃぃ~ッスに乗り込み
わざと遠回りして嫌々ワシの別宅にモーティシア・アダムスを連れ帰る。
ババ 千葉の家よりも広いのね。私、仕事辞めてここに住もうかな?いいかしら?
ワシ お願いだから明日、帰ってくれ。ワシは静かに暮らしたい。
ババ えっ、帰らないわよ。私、有給余っているから休暇もらって来たの。次の週末までずっと泊めてよ。雪も積もっているし私もゆっくりしたいかな~。部屋着に着替えていいかしら。シャワーも浴びさせてね。
バスタオルどこ~?
ドライヤーどこ~?
洗濯機使うね~~
そのあと、厠でゆ~っくり用を足してわざと手を洗わずに作ったワシの特製手料理を振る舞った。
そしてリビングで紅茶を煎れてくつろぎながら、延々と昔話に花が咲く・・・ワケもなく
ボケ老人のワシとの思い出話が噛み合わなくて部屋の空気はどんどん悪化し、まさにアウシュヴィッツの毒ガス室の如く。沈黙が続き窒息死をも覚悟する。
だが、このまま気分を害して帰ってくれたらラッキー。と、腹の底で願っているのでワシも意固地になりソファーの座面とワシのケツはコバルトマグネットレベルで吸い付いたまま。
ババ やっぱり歳は取りたくないわね。あなた、実際に相当マズイわよ。
ワシ 痴呆が進行したって全然平気さ。自分さえもわからなくなればどんな奇行するようになったところでビクともしないからな。困るのは周囲の奴らだけさ。ハッハッハ~のハッ。
ババ 昔からそういう身勝手で社会をナメ切った考え方だけは変わらないのね。呆れた。
ワシ 呆れたついでに千葉に帰ってくれ。今夜はやっぱりひとりで静かに寝たい。
ババ そこまで言うなら帰るわよ。送って。駅まで。いいえ男なら私の家まで送りなさいよ。追い返すんだから。
という流れで現在、北陸自動車道の通行止め解除を今か今かと待っている。
今夜、30年前の記憶を引き摺り出してモーティシアと一緒に寝るか、寝ずに運転して千葉までデーモンレディガガを送り届けるか、の二択である。クルマの準備は既に万端。デミオのスタッドレスタイヤは5年目のVRX2なので、樹脂製のタイヤチェーンも積んだしガソリンも満タン、バッテリーも問題無い。ヘッドランプクリーナー兼用のウィンドウウォッシャー液も予備まで積んだ。
クソババアは千葉に帰る気がないのか、全く支度をしようとしない。テレビを見て笑っている。しかしクソババアに二言は絶対にないぞ。ワシは許さんのだ。
30年以上前は、お互いに心から深く愛し合った仲だけに、愛情と憎しみは紙一重であり、今夜は憎しみ以外の気持ちはない。痴呆だけに。
Posted at 2026/01/25 20:58:38 | |
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