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2016年04月02日 イイね!

脚フェチさん、お越しやす。AVSの解説

脚フェチさん、お越しやす。AVSの解説久しぶりのブログは、私の興味を前面に押し出してみました ^^;
少々マニアックな内容ですが、脚フェチの方はごゆっくりどうぞ。。

減衰力可変機能をもつショックアブソーバー(ダンパー)を装備したサスペンションシステムは、名前こそ違うものの、かなり前から各社が実用化している機能ですね。
現在のLEXUSブランドを含めたトヨタ車では「NAVI・AI-AVS」という名前で設定されており、ISではFスポに標準で装備されるほか、Ver.LでMOP(スポーツサスペンション)を選択することで装備することができるようです。
名前のとおりNAVIデータと連携し、様々な走行フェーズで自動的に4輪のダンパーを独立制御する先進的なシステムです。
なかなか目玉的なシステムだと思うのですが、カタログ等では仕組みや機能が十分にアピールされておらず詳細がよくわからなかったので、前々から自分なりに調べていました。

先般、フロントサスを分解する機会があったので、ここぞとばかり、その減衰力の変化のほどを体感してみることにしました。


ボンネットフードを開けると、○のカバーが見えます。電線が通っていますが、ダンパー頂部に取り付けられ、減衰力を変えるために絶え間なく動いてくれている電動アクチュエーターのカバーです。



カバーを取ると、アクチュエーターが見えました。電磁干渉の予防や防水のためか、厳重なカバーです。ちなみにリアは、こんなカバーはありません。トランクの内張りに守られているから?



コネクターを切り離しました。





アクチュエーター図です。
いわゆるステッパーモーターで、作動軸の回転範囲は120°です。その範囲は9段階に区切られており、各段15°単位で段階的にクリクリッと、素早く回転します。



取り外したアクチュエーターを裏返してみました。
軸を指でつまんで回転させると、120°の範囲で小気味良い感触を伴ってクリクリ回ります ^^



アクチュエーターを取り外し、ダンパー頂部を見てみます。
中央の小さな軸が、アクチュエーターで回される「ツマミ」です。
この画像は、ツマミが最も「ソフト」側に回された状態です。いわゆる、ダンパーの減衰力が「最弱」の状態で、柔らかい乗り心地で路面のギャップを良く吸収する反面、リバウンドが残ってフワフワする傾向があります。



次は最も「ハード」側に回された状態です。減衰力が「最強」状態で、スプリングのリバウンドを強く抑制してビシッと安定させる反面、路面ギャップにも対抗し、少々ゴツゴツとした乗り心地になる傾向があります。


では、この「ツマミ」は、ダンパー内部のどこに繋がり、どのような仕組みで減衰力が可変するのでしょうか。

ちょっとわかりにくい図ですが、、、
ダンパー内部に同軸3段式のロータリーバルブ(可変オリフィス)があり、ダンパーオイルがこのバルブを通過する部分の開口面積を変え、つまりオイルの通過抵抗をコントロールしています。
開口面積を最大にすると、オイルがスムーズに流通することができるので、抵抗なくダンパーロッドが伸縮できます。
開口面積を最小にすると、その逆になります。

こんな感じ。。。



図で見たら「なるほど~」と思うのですが、実際にどのくらいの差なのでしょう?




フロントサスペンションを分解しました。(これがタイヘン。。。)
右から、スプリング、アッパーマウント、そして本命のダンパー。

ダンパーの「ツマミ」を手で「最強」位置にセットして、体重をかけてピストンロッドを「ギュー」っと縮めようとしました。

か、硬い。。。自分の華奢な体では、ほとんど縮めることができませんでした。

次は「最弱」セットでリトライ。

小気味良い抵抗を感じつつ、ロッドがスーっと縮んでくれました!!
「おお~~!」って感じです ^^
全然違います。人力でこれほどの違いであれば、数百㎏の荷重を受けながら作動する実際の走行では、車体の挙動に大きな変化をもたらしてくれることが実感できました。



ダンパー内にはオイルの他にガスが封入されており、縮ませたロッドから体重を抜くと、ガス圧でゆっくりとロッドが戻ってきます。
何らかの原因によりロッドシールからガスやオイルが流出すると、ダンパーの反発力や減衰力の発生が不安定になり、車高が変わったり乗り心地が悪くなったりするようです。
車体の下を覗き、ダンパー外筒が湿っていたりホコリが付いている場合は要注意です。


ドライブモードセレクターで「SPORT S+」を選択すると、パワー特性やステアリングフィールが変化するほか、次のグラフのとおり、AVSもさらにスポーティな減衰力特性に切り替わります。

減衰力の最低ラインが「底上げ」されることにより、少々硬めのセッティングになります。



このように、AVSは走行中に減衰力を適時切り替えることにより、さまざまなシーンで最適な乗り心地と走行安定性を得るもので、システムは次のセンサーから車体ステータスをモニターしています。

・加速度センサー(3つ) : 車体の上下方向の動き(揺れ)を検知する。
・ヨーレートセンサー   : 車体の水平方向の動きを検知する。
・ステアリングセンサー  : 操舵量、操舵方向を検知する。
・スピードセンサー    : 車速を検知する。
・パワーセンサー      : 駆動力を検知する。
・ブレーキセンサー    : 制動力を検知する。
・プリクラッシュシステム : 衝突に備える必要があるか。
・ドライブモードセレクター: SPORT S+モードか、それ以外か。
・その他

そしてこれらは、

・車速感応制御      : 車速に応じた減衰力設定で、低速乗り心地と高速安定性の両立 
・アンチダイブ制御    : ブレーキ時の前のめりを抑制
・アンチスクワット制御  : 加速時の尻沈み抑制
・ロール制御        : コーナー時のロール姿勢安定化
・ゴツゴツ感応制御    : 荒れた路面でのゴツゴツ抑制

という機能を提供してくれます。

システム名が「NAVI-AI・AVS」なので、もちろん「NAVI」連携を忘れてはいけませんね。
もうひとつの特徴的な機能が、これ。


・ナビ協調コーナー制御 : NAVI情報をもとに、前方のコーナーに備え、、、

つまり、AVSが前方のカーブを認識し、ステアリング操作の開始とともに左右のダンパーを制御し、ロール姿勢の安定化と回頭性を確保する、といった機能です。

すごい機能ですね。ちょっと前のAVSには、路面状況の学習機能があったようですが、現在はありません。
以前から、大径ホィールを装備するFスポの方が非AVS車よりもイイ乗り心地だと言われていましたが、この機能を紐解いてみれば納得できますね。
メーカーさん、カタログ等でもっとアピールしてください!
もうひとつ、AVSの作動状況をインフォメーションディスプレイでモニターできるようにして欲しいと思うのは、自分だけ??

長い記事を読んでいただいてありがとうございました。
自分としては、今まで仕組みがわからず悩んでおりましたが、今回の分解で疑問がスッキリ解決でき、ますます純正ダンパーが手離せなくなりました。

最後に、車両のサービス情報を提供してくれたMyDのメカさんに感謝いたします!!





Posted at 2016/04/02 15:57:44 | コメント(8) | トラックバック(0) | クルマ

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「[整備] #TZR250R ドライブスプロケシールの交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/2297035/car/3569967/7954205/note.aspx
何シテル?   09/29 15:12
@Veesukeです(旧名@ビースケ)。何かと理由を探してクルマ・バイクをイジルことが大好きです。多くの方々との交流を希望しています。よろしくお願いします。

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