
今まで、国産車のみしか触れたことも乗ったこともなく、輸入車にはあまり興味がない時期もありました。
自動車評論家の間では、「国産車と違い足回りがしっかりしている」「アウトバーン仕込みでブレーキが利く」「ボディー剛性が高い」と崇められていますが、実際のところどうなのか?と思っており3日ほど、Sクラスを運転する機会がありましたので、感想を綴りたいと思います。
1つ前のモデルですが、W221型S550ロング(V8NA・5500cc)です。
サイズは(全長5260mm、車幅1870mm、車高1485mm)とGZG50センチュリーとほぼ同じサイズです。
現代的な流線型のデザインのため、センチュリーと比べるとやや小ぶりに見えます。ボンネットの上のマスコットにメッキグリルがザ・ベンツという感じです(笑)
ドアを開けます。よくベンツといえば分厚いドアで開閉が重厚なんて事を耳にしてましたが、拍子抜けするほど軽くて驚きました(笑)調べたところ、アルミ製のようでした。
しかし、ドアヒンジがものすごいゴツイ作りで、これがあの“ベンツ”なのか!と実感しました。
車内に乗り込みますと、皮の匂いというか、トヨタ車とは違う雰囲気があります。
スイッチの配置、インパネの作り、シートの作りはセンチュリーとは全く違う世界です。
表現は難しいですが、ドライバーズカーという感じでしょうか。
メーターパネルは、スピードメーターの部分のみが液晶になっています。非常に大きくとても見やすかったのが印象的です。260kmまで刻んであるのが、ヨーロッパ車だな~と意識させてくれます。
戸惑ったのがコマンドシステムというのでしょうか?ナビ・オーディオ・エアコンは上のダイヤルのようなもので操作するのですが、非常に使い辛かったです。とこういったところは、トヨタをはじめとする日本メーカーの圧勝ですね。
ただ、ハンドルの脇に生えているシフトレバーは操作しやすかったです。
パワーシートとライトスイッチ。これが日本車と最も異なる部分ではないでしょうか?
やはり、ライトスイッチは日本車式(?)の方が使いやすいと思いますが、パワーシートのスイッチはこちらもアリだと感じました。
前置きが長くなりましたが、肝心の運転した感想を述べてみます。
まず乗り心地ですが、乗る前は「さぞかし固いのだろうな~」と思っておりました。
しかし、乗ってみて吃驚、想像以上に乗り心地抜群でした。センチュリーのようなふわふわした挙動はありませんが、段差のいなしがとてもソフトです。かといって高速だと、固くも柔らかくもなく安定してました。(エアサスです)
静かさも「センチュリーやLSの圧勝かな?」と思っていました。
これも意外に静かで驚きました(笑)巷では、静粛性はトヨタのお家芸で、ベンツ等の欧州車は音を聞かせるようにしてるとの噂でしたから。
V8は滑らかで、LSと同等だと思います。遠くで聞こえるV8の重厚な音が好印象でした。振動もありませんでした。
パワーもさすがV8 5.5Lは伊達ではなく、高速道路では飛ばしすぎないよう自制しました(笑)安定感があり、スピード感がないので、メーターを見ないと危険です。
可変スピードリミッターという、上限速度を設定するとそれ以上スピードが上がらない機能があり、100kmにセットしていました。
高速の追い越し車線をかっ飛ばすドイツ車を見て、「怖くないのかな?」と思っていましたが、乗ってみて納得です。確かに安定しています。
以上、初輸入車に試乗しての感想ですが、トヨタとベンツはそれぞれ違いますね。
ベンツといえば、故障が多い・乗り心地が固い・静粛性が劣ると昔からの先入観がありましたが、いい意味で裏切られました。とても快適でした。
昨今、トヨタ車は内装などコストダウンが気になりますが、今回乗ったSクラスはそのようなものは感じませんでした。
かつて、日本メーカーはアメリカ車、ドイツ車に追いつけ追い越せで、良い車づくりを第一の目標に邁進してきたと思います。しかし、最近では第一に原価低減、果ては内装に至ってはクオリティーダウンまでしています。センチュリーはもとより、LSやフーガ。ドイツ車を凌駕させるぞ!という位気合が入った車作りをしてほしいですね。トヨタが本気を出したセンチュリーの作りこみは、素晴らしいものですし、意気込みが感じられます。次期センチュリーはどうなるかわかりませんが、期待しています。
人生もそうですが、先入観で決めつけるのいうこと良くないことでした。
自動車業界では模範的な存在であり、世界でベンツはなぜ支持されるのか、なんとなくわかった気がしました。
Posted at 2015/04/04 23:54:58 | |
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