
今月はサブウーファー、純正ツイーター交換、ドアスピーカーをカロッツェリアTS-F1730に交換したり、やっていますけど、カーオーディオについて思うことがあるのでブログにします。
カーオーディオについて書く時はホントに神経を使います。例えば「デッドニングは効果が無い」とか書いたりしようものなら、デッドニングを一生懸命やった人や高いお金を払い、プロショップで施工した人は怒り狂うことでしょう。私でもそうなります(笑。
デッドニングは「爆音でカーオーディオを鳴らす」もしくは「車内の静粛性を上げる」なら盛大にやるべきです。バスレフ型スピーカーを密閉型に改造する様なモノなのでその作業は高度かつ難易度が高いとは思います。ただし、デッドニングと「音質向上」は別。私が言う音質はあくまでも「音楽としての音質」で、「聴き心地」とか「ドアのビビリが無くなる」とかのお話では無いことは前回のブログでも書いております。耳を大事にしているので、爆音で音楽を聴くことはありません。
自宅にはプロDJ用のアレンアンドヒースのミキサーを中心にDJブースを作るくらい、オーディオ自体は好きなのですが、正直、カーオーディオについては懐疑的です。ドアにメインのスピーカーがある時点で音像は正確になりませんし、4スピーカーであっても4チャンネルのレイアウトとして適切とは言えず、5.1ドルビーでも理想的なスピーカー配置はクルマでは無理なので、カーオーディオは妥協するのが前提だと考えています。音楽を制作したり、DJ理論のPDF書籍も販売していますので、音に関して、感じる耳の力は高い方だと思います。視力は最近衰えてきてますが(笑。
ラパン HE21Sのカーオーディオはグレードによって違うかもですが、以前乗っていた何台かのクルマとの比較において、さほど不足があるとは感じていませんでした。軽自動車なのに迫力のある音が出る理由が、ドア、ドアパネルの振動による低音の増幅であることはわかりますし、高音域が不足してることはDJブースでも聴いた曲を聴けば明らかでした。
ラパン HE21Sではボサノヴァ、ハワイアン、古いジャズ、最近ではJ-POPをよく聴いています。高性能なオーディオを必要としない音楽を聴くほうがストレスを感じません。ボサノヴァやハワイアンは古いラジオで聴いた方が「イイ感じ」で聴けるくらい、幅広い再生領域を必要としない音楽です。J-POPも基本的にテレビやラジオの一般的な再生デバイスで「イイ感じ」になる様に制作された音楽です。
しかし、クラブ系の音源はそうではありません。DJがクラブでプレイすることも前提にして制作されています。iPodでもPCのスピーカーでもそれなりに聴けますが、DJがクラブでプレイした時に更に良く聴こえる様に制作されてるので、一般的な再生デバイスでは表現出来ない音が高性能なオーディオでは聴こえたり、ニュアンスが違って聴こえたりします。かと言って音楽を創る人は再生デバイスの違いによる印象の差をどう埋めるかで相当悩んで作業をします。
カロッツェリアTS-F1730に交換した方の記事に「古いメーカーのスピーカーより悪くなった」「純正と同じ」という意見が散見されますが、チープなスピーカーからの交換で無い場合はそうなります。データ的な事実として純正程度のスピーカーです。※関連情報URL参照
私は音楽信号を帯域分割する装置とされる、パッシブネットワーク、クロスオーバーネットワークというものを信用していません。PAには同様の「チャンネルデバイダー」という装置はありますが、カーオーディオにおいて、ツイーターと同時にしかスピーカーを交換させない為のメーカーの営業戦略が生んだシステムでは無いかと疑っております。
再生領域を超えた音をそれぞれのスピーカーに担当させない保護回路としての役割はあるかも知れませんし、爆音仕様はPA同様の考え方で良いのですが、通常のカーオーディオのスピーカーの規模で必要なのか、余計な回路が挟まることで、音響的な損失は起きないのかとデメリットの方が気になります。反論のある方もいるとは思いますが、あくまでも私個人の意見。パッシブネットワーク、クロスオーバーネットワークをバイパスしたらどうなるかを検証する方が皆さんにもお役に立つ情報になると思います。
純正ツイーターはあえてJ-POPやラジオの再生に合うくらいの低い性能もしくは耐久性重視の製品にしてあり、ツイーターを交換するだけでもかなりの音質改善が出来るのにそう思わせない様な印象操作がある様な気がします。カロッツェリア、ケンウッドなどの単品のツイーターを4000円くらいで購入しても純正位置にポン付けは出来ませんから、専用のブラケットやツイーターグリルを3000円程で購入する必要があります。総額7000円でツイーターだけ交換してる人は殆どいないのでは?
普通はダッシュボードに乗せられる形状のツイーターを選ぶ、セパレート2ウェイスピーカーを1万円~で購入して自力で設置、もしくは数万円かけてカーショップで交換すると思います。それでも純正位置に収めようとすれば専用ブラケットが必要。そうでなければダッシュボードか、Aピラーの加工が必要。あーめんどくさい(笑。
今回の作業を通じてわかったのは「ラパン HE21Sのツイーターを純正位置で交換するのは難しい」こと「純正ツイーターはメインのスピーカーと比較して低性能」「安物ツイーターでも全体の音質が向上する」という三つの事実。安物ツイーターで音質が向上する理由については次回書きます。
純正ツイーターからユニットを外してツイーターをくっつければいいことに気づくまでに時間がかかりました。使えるブラケットやグリルを探しましたが中国製はインチ設計なので見つかりませんでした。ラパンHE21Sの純正ツイーターの位置でツイーターを交換するには純正ツイーターのグリルを加工して利用するか、メクラブタ(直径6cm品番不明)を加工するしか無いのです。HE22S以降のラパンのツイーターグリルの直径は7cmなのでご注意ください。みんカラを含めたネットの情報を事前に調べましたが、ラパン HE21Sで純正位置で取り付けた記事は純正ツイーターのユニットを外して加工した事例だけ。トレードインもポン付けもでき無ければやる人が少ないのも頷けます。
さらに、音質向上の最初の一歩がデッドニングという流行。誰も「最初にツイーターを交換しましょう」なんて言いませんし「交換するならメインのスピーカーとセットで交換が原則」「デッドニングも同時にやるべき」らしいので、これでは何が音質向上にどれだけ役立ったか誰にもわかりません。
アマゾンで販売されている、直径57mmの
中国製 120W 4Ω ドーム ツィーター ブラックも購入しました。サイズ的にラパンHE21Sにほぼポン付けに近い作業で純正ツイーターと、トレードインができそうです。最初からこの製品の存在に気づけば今回の純正ツイーター交換は楽だったのですが。
こうした一連の試行錯誤を通じて、日本の自動車メーカーとカーオーディオメーカーの業界構造を垣間見た様な気がしました。「ツイーターを交換すればカーオーディオの性能が上がる」のにそうだと思わせない工夫をしているのかと感じます。逆に言えば純正ツイーターの性能をあえて低くしておいて、ツイーターとスピーカーを交換した時に劇的な変化を感じる様にする為のシカケでは無いのかと。安価で高性能なオーディオ製品が普及した時代に私が若い時同様に「純正カーオーディオの音質は良くない」との共通認識が今だにあるのは不思議。まるで陰謀論ですが(笑。
ツイーター交換による音質向上が1000円や3000円の素人作業で出来てしまえばメーカー、カーショップは大変な損失を蒙ります(笑。ビジネスですから、原価率が低く、サイズや適合はどうにでもなるデッドニング製品を売りたい業界の都合も理解します。※あくまで個人の意見です。
今回ラパン HE21Sでクラブ系の曲をこの夏、気持ちよく聴ける様に取り組んでいる次第。まだ、何回か整備手帳はカーオーディオネタになりますが、引き続きお楽しみくださいませ。
Posted at 2018/05/21 04:24:31 | |
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