2014年11月30日
優秀な人っているんだなぁ!!
もう30年も前の話ですが、自分の会社は、第二の工場用地を探していました。
その時、第三工場も視野に入れて工場の用地の選定をしていたのですが、その時の話です。
会社の各部署から、1人ずつ「工場用地検討委員」が選ばれ、自分もその一人に加えられていたのでした。
自分の会社は、電機系ですので、工数が比較的多く、まだ部品の装着の機械が、バカ高くて精度が低かったので、労働力の良いところというところを検討していたのです。
既に第一工場は、人員の確保と地方自体の招聘もあり、S県からI県へ移転したばかりでしたが、会社がイケイケムード全開でさらなる増産を狙っていました。
そんな時にアドバイザーという人物がいたのですが、この人がものすごく優秀な人でした。
当時製造業の主流は、工場の海外移転で、製造の拠点に韓国に据えているところが多かったのです。
また、当時のマスコミは、韓国は製造業のパラダイスみたいな報道をしていたので、会社の「工場用地検討委員会」は、それらの資料を出し、第二はともかく第三工場は、韓国に進出しようという機運が高かったのです。
ある日の委員会の席上で、工場の委員から、資料提示があり、
「今後の製造業は、韓国で行うべし!」
と提案があり、状況の説明がされていました。
一通りの説明が終わり、社外のアドバイザーが口を開きました。
「もう遅いです。工場進出は、初期にしなくては遅いのです。
なぜなら、工場進出が多くなれば、工賃がかさむようになり、メリットが失われるのです」
「同じ理由から、台湾もダメです。工賃が上がりますから」
さらにアドバイザーは、続けるのです。
「工場進出は、30年後を見据えて行かなくてはいけないのです。
工員の質向上には、自社の教育だけでは、限界があるのです。社会の整備も重要な要素です。
工場の利益が確保されるようになるのに10年は見なくてはいけません。」
この言葉に一同は、シーンとしてしまいました。
そして委員の一人が、
「どこならいいんですか?」
と質問しました。
「ベトナムです」
アドバイザーは、回答しました。
一同は、唖然としました。
当時のベトナムは、終戦から10年そこそこの国でしたので、どうなるかわからない状況でした。
このあと議論が交わされ、最終的に候補地は、I県内の工業団地に第二工場、第三工場は、ベトナム進出が決定しました。
それから30年が経過しました。
この話は、どうなったと思いますか?
会社は、同業他社に買収され、日本の第一工場は、閉鎖、第二工場は、用地買収で終わり、結果ベトナム工場だけが残ったのです。
優秀な人って物事を4次元的に見られる人なんだ!
優秀な人っているんだなというの見せつけられた気がしました。
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Posted at
2014/11/30 09:23:35
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