2014年12月05日
ワーゲンゴルフ私感
みなさんの一番最初に運転した外車ってなんですか?
恐らく60歳以上の方は、初代のカブトムシだと思います。
しかし、それ以下の年齢の人は、大部分がワーゲンゴルフじゃないかと思います。
(と書いていながら、うちに来るクルマ屋の営業は、ラーダニーヴァと言ってましたが、これはあまり に特殊でしょう。ちなみに彼の自慢は、ちゃんとロシア時代ではなく、ソビエト連邦時代の製造とい
うちょっと面倒くさい人です。)
気がついたら、今年は、初代ゴルフが発表されて40年だそうです。
子供ながらにあのカブトムシが、製造を終わるというのは、かなりショックでした。
あのジュウジアーロのデザインと言われる形は、それまでのワーゲンの車と正反対の直線的デザインで、それまでのフォルクスワーゲンとは、全く違う方向になってしまいました。
その衝撃は、すごいものでした。
またそれまでのワーゲンは、60馬力そこそこ、エンジンも空冷から、1600cc水冷、鼓動方式も
RRからFFへ変更されました。
学生の頃手伝っていた中古車屋は、ヤナセの協力店で、国産車や他国の輸入車もありましたが、社長の趣味と力関係も手伝って、意外とヤナセの車割合が多く、ヤナセがやめてしまったボグゾールや、旧ヤナセ時代の164ボルボなんかも置いてありましたが、それらを持ってしても、あのデザインは、一種異常なまでのアイデンティティーを持っていました。
乗ってみるとハンドルが結構重めですが高速へ行くと安定するというドイツ車のセオリー通りでした。
この店では、エキセントリックな車が人気でしたので、既に中古となったゴルフは、人気がなく、76年のLSのオートマが社用車になっていてよく飛ばしていました。
考えてみれば、今の軽自動車より軽い車重で、1600ccですからよく走るわけです。
この頃のアウディーもワーゲンも既に燃料噴射でしたが、この二つについてるKジェトロの燃料噴射は、燃料デスビがお粗末でよく割れて中のベーン割れで、非分解品のためASSY交換をさせられました。
非常に高い部品で、中古車屋としては美味しいのですが、自分には起きて欲しくないトラブルの最たるものです。
例に漏れずこのLSも一回経験してます。
これの他に社長が、ゴルフDを仕入れてきました。
早速みんなで試乗会をしました。
やっぱり軽い車重と、マニュアルミッションの組み合わせは、50馬力(だったと思いますが・・・)のエンジンにしては、低速トルクを武器にスターレット(まだKP61)なんかよりはるかに優れていたように記憶しています。
ただ最悪なのは、振動に対する対策がなってなく、古くなると(考えてみるとせいぜい3年落ちだったと思うのですが・・・・)ダッシュボードに亀裂が入っていました。
振動については、全くお構いなしな作りの車でした。
この時感じたのは、その頃の日本は、カブトムシ神話みたいなのがあって、ワーゲンは神格された部分が多くて、当時のマニアは、毛嫌いしていたように思います。
自分もかなりその神話を信じていたので普通の量産車にしか見えないゴルフは、かなり魅力が減ってしまったのです。
ゴルフでもビッグテールと言われるモデルになる頃には、市民権を得ていたと思います。
それからしばらくして、ゴルフもⅡと呼ばれる第二世代に突入しました。
もうこの頃は、私も社会人でしたので購入できるようになっていました。
しかし、新車を購入することはなく、ゴルフⅡと三台付き合いました。
まず一台めは、91年式紺のゴルフD会社の社用車です。
このクルマは、東京都内を当時でもリードできないほど遅くてまいりました。
おまけにギアなので、都内の営業に出かけるの大変苦労でした。
ところが、長距離の走りは、早くはないのですが、高速での安定性が抜群で、本当に疲れないのです。
急がない時には、車をチェンジしてもらい出張に出かけました。
燃費も恐ろしく良く、高速道路で出かけると新潟出張でしたら、無給油という具合です。
それとこのクルマは、ベルトが鳴くということで結構ディーラのお世話になりました。
二台めは、88年のシグナルレッド、と言っても朱色みたいな赤でした。
これは、知り合いが、時々バックしなくなるという話でアゲルと言われて貰った車です。
現車を取りに行ってみると、マニュアルミッションの5速です。
ハテそんなことがあるのかな?
走行距離は、4万キロ台だし、車検も残っているから、しめしめと思いもらってきました。
前進してる時は、なんの支障もなく走っているので、良かったと思っていたのですが、やはり事件が起こったのです。
ある日後輩と二人で健康ランドに行った時のこと、駐車場に停めようと思い、パーキングスペースにおしりを入れて、位置を直そうとしたときのこと
「ガキッ」
と言って全くバックしなくなったのです。
しかも、路面には、オイル・・・・匂いからするとギアオイルです。
全身から血の気が引きました。
「もういいや」
と開き直り、床面にウエスを敷き、風呂に入って楽しんでから、70キロの道のりを、ミッションオイルなし、バックなしで帰ってきました。
幸いすぐに中古のミッションが見つかり、載せ換えをして修理を終わらせました。
なぜマニュアルミッションでこんな事が起こるのか不思議でしたし、友達の解体屋に聞くとワーゲンの5速ミッションは、時々ぶっ壊れるのがあるけど、ミッションは、非分解指定だから部品が手に入ので、分解する奴もいないよと言われて原因追求はしませんでした。
ところがつい最近、この謎が、一気に氷解しました。
イギリスの自動車番組を見ていて、アウディのTTクーペでしたが、ローと2速にはいらないというのを修理していたのですが、構造を見てびっくり、普通シフトフォークを介してギアチェンジを行うわけですが、一番ストレスが係るシフトフォークの留め方が、ピン圧着なのです。
これでは、何らかの不都合でピンの嵌合が不十分であれば、シフトフォークが脱落してミッション内で挟まってケースを割ったりするのは、不思議ではない構造です。
シフトフォークは、材質的にも非常に硬い金属で出来ているので、クラッシャにかけられないパーツです。
走ってる最中に脱落してギアの間にハマったら・・・・・
いくらなんでも、これはないだろう・・・ハズレを引き当てた人は、下手すればあの世に逝ってしまう。
ワーゲンのコストの落とし方に疑問を感じたのでした。
3台目は、白のゴルフDノンターボでした。
このクルマは、偶々知り合いのところによったら、
「オークションのビジネスコーナーにディーラー物のゴルフがある」
と言われました。
価格は、車検6ヶ月残りで3万ポッキリというのです。
車体検索書を見ると、エアコンがついてない記載になっていたのです。
「なぁに検索書のまちがいさ!」
位に考えていたのです。
実際車を取りに行くと、本当にエアコンがないのです。
でもヤナセの車であることにゃ、ディーラープレートが付いているので間違いがないのです。
後で聞いた話ですが、実は地域によっての仕様違いが正規ディーラーモノでもあるのだそうで、
このクルマは、青森ヤナセで販売した車で、青森県の所得と気候を勘案して、青森ではエアコンレスの車を設定していたらしいのです。
キャンセルはできないので、引き取ってきました。
そこで社用車にあるゴルフターボと対決しようということになり、友達4人で試乗会です。
乗るとノンターボの方が、トルクがある感じで、下だけ走っているとノンターボの方がいいのです。
それとエアコンユニットがないせいか、ハンドルが軽く感じました。
一番がっかりしていたのは、日頃ゴルフターボに乗っている友人兼同僚で、微妙な表情で車を降りてきました。
そこにいた友人の一人が、
「ワーゲンのディーゼルって、ターボとノンターボじゃブロックが違ってて、オイルインジェクターの
有無が一番大きな差なんだよ」
と教えてくれました。
彼は、ワーゲン勤務流石です。
ミッションでの問題は後からわかったことですが、その他にもシートレールが一本だったり、エンジンのハーネス周りが雑だったりとちょっとなぁっていう作りです。
こうやってワーゲンを買ってみましたが、私の信条からすれば、今ひとつ信頼にに欠ける品質のため、なるべく持たないようにしていますけど・・・・
今は、改善しているのでしょうか?
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Posted at
2014/12/05 23:28:19
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