2015年09月30日
私は仕事が変わるたびに、仕事と仕事の間に長い休みをとることにしていました。
長い休みができるとアメリカに休暇を過ごしに行くのが常でした。
その頃はまだ若いですからお金もありませんので、エコノミーの席を旅行代理店の友達に頼んでもらい、そのまま成田に向かい飛行機に乗り本土へ向かったものでした。
私の友人で同じ年のヤツが、アメリカのオレゴン州ポートランドにいて、ヤツもお金がないながらも自宅を持っていて、
「泊まりに来いよ!」
と言ってくれるので、その言葉に甘えて彼の家に滞在していました。
彼は、飛行機を飛ばいていて仕事の特性上、2週間働くと2週間休みという、いいんだか、悪いんだかよくわからない勤務体系なのです。
あらかじめ、日本から国際電話で、ヤツの在宅を確認すると、旅行代理店のヤツにチケットを手配させ、出かける直前に
「行く」
と一言メッセージを留守電に残して、日本を立ち、カリフォルニアあたりで入国した時点で飛行機電話で、メッセージ
「今、LAの飛行機の中、あと3時間ほどでポートランド。」
「あれぇ、もう来ちゃったの?日本人のくせに行動派だなぁ。」
しかしこれとて、911前までの話で、このあと招待の航空券を貰うようになる頃は、旅行者でノービザの人間は、アメリカ内の宿泊先がなくてはならず、突然の訪問はできなくなるのです。
ヤツも独身で暇なので、大抵は、空港まで迎えに来てくれるのですが、一度は、彼の仕事のスケジュールが伸びてしまい、急遽、レンタカーを借り、モーテルに泊まることになったことがありました。
オレゴンの州内やとなりのワシントン州まで足を伸ばし、まだイチローが入る前のシアトルマリナーズなども見にったりしていました。
大体の訪米のスケジュールは、独立記念日近辺にしています。
そうすると、各地でいろいろなイベントをやっていて楽しいのです。
この頃クラッシックカーによる、アメリカグレートランなどもあり、路上で本物のクラッシクカーに出くわしますし、アメリカ人は、基本陽気でフレンドリーなので、面白いです。
しかし、基本的にバイクに乗ってる連中は、要注意で、大抵が白人優位主義者なので、ちょっとまずいことになることがあるので、なるべく近寄らないことにしていました。
独立記念日が終わると、自動車修理の手伝いをさせられます。
ヤツは、アメリカ・シトロエン・カークラブと和訳すると「変態自動車クラブ」に所属しており、常に自分の車以外が、自分の家のドライブウエーを占拠しているのです。
変態自動車クラブの所属している車でも目を引くのが、前開きドア(アメリカでいうスーサイトドア)
のスバルサンバーが、大挙しているのです。
昔の日本の軽は、工場内見回りの車両として、結構存在しています。
ヤツとドライブに出かけて、田舎のストリップ小屋の屋根の上に、フェローのバンが置いてあるのもみました。
自動車の修理には、部品が必要ですが、アメリカには、NAPAという部品販売業者が、全米に行き届いていて、大抵の部品、ことにエンジン関連の部品は、ほぼ即日に揃います。
しかし、当然「変態自動車クラブ」に所属してるような人間ですから、いきおい、解体屋にも行くはめになるのです。
アメリカの中でも、オレゴン州は、環境問題にうるさい州なのです。
特に地下水を水道にしている地区が多いため、廃油を地面にこぼすだけで、大変な罰金を取られるのです。
大きい解体屋に行くと、まず入場料を取られるのですが、ポケットに入るような小物は、たいていおまけでくれます。
大物部品を外すとそれは、加算されるのです。
オレゴンの解体屋は、鉄ホイル二個を溶接で止めて、ラック替わりにしていて、タイヤを外され、車体を一台ずつ展示しているのです。
日本の解体屋では考えられませんが、車を段重ねしているところはありません。
そんな解体屋に置いてある車ですが、日本の解体の車よりはるかにひどい車ばかりなのです。
「こんなの部品どりになるのかよ!」
というかんじなのです。
しかし、ある一角は、馬鹿に綺麗な車両ばかり集まっているコーナーがあるのですが、そこは韓国車のコーナーなのです。
中を覗くと、みんな同じ部品がありません。
メーターとブロワーユニット、ワイパーモーターはないです。
さて、自動車の修理に飽きると、空港へ行き、自家用機を飛ばします。
ヤツは、軽飛行機操縦の免許を持っているので、二人で海岸まで、自転車や、タコ、サマーベットをセスナ172に積んで行くのです。
このセスナは、レンタル機で、
「ガソリン代折半な!」
と締まり屋の一面を見せるヤツなのです。
ヤツの所有しているパイパーチェロキは、数千キロ先のラスベガスに置いてあるので、自宅にいるときは、いつもレンタル機です。
「やってみる?」
といって操縦させてくれるのです。
生まれて軽飛行機を操縦したのは、オレゴンの上空でした。
アメリカでは、緊急事態を想定して、免許を持ってる人が同乗していれば、法律違反とはならないらしいのです。
オレゴンの海は、とても海水が冷たく、真夏といえども入れたものではありませんが、海岸でウロウロするのは、涼しくて気持ち良いものです。
それは言い換えれば、美味しい海産物が食べられるということで、ここの海岸の名物は、牡蠣です。
いくら新鮮とは言え、流石に生に手を出す勇気はないので、フライで堪能します。
また、農業、特に林業と酪農業は、有名で、林業は、ポートランドの空港は、地元の材木を使ったコンコースですし、酪農では、日本でも知られているマウントレーニアの本拠地なのです。
ですから、アイスクリームは、絶品で、必ずパイントカンを購入してしまいます。
オレゴンで有名なものに、ナイキとコロンビアがあります。
どちらもスポーツウエアで、日本でも有名ですが、ポートランドには、めちゃくちゃな両者のアウトレットモールがあるのです。
実は、観光書などに書かれているアウトレットは、観光客向けで、地元向けのアウトレットモールは街の中のショッピングセンターの中にこっそりあって、観光客を近づけないのです。
何しろ5ドル以上のタグが付いているものを探すのに苦労するという、破壊的な値段なのです。
私は、ナイキは、在り来りだと思い、よくコロンビアに通っておみやげを買っていました。
もらう側は、コロンビアなので知ってる人は、めちゃくちゃ喜ばれたものです。
こんな感じで、自分の休暇を過ごしていました。
アメリカの夏は楽しいのですが、もう行くことはないですね。
Posted at 2015/09/30 22:33:24 | |
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