2016年08月21日
もちろんそれまでに外車に乗っていたこともありますが、W124の洗脳効果が絶大だった私は、
「メルセデス以外の車はクルマにあらず。」
という考え方でした。
何しろあの操縦性、エンジン音、スタイルに完全にやられていたのです。
ある日、さる有名な地方で開催のカーフェティバルの会場でお会いしたF氏が、
「これうちの足クルマに使っていたんですけど買いませんか?」
と声をかけてくれました。
なんですかと聞くとプジョー405、しかもディーゼルだそうです。
「フロントウインドーにワレがありますが、これはありますが交換しますので、修理が上がった時点 で、いかがでしょう?」
そういえば、友人Nが、ディーゼル乗用車が欲しいと言っていたのを思い出しました。
しかしヤツは、今新婚旅行でカナダに行っているし、どうするかとは思ったのですが、帰京してからの話になりそうなので、とりあえず東京での再会を約束して別れました。
プジョーの405かぁ・・・
既に超多走行でATがダメになったブレークを買って名古屋からセダンの事故車を合体させて直した経験があって、その時の印象から、猫脚にこだわったやわらかすぎる足回りは、嫌だと思っていたので、すぐ部品商に譲ってしまっていました。
事実、部品商もこの足が嫌だったのですぐ転売してしまいましたが・・・・・・。
ただ現車を見るとトランクが下から切れるボディーの形状で後期物、日本の広告でも前期に比べて何百箇所の改良をしましたと言われるボディの車でした。
そして特徴的なエアコンコントロールも、日本車のような形状に変わっていて、車の興味がないNの新妻も扱いやすそうです。
ヤツに405勧めてみようかな。
Nが新婚旅行から帰ってきた日、早速Nと連れ立ってF氏のオフィースに行きました。
「イベント終わったばかりで、まだ修理してませんよ。」
「いや、コイツに話したら、すぐに行くと言って聞かないもので・・・・何もしてないのもわかりますよ。 昨日の今日ですから・・・・」
事実イベントであったのは、昨日で、Nが帰国したのも訪問したその日の朝で、やつから帰国の電話がかかった時に話したら、新妻ほったらかしで行くと言い始めたので、F氏に話をして午後の遅い時間にプジョーを見に行くことにしたのです。
ヤツは大層な気に入り方で直したら買う気になっていました。
試乗が終わり、F氏のオフィースへ戻り具体的な話をすると、
「実は、もう一台ディーゼルの売り物があるのですが・・・・・」
とすまなそうにF氏が切り出しました。
「モノはなんですか?」
と聞くと
「はぁ、メルセデスのW202なんですけど?」
「えっ5気筒のやつですか?それじゃぁつまらんですよ。」
「いやソレじゃないんです。ルーカスの噴射装置を備えたユーロ4合格の4気筒のヤツです。今のと ころほかの車が入ったという情報はないんで、どちらも日本一台のはずですよ。」
「でも少し古いんじゃないですか?」
「おっしゃるとおり、プジョーは94ですが、202は、92なんです。しかも輸入を急いだので、日本に はない、スポーツの内装なのです。」
メルセデスに詳しくない方に説明すると、202の本国の仕様には3グレードあって、エレガント、アバンギャルド、スポーツの3種類が用意されていて、スポーツだと車体のモールが、カーボン風のモノになり、シートがスポーツシートになる仕様のものです。
「ちょっと考えさせていただきます。」
その場では返答せず、帰宅の途につきました。
「オイ、どうする?」
私はNに尋ねました。
「どっちも魅力的だよな。」
ヤツも124に毒されているので、本当はベンツが欲しいのはわかっています。
しばらく、沈黙が流れていましたが、私から
「なぁどっちも買っちゃって、比較していいほうを自分の車にするか?」
「それいい!言い出しにくかったから言わなかったのよ!そうしよう!」
「その代わりに大分値引きさせようぜ。」
衆議一決、ガラスの修理が終わるまで待って二台を引き取りました。
引き取ってくると、新妻放ったらかしで、夜な夜な二人で走り込みを始めたのです。
405は、1900のターボ、202は、2,2ノンターボ、ギアの5速は同じ、そして一番の違いは、FFかFRの差です。
さて乗り出した印象は、全てにおいて202が物足りないことでした。
人によるのかもしれませんが、202のハンドブレーキは足ふみ型のパーキングブレーキなので、坂道発進がやりにくいのです。
またスポーツというには、あまりにお粗末な仕様で写真で見るとカーボンに見えるモール類は、センターコンソールのパネルだけで、あとはプラスチックの網目がついているだけなので、とても安っぽい。
そしてスポーツという割にホールド感のないシートは、ホールドだけではなく、お尻が痛くなるというメルセデスのシートかと疑うような座り心地。
翻って、405は別に高級感を狙っているわけでもないようですが、さりとて安物感があるわけでもなく、程よい感じです。
シートもソフトなあたりで、メルセデスの中途半端感がないのです。
そして一番驚かされたのが、操縦性です。
プジョーは当然FFなので通常走行では、徹底アンダーが強めなのですが、メルセデスは、おしりが軽い感じで、アンダーからオーバーに持っていこうとするのです。
これは特に曲がりくねった横羽線で。乗っていると気持ち悪いのです。
サーキットを走るわけではないのですし、峠を攻めるわけでもないのにこういう操縦性の変わる車は、いやらしさを伴うので安心して乗ってられません。
この結果から、メルセデスが必ずしもクラスで世界最高のクルマではないことを痛感したのでした。
ですからそれ以来、世評に惑わされずに乗ってから車を判断するようになりました。
その後、先祖返りではないですが、初期型405を購入しましした。
これがまた当時の西武自動車が、
「全車回収する」
かどうかという判断を下すかどうするかという問題作Mi16バイ4というクルマを購入することになったのです。
Miくらいなら皆さんご存知でしょうが、バイ4といのは四駆であるだけではないのです。
実はこの車は、リアのサスだけ、シトロエンBXからのハイドロサスがついているのです。
一見すると、全くオーソドックスな405とBXは全然関係ないように見えますが、実際は兄弟車なのです。
余談ではありますが、シトロエンとプジョーはかなり部品互換があるのですが、パーツ検索で互換がわからないよう、カンマなどを入れてEPCでわからないようにしてあるのです。
このクルマは、部品商の後輩が、某外車ディーラーの新車営業をやっていて、そいつの下取りで入った車だったのです。
彼の専門外であるフランス車は、出入り業者も嫌がって余っているという話だったので、へんな車好きの私のところに話が回ってきたのです。
見に行くと本当に綺麗で、ワンオーナー、走行距離も六万キロくらいだったのです。
値段が破格の○万円、車検残込みだったので即購入したのです。
乗るとなぜその値段かが理解できました。
先程も書きましたが、ハイドロの特徴である乗り心地、しかも悪い方なので試乗したら、ハイドロに詳しくない業者らは、諦めてしまっていたからなのです。
この時久しぶりに壊れたハイドロに乗りましたが、忘れていた感覚を思い出させてくれました。
早速西武の整備に持って行って
「たま替えて、たま」
アキュムレーターのトラブルなのは明白だったので、顔見知りの西武に入れたのでした。
そうすると顔なじみのメカが、
「なんでこれ買っちゃったんですか?これウチで、回収するかどうか悩んで、あまり売れてないし、 年数も来たから、回収はやめようっていう車ですよ。」
「えっそうなの?なんでそんななの?」
「それは燃料ポンプの取り回しが悪くて、燃料が漏れるとリアデフにかかってクルマが火災を起こす んですよ。」
「ふううんそうなんだ」
と軽く聞いてましたが、これを本当に体験するとは、・・・・・
ある日友達夫妻が、うちの夫妻を呼んでもてなししたいというので、バイ4に乗って出かけました。
友達の奥さんの手作りランチで随分長居してしまったのです。
「それじゃぁ」
と家を出て、車まで近づくとなんかガソリン臭い感じがしたのです。
彼のカーポートには2台置けるので、彼のうちのCクラスの隣に置いていたのですが、さらにその隣に犬小屋があるのです。
はっと思い、下を覗くと、燃料ホースにガソリンが・・・
そうなのです、大型犬ではないため車の下に潜り込みいたずらされ、燃料ホースを噛み切られたのです。
これが走っていたらと考えると、確かに西武が言ってたことも理解できるなと感じました。
考えてみれば、プジョーも結構乗っているんだなと気がついた次第です。
Posted at 2016/08/21 01:52:23 | |
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