2018年09月15日
大体土曜の晩はディスカバリーチャンネルを眺めているのです。
大体というのは、全部を見ているわけではなく、その日の予定により歯抜けで見ていたので、見ていないこともあるためです。
今日はたまたま見ていられるので眺めていると、S30の日本流でいうフェアレディーZのオートマチック車をマニュアルに改造する話をやっています。
あれっ?なんか聞いたことがある話だなぁと思っていたら、自分も似た作業を行っていたことを30数年前にやっていることを思い出しました。
自分のやった作業は、これと似たことなのですが、ちょっと違うのです。
ある日のこと、うちの仲間のディーラーマンが、下取り車で面白い車が入庫してきたので、イジろうよと言ってきたのです。
彼のディーラーに現物を見に行くと、今となっては貴重品ですが、古ぼけた白の230セドリックの2ドアハードトップが置いてありました。
随分古ぼけている印象があるのですが、よくよく考えてみると生産されてから、10年ほどしかたっておらず、今の車とは大きく品質差が見受けられたものです。
しかし、当時ですからそこそこの台数が生き残っていたのにどこが面白いのかがわかりません。
「どこが面白いの?ありきたりの2ドアセドリックじゃん?」
というと、
「これがいいのは、な・か・み」
と答えてきました。
この人は当時の有名ドライバーの所有していた4気筒のスカイラインを譲り受けるくらいの人で、
「日産のエンジンは、6気筒はダメ、4気筒までだよ。」
と言ってはばからない人なのになぜだろう?
「これ6発じゃん。日ごろけなしてるイモエンジンじゃないの?
「だからさ、イモエンジンもシチュエーションによっては利点になるんだって・・・
コイツ、東名自動車のチューンなのよ。
力が有り余っていて、オートマが馬鹿になりかけているので出てきたの。
まだ車検残っているから、外乗ってきてみな!たまげるよ。」
促されるままに路上へ出てきました。
まだ排ガス規制が入っていないとはいえ、230ツインキャブのGXでも125馬力ぐらいしか出ていない時代の車、車重が1,5トン近くもあるのですから、当然とろいはずなのですが、そんなにアクセルを踏まずとも、ちょっとでも路面が濡れているといともたやすくホイルスピンを起こすじゃじゃ馬になっている。
ひとまわりして戻ると彼が、勝ち誇ったような顔して
「すごいだろう!これが二リッターセドだぜ。といっても偽だけど」
なんでもその頃珍しいL26からスケールアップした3リッターになっていて、車検も今みたいに緩くない時代の(とはいえ、53年規制は始まっていましたが・・・・)車検場を通るように見た目は、SUツインキャブを使っているというシロモノなのです。
「だからさぁ、競技するんじゃなくて、高速走らせるだけだったら重いエンジンの方が却っていいのよ。
その特性を生かしたクルマを作ろうよ」
と提案してきたのです。
そこでセド、グロじゃあつまらないから、という理由の他にもう一つ車種を絞り込むのに大事な要素があるのですが、それは何かと言うとエンジンの下側にあるオイルパン形状の問題が大きいのです。
当時日産のブル以上の2リッターの6気筒車は、走行バランスを勘案して、車体のクロスメンバーの位置を違え、走行安定性の向上を図っており、それに伴いオイルパン形状が車種によって違うのでした。
当時若く、財布の軽い者が改造でやるとなると、たとえディーラーマンの彼といえども、大金がかかるので(何しろ、オイルストレーナーから交換しなくてはならないので大変な手間も必要。)
そこでセドグロと同じ形状のオイルパンは、S30フェアレディーZしかないことが判明し、彼が業販の在庫から財布に見合う車を見つけたのでした。
確か検査半年残りで、5万(だったような・・・・なにせ30数年前の話なので・・)の71年式のZを購入してきたのでした。
このクルマは、5段マニュアルだったのですが、ディスカバリーチャンネル話と違うのは、エンジン側が、オートマで、ベースになるZが、マニュアルだということでした。
その頃は、HKSとかブリッツといったチューニング屋ができたばかりで、強化クラッチを買いたいけれど高くて買えないので、考えた挙句に当時の430セドグロの覆面パトカー用のクラッチを組んで対策をしたのです。
また、エンジン自体がAT仕様ですから、フライホイルがないため、2リッターのフライホイルを加工してつけました。
今考えると冷や汗ものですが、金がないときは、こんなふうにして改造をしていたものです。
しかし、こんな拙い改造でもベースのエンジンが良いと、バカみたいに早くなるもので私の人生で初めてオーバー200したのもこの車でした。
そののちこのクルマは、次の車検をとった時点で、仲間うちでもっていたウエーバーの3連に付け替えられたのですが、改造当初の威力がなくなり、単なるハッタリ改造となってしまいました。
実は最後の二年は、あまり縁がなくなったので、ディーラーマンの趣味になってしまったのですが、今となれば、とっておいたらよかったのになぁと思っています。
そしてなによりこの番組を見て思ったのは、国内仕様のZのエンブレムは、「Z」または、「Fairlady Z」
なのですが、アメリカ仕様の240Zは、「Datsun」の表示。
これは当時の状況を知る者は、たいへん羨ましい。
なぜなら、当時は、ジャパンダットサンサービスという会社が販売していて、大変高価だったので買いたくても買えない貴重なものだった、ですから番組を見てるだけでワクワクしてしまったのでした。
ああ懐かしい!
Posted at 2018/09/15 23:56:29 | |
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