先日メンテナンス不備でコンプレッサーを焼き付かせてしまった。
我ながら、ズボラさに呆れてしまいますが、壊れたものは、ひとりでに戻るわけもないので、修理をおこなうことになるのです。
さて、作業をどうするか?
自分の手でやることも考えたが、ガスチャージ関連の道具は、当の昔に処分してしまっていて、ガスチャージはできないので(ことに真空引きポンプは高価)
丸ごと他人任せにすることにしました。
白羽の矢を立てたのは、昔から付き合いのある電装屋のオヤジです。
この人は、兄弟で二つの電装屋を経営していたのですが、お兄さんが急死してしまい一時は、相当落ち込んで、長年ため込んでいたリビルド用のベースを全部燃やしてスクラップにしてしまうという暴挙に出た人なのです。
最近は電装屋に依頼する仕事はしてなく、接触してないので、恐る恐る電話してみると、
「やってるよ!」
と言ってくれて、連休明けに持ち込む約束をしました。
今回はオリンピックの関係もあり、荷物の動きは悪くなるだろうと考え、金曜日までに注文決めようと考えていた。
手っ取り早く、メーカー純正品は、近所の部品屋に注文を出しておいたので、木曜日までに手元についた。
しかし、それ以外は、未着だった。
不安を感じながらの連休明けの月曜日、運よく部品がそろったので、久々に店へワゴンRを持って行った。
部品をチェックすると
「なんだよ、部品そろってるじゃん。オレが作業しなくてもいいじゃないか?その辺の修理屋でいいんじゃないの?」
というので
「いやいやオトーサンにやってもらいたいんです。」
と答えた。
まさか本当に任せた意義あったことを再確認することになるとは、この時気がつかなかった。
作業場には、スズキキャリーとダイハツエッセがあり、
「まだ作業中のがあるから、少し遅くなるんじゃないの?」
とオトーサンに聞くと、
「ああ、少し時間くれよ。」
と言われ、少々落胆しながら帰宅した。
翌火曜日は、私の公休日だらだら寝床でしていたら、スマホを見るとオトーサンからだ!
「どうしたの?」
職人の朝ははやい。
「あのさぁエキパンなんだけど、ワゴンRのエキパンとんでもない位置についてんだけど、これさ少し大きいから、ウチの在庫からつかっていいかな?」
というではないの!
時計を見ると未だ九時になってない。
エキパン外すには、ガスパージ、コンデンサーから行かなくちゃならないので、
一体何時から仕事しているんだ?
「いやいや、いいけど、もううちのクルマ作業してるの?」
と聞くと、
「後の二台部品待ちになったから、先やるよ。出来たら電話する。」
って言ってぶっきらぼうに電話を切ってしまった。
オトーサンは、やり始めると恐ろしく仕事が早いので、昼過ぎには、完成させてくるなと思ったが、まあイレギュラーがあるといけないので素直に完成の電話を待つことにした。
すると案の定昼頃に電話がかかってきて、
「できたよ!」
と言われたので車を取りに行った。
ワゴンRの横を見ると交換した部品があるのだが、エキパンも置いてあった。
見ると昨日持ってきたままの状態だ。
「あれっ?袋から出さないでわかったの?」
というと、ニヤニヤしながら、
「持った時に少し大きいなって思ったから、念のため測ったら5ミリ大きかったのよ」
というのだから驚く。
「持っただけでわかるの?」
と聞くと
「ワゴンR系はスゲーやりにくいところにエキパンがあるから、大きさが違うのはすぐわかる。キャリー系は交換しやすいから、気がつかないかもな。」
とサラっという。
そして付け加えるように
「あのさぁ、無理してつけると後での調整にものすごく苦労するんだよ。だから気がついたら、敵製品に交換しておくのよ。」
と教えてくれた。
流石エアコン職人の神髄を見たような出来事でした。
Posted at 2021/07/27 22:55:07 | |
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