満開の桜

暖かく快晴だ。テラスで読書をしよう。
親友から借りた‘五木寛之’が読みたかった。

“満開の桜”を期待し“絶景Cafe”に向かった。
予想された朝の渋滞もほとんど無く50分弱で到着する。
駐車場は角度があり、入り口手前のスペースに止めるのも慣れてきた。
桜の季節では３回目の訪問になる。
「何をそんなに焦っているのか？」
一度でもこのCafeに行けばその答えは自ずと導かれるだろう。

今朝も一番乗りだった。風があり思いのほか寒く感じられたがテラスに出る。
今日もスタッフの皆さんは優しく迎えてくれる。太陽に近い花びらは散り始めていた。
たまに落ちてくるピンクの花びらはまるで“桜のシャワー”のようで風情を感じる。

週末は込み合ったようだ。マダムからご主人を紹介された。人当たりが良くゆっくりと丁寧に
話される方。20年近くホテルに勤め、物怖じしないが雰囲気があるご主人に圧倒されっぱなし。
珈琲を飲まれて、建設中の２号店に行かれた。２号店も素晴らしい景観の場所にありこちらも
オープンは来年以降だが常連になる事、間違いないだろう...　
今度はお孫さんがフレンチ・トーストを持ってやってきた。
毎朝、フレンチ・トーストを食べてから幼稚園に行く贅沢な暮らしで羨ましい。

子供は一瞬で相手が遊んでくれるか分かる。見事遊んでもらえるリストに入ったようだ。
一生懸命に話しをしてくる。どうやら俺のクルマに興味津々だ。
クルマまで走って行く。幌が開く事が不思議でたまらないようで何度も開け閉めをした。
飽きてきたら自分の“仮面ライダー”三輪車を見せてくれた。得意げに説明してくれる。
あっという間に幼稚園に出掛ける時間になったようで、元気良く“バイバイ”してくれた。

ゆっくり読書をする。「贅沢ですね。」と声がかかる。
「素敵な場所で桜を観ながらウグイスのさえずりを聴き読書なんて、贅沢ですよね。」

親友から借りた文庫本は「人間の関係」だったのは、ただの偶然だろうか？
何かがこのCafeに引き寄せたとしか考えられない...