She

今から30年程前の話。
大学の友人の彼女が通っていた短大の文化祭に男５名で行ったんだ。
金魚すくいの催しをしていたクラスの女性たちはとても驚くほど粒ぞろい。
その中でもとびきり綺麗な女性がいた。今まで出会った女性の中でも断トツの一番。
その断トツの彼女と内容は全く覚えていないが、少しだけ会話をした。
たまたまそのクラスにさほど親しくない高校の同級生の女性がいた事を覚えている。
とても仲が良かった女性もその短大に通っていてが彼女とは違うクラス。
そういえば高校の先輩で大学でも先輩の彼氏も文化祭にも来てたっけ。
仲が良かった女性が彼女と同じクラスだったら自分から何かしらの行動を起こしたかもしれない。
（シャイだからきっと起こさないな）
女性に対してギラギラしないんだよ。自慢じゃないが女性に不自由した事無かったからね。

みんなで帰ろうとしたら例の断トツの彼女の友人が「アノ彼女が電話番号教えてって。」
「えっ。」正直びっくり。ほとんど会話しなかったし一緒に行った女好きの友人のほうが話してたし.....
その日が金曜日で、文化祭の終わる日曜日に香嵐渓に電話番号の友人と３人でドライブに行った。
電話番号の女性は彼女と同じ高校だったんだよ。

それが馴れ初め。
彼女が乗っていたのはP6を履いた赤いクルマ。だから赤い156はP7！
自宅に来て母が作ったお兄さんの大好きなチーズケーキを渡した事は今も想い出話。
遠いんだよね、彼女の家。当時は国道も整備されておらず２時間以上かかる。方向音痴でナビも
無い時代だよ。ダラシナイ俺は近場で複数女性がいたし、少しづつ疎遠になっていく.....
それでも年に数回は会う関係は続いた。

彼女に電話で結婚の報告。「わたし、あなたと結婚すると思ってた。」と。今更どうしようもない....
友人としての関係は続き俺は結局離婚。
２世帯住宅で母が娘の面倒をほとんど見てくれたが、小学生の娘を育てる忙しさもあり結構願望は
どんどん無くなっていく........
娘が高校生になると３人で一緒に食事や買い物に出掛けたり。
娘は「パパとお姉ちゃんの子供だったら、わたしは凄い美人だったね。」と笑ってみせる。
物事が分かっているのかそれ以上は言わない。

考える時間がたくさんある。
後悔しているのか？分からない..........
もし30年前に戻れたら、彼女を離す事はしない。彼女を一生守る。

過去を振り返っても仕方が無い。これからは彼女を大切にしたいと思う。
アノ時、ひょっとしたら手を伸ばしたら届いたかもしれない.....
「一番好きなものは手に入らない。」それでいいのかな？

落ち着いたら彼女の好きな‘わらびもち’を食べに京都へ行こう！

ちょうど１ヶ月前、８日の金曜日Dinnerを楽しんだ。
「新しい始まりになるといいな」と素直に思う。