
第4回はデザインについて。
Jaguar F-Typeのデザインは
V8エンジンを積むコンバーチブルを
前提として設計されています。
V8エンジンの後ろにギアボックス、
その後ろにドライバー。
これ以上小さくすることは不可能、
というパッケージングです。
そもそもJaguar F-Typeは2000年1月にデトロイト・ショーで
コンセプトカーが発表されました。
この当時はジェフ・ローソンのデザインで、イアン・カラムは最後の仕上げを担当。
コンセプトカーに似せた車を生産化しようとしますが、当時の技術では限界があり、
ミッドシップレイアウトに変更してのデザイン設計が進められようとしていました。
ただし、新開発のV6は幅が広くミッドシップにフィットしない、ボディ幅の点で
V8が詰めないなど、さまざまな理由からミッドシップでの開発は打ち切り、
FRでの開発となりました。
F-Typeは1925mmというワイドボディを持ちますが、
意外にもドライバーの中心からドアのアウターパネルまでの距離は
ボクスターとまったく一緒です。
にも関わらず100mm以上幅広なのはセンターにトランスミッションがあるから。
デザインのポイントは以下の通り。
【フェンダー稜線】
F-Typeのフェンダー稜線はジル(※)から始まっています。
※ ジル:縦長のエアインテークが魚のエラ(Gill)に見えることから
これが一本のラインでリヤに伸びていきます(画像赤矢印)
これはサイドまで伸びていき、稜線が消えたすぐ上からハンチ(※)が始まります。
※ ハンチ:リヤフェンダーの盛り上がりを動物の後脚(Hanch)に例えて
ハンチの開始(赤の山線)とフロントフェンダーの終点(2本目の赤線)、
及びフロントエアインテークからの稜線(3本目の赤線)
そしてリヤのテールランプの丸い部分の外側(赤矢印)がフェンダー稜線の後端。
この終点に向かって絞り込むようなデザインになっているのがわかるかと思います。
サイドビューではハンチが大きく盛り上がって筋肉質なデザインとなっていましたが
リアビューはフェンダーが大きく張り出し、グラマラスなお尻になっています。
別パーツ等、異なる立体を用いてフェンダーを張り出させるのが正攻法ですが、
一つの面でハンチの盛り上がり、フェンダーの張り出し、リアへと絞り込まれる
デザインを表現したイアン・カラムには敬服します。
F-Typeを見る機会がありましたら、このような点に着目して見てください。
新たな発見があると思いますよ(`・ω・´)b
Posted at 2016/06/20 21:02:47 | |
トラックバック(0) |
Jaguar F-Type を知る | 日記