親父の趣味の一つに写真があった為、幼い頃からカメラに触れる機会が多かった。
幼稚園入学時には、"prince"て名前の玩具カメラを与えられ、小三時には、よく出来たライカコピー"アイレス35 ⅢC"を持たされた、お古である。
期待を裏切らないよう撮っていたが、たいして興味があるって事も無かった、機材にも写真にも。
只princeを買ってもらった頃から、父のカメラ雑誌の片隅に気になる機種があった、それがニコノスである。
常にラインアップにあるから載せてます的扱いなんだが、この無骨でへんてこな形状は、子供の吟せんに触れた、サンダーバード4号みたいて...以後父親がニコノスに興味を魅せることもなく、私も手にする事はなかった。
先日何気にヤフオクで「ニコノス」で検索すると、新モデルに混じって一台だけ懐かしいフォルムを発見、出てた。 三千円スタート、後三時間で終了にもかかわらず入札0。
しかも「ヤマト運輸を使います」と念入り表記。 余談だが精密機械に〒パックはいただけない。
箱に裂け目等が出来るのは日常茶飯事だし、補償はあってないようなものだ。
以前一眼レフのプリズムが外れていた事があったが、補償はやらないのが前提の様で、面倒なんで馴染みの修理屋さんにサービスしてもらった事があった。
この表記の仕方、分かってる出品者だ。
条件は揃った、終了5秒前にポチっ、見事落札 !手練の出品者なら他IDで延長つり上げとなる場合が多いんだが、あっさり落札できてしまった。
十五年以上前、まだデジタル全盛となる以前、この旧モデルは結構なプライスタグを付けてたはず、驚きの落札額。
しかしこれが銀塩カメラの現状の様である、かつての名機もディナープライスで買えてしまうそうだ、ライカ以外は。
片隅にまだ恋心を残す方にはいい時代だと思う。
この年季の入った新参者、今も防湿庫で眠るprinceとアイレスの隣で出番を待っている。
Posted at 2015/08/23 01:15:26 | |
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