
青春時代の脳裏に刻まれた憧れの車は何歳になっても憧れのままだ。
高校生の頃から土曜の夜はCGTVを見ていた。オープニングのアルピーヌA110は格好良すぎでこんな車があるのか!と思っていた。
その頃WRCはGr.B全盛期。CGTVはそんなラリーカーをテレビで見ることのできる貴重な番組だった。
ブリスターフェンダーで武装したGr.Bスペシャルマシーンがモンテを、コルシカをかっ飛んでいく様は若い僕を一気に魅了した。
時代は進みGr.Aで世界選手権が争われるようになる。一見見た目はおとなしい、量産車となんら変わりのない車たちがWRCで戦う…。こんな車なら将来手に入れることができるかな…。そう思っていた同世代の車好きはたくさんいたことだろう。
大学に入学すると僕の人生を変える出会いがあった。なんと同級生にA110を持っている人がいたのだ。コクピットに座らせてもらい、エンジンを始動させる。もう天国だった。この車は将来絶対買うと誓った瞬間だ。
とは言えいざ車が欲しいと思ってもA110は無理だった。現在と違って情報があまりにもなさすぎたし高すぎた。今思えば当時のA110は格安だが大学生の初めて買う車ではなかった。
ちょうどその頃WRCではルノークリオ16SのGr.Aが大活躍。デルタは無理でもルーテシアなら…でも高すぎたw
そして購入したのが5年落ちのR5GTターボ。Gr.Nの世界チャンピオンにもなった名車だ。
僕はフランスやイギリスからルノースポールのGr.Nパーツを全て輸入してGr.N仕様にして走りに走った。本当に楽しかった。その車は僕がアメリカに留学する際、知り合いに譲るのだが、その知り合いはなんと先日手に入れた2灯アルピーヌA110のオーナーだった人である。
世の中は狭い。というか、ルノー、アルピーヌ界隈は狭いということだろう。
さて、本題はここから。
常に、いつかGr.Aラリーカーが欲しいと思っていたわけだが時は何十年も飛んで2020年。
なんとヤフオクに貴重な初代ルーテシア16Vが格安で売りに出ていた。もちろんウィリアムズなら最高だがプレミアム価格が付いていて高額だ。真剣にGr.Aラリーカーを作製するとなるとパーツ代、工賃がかなりの額になる。となるとベース車輌は安ければ安いほど良い。ほとんど全てのパーツを取り替えるので状態は気にならない。僕は速攻でルーテシア16Vを落札したのであった。
その時はこの先がどんなに長い道のりになるか、わかっていなかった。
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2024/08/03 20:35:15