こんにちは。ようやくまとまった休みが取れたので、ライフワークの試乗をしてきました。過去には
こんなブログでスポーツカー系の試乗でしたが、今回は時代の趨勢で、気になる電気自動車系に試乗してきました。
これまで同様、個人的主観の素人レビューなのであしからず。
1、
e-tron (パワー◯、ハンドリング◯、乗り味◯、デザイン△)
タイプ》50 quattro S line(前後モーター出力計313PS、55kgf)
ドイツ御三家で一番技術力をアピールしているAudiなので、そこの電気自動車に乗れば欧州が進もうとしている方向が少しは分かるかもと試乗。
外観は何だかボテっとしていてあまり未来感はなく(グリルのせい?)、オプションのサイドミラーカメラが唯一それっぽい感じでしたが、畳む時は手動…そして内装のドアノブ前にサイドミラー画像が写るので、運転中は大分視線を下げないと画像が見えません(特に右ミラーの画像)。その点、ホンダeはメーターパネルと同一ラインにサイドミラー画像を並べていて見識を感じます。
さてアクセルを一踏み、内燃機関車なら一拍置いてからオーッとなるところでしょうが、さすが電気自動車!アクセルを踏んだ瞬間からシューンと滑らかかつ瞬間的な加速!それなりの加速をすると何だかワープのような浮遊感があります。普通に走っている分にはドッシリと感じるのですが…やはり内燃機関車とフィーリングが大分違いますね。
そして試乗を終えて知ったのが、この車の車両本体価格が税込1,070万円〜とのこと。買えない私がどうこう言うのもおこがましいのですが、1千万円超えの車とは…アウディが好きで、新しい電気の自動車が欲しいという方が買うのかなと。GOLFや3シリーズ、Sクラスのような、このクラスの基準はこれだ!というような強い意志は残念ながら感じられず、欧州の電気自動車スタンダード争いはこれからかと思いました。
2、
シビック(パワー◎、ハンドリング◎、乗り味◎、デザイン◎)
タイプ》e:HEV(エンジン・モーター出力計325PS、50kgf)
今回試乗車の中でベストどころか、近年乗った乗用車でベストの個人的評価!
人間の感覚と乖離していないパワーの出方でかつ強力、モーター⇄エンジンの繋がりも非常にスムーズで(音を含め)いかにも切り替わった感なし、シフトも電気式無段変速機(CVT)とのことですが全くすべり感なし、足回り・ブレーキもコントローラブルと感嘆。あまり私が激賞するので、ディーラー営業マンも近くの山の峠道まで試乗させて下さったのですが(平日試乗のメリット)、ここでも右に左にスイスイ気持ちよく走れ、でも目を三角にさせるような熱さではなく冷静に車が応えてきます。
外観もクリーンなデザインで◎、内装もハニカム柄が直線基調でスマート、デザインやスイッチもゴテゴテしておらず◎、リアシートも大人2人が十分乗れる広さ、デザイン上乗り込み時に若干頭を下げますが十分許容範囲で居住性も◯と、私が見て乗った限りは全く非の打ち所がありませんでした!車両本体価格も税込394万円(ナビ込)とありがたい価格です。これで試乗車のボディカラーが青色だったら、これ下さい!になっていたかもしれません。
以前LX 6MTに試乗した際感じた若干のパワー不足が見事に解消されています。試乗前はタイプRじゃ無いし、と少し侮っていましたが、いや〜素晴らしい車でした!COTYの今年度イヤーカーに決定でしょう!
3、
エクストレイル (パワー◯、ハンドリング◯、乗り味◯、デザイン◯)
タイプ》G e-4ORCE(前後モーター出力計340PS、53kgf)
電気自動車に詳しくない私ですが、エクストレイルの「エンジンを発電機としてモーターを回す」という発想に感心しました。確かにこれならまだ整っていない充電インフラに怯えることなく電気自動車に乗れますね。しかしこれは欧州が言うところの「電気自動車(BEV)」に該当するのでしょうか?ディーラー営業マンに聞きそびれました。もしご存知の方がいらっしゃればご教示を。
乗り味としてはSUVとして標準的かと。エンジンが発電で回っているね〜というのも音でよく分かりました。またe-Pedalは慣れるとワンペダルで加減速が大分調整でき便利です。以前のモデルはワンペダルで完全停止まで出来たのが、最近のモデルから完全停止はブレーキペダルを踏むになったとのことですが、パッと乗る分には擬似クリープが付いている最近のモデルの方が戸惑わずにすみますかね。ま〜買ってから言えよと(笑)
最後に聞いて少し驚いたのが、エクストレイルと三菱アウトランダーは同じプラットフォームを使っているとのこと。パワートレインが違うせいか、記憶の範囲であまり共通点は感じられませんでしたが、そこがメーカー毎の調律の差か、素人感覚の限界か。
日産と三菱のアライアンスって、精々軽自動車をOEMしている位で、あとは経営の話かと思っていましたが、こういった技術も共有されるようになってきたのかと。
ディーラー営業マン曰く、次のエルグランドとデリカで共有もあるかもしれませんねとのことですが、共有具合によってはお互いの古参ファンが黙って無さそうですね。ま〜しかし過去のしがらみを気にし過ぎると新しい取組みが出来ないので、一度やってみて世間の評価(デビュー直後ではなく数年後の)を仰ぐのも面白いかもしれません。私のような新規参入組が生まれるかもしれませんし。
4、
アリア(パワー◯、ハンドリング◯、乗り味◯、デザイン◎)
タイプ》B6(モーター出力218PS、30kgf)
外観は未来の自動車感あり、内装はオプションのナッパレザーが入っていたせいか非常に上質に感じられます。木目パネルに埋め込まれているスイッチは、思わずどういう仕掛け?と木目と一緒にスリスリ触ってしまいます。またドアノブ下やスピーカーホール等の格子柄デザインも含め上質な和モダン、だけど新しさがあっていい感じです。Zと言い、最近の日産のデザインは良いですね!
乗り味も過剰感が無く、静かにシューンと進みます。と言ってパワーが無い訳ではなく、踏めばそれなりに音も無く前に出ます。
日本人という判官びいきが入っているのか、e-tronよりもよっぽど身体に馴染む電気自動車でした。アリアは世界販売をするのでしょうか?日本と欧州の電気自動車、台数だけでない車の評価を他の国々の方がどうするのか興味深いです。
日産も独裁者が去ってしばらく経ったので、良い方向に変わることを期待しています。出来れば「901運動」時代の志の高さが反映された自動車達をまた見たいものです。
5、
クラウン (パワー△、ハンドリング△、乗り味△、デザイン◎)
タイプ》CROSSOVER RS“Advanced”(システム最高出力349PS、Eg最大トルク46kgf)
今回一番評価の落差(自分の中の事前期待と試乗後の感想)があった車。クロスオーバーということもあり、外観はこれまでのクラウンを突き抜け、かつ先鋭感があり個人的には高評価。
先にCROSSOVER Gに乗ったのですが、どうもモッサリしていてRSへ乗り換え。確かにアクセルを踏むと速い。しかし街中で乗っていて楽しいかと問うとウ〜ン…何だかスッキリ感が無く、と言って重厚感があるわけでは無く、全体的にモサ〜とした感じがするのです。
例えば楽しいエンジン(パワートレイン)って、回さなくてもレスポンスが良かったりトルクが付いてきたり、回りたがりな素振りを見せたりと、回すと気持ち良いんだろうな〜と予感させますが、このエンジンは回さないとパワーが出ない。また回してパワーが放出されても、その過程に面白味が感じられないと(好き放題すみません)。それがシフトやハンドリング、足回り等全体的に同じ感覚なのです。
更に納得し難かったのが、信号停止中の運転席にエンジンノイズが聞こえてくることです。電気自動車ではないのでエンジン音も聞こえるでしょう。しかしクラウンなのにエンジン音がノイズにしか聞こえない。もうちょっと遠くでシュルシュル回っているとか、聞こえても音質を変えるとか出来るはずでしょうが、ガサガサガサとどうにも安っぽい音…。
クラウンだからと期待し過ぎたか?じゃあこの車にクラウンのバッチが無く、1台の車として乗りたいか?と問われたらNoかなと…。
品質のトヨタでしょうから、初期生産分とは言えそこまで個体差があるはずも無く、事前に期待していただけにどうにも残念な評価になってしまいました。
ちょっとGR部門に手を入れてもらうか、年次改良をしてもらうか、買わない奴が余計なお世話だよ!でしょうが、素人レビューですのでご容赦を。個人的には、感性が合ったら購入候補リストに入れようかと考えていたので辛口になってしまいました…今後に期待します!
総評として、みんなトルクがしっかりあって線の細さを感じさせる車は一台もありませんでした。これがモーターの恩恵なのでしょうね。
トルクの細さを回転数でカバーする=CO2ドバドバ放出!という楽しさ?はもう時代じゃないなと一抹の寂しさも。
同じモーターでも、各メーカーの味付けを今後どう見せてくれるか?そして本当に内燃機関車に取って代わるのか?ここ10年を興味深く見守ります!
次の車が欲しくなったら、早く買うか?見極めて買うか?モーターや電池の技術は日進月歩なので、タイミングが難しいですね〜。
あるディーラー営業マンが、電気自動車は4、5年したら市場価値が激減するので、残クレによる残価保証の方がお得と言っていて、金利もあるけどそれも一理あるなと思いました。すっかり営業トークに引っかかっています。
最後に、今回乗った車達は、クラウンを除き全車受注停止ないしは納期1年以上と聞いております(爆)。
※お読みいただきありがとうございます!宜しければ愛車グランプリにもご投票下さい!