「それじゃ店長、タペット調整とプラグ、エンジンオイルの交換お願いします」「うん、わかってるよ水城君明日の夕方までには仕上げておくから、仕事帰りに取りに来て」「わかりました、作業頼みます」そう水城勇也は言うと、駐車場で待っていた嫁の運転するN-ONEの助手席に乗るとMPTFを後にした。「お疲れ旦那、今日の仕事此で終わり?」「あー、水城君の車エンジンが完全に冷えてからでないとタペット調整出来ないから明日の朝から作業するから、後は片付けと清掃で終わりだが、女房今日の昼間のリバースヘッドシステムの説明な、もう少し詳しく説明したら100点だったな」「えっ、もう少しってどういう事なの旦那?」「ラムエア効果とリバースエンジニアリングの説明が抜けていたぞ」「あっ、ゴメン確かラムエア効果は吸気効率を上げて、燃焼効率を上げると同時に吸排気効率を良くする仕組みじゃなかったけ」「まあ、大雑把に言うとその通りだな、それじゃリバースエンジニアリングは?」「何だったけ、旦那」「しょうがない今から説明する、リバースヘッドシステムはその後、環境対応型エンジンとして最近の車に採用されるケースが増えている、排気ガスが直ぐに触媒に接触する為、効率良く排気ガスを浄化出来るメリットがある為だ、もう1つはこじつけ何だが、ホンダが97年を最後にJTCCから撤退した4年後にリバースヘッドシステムのK型エンジンを搭載したEP3シビックタイプRを発売した時には驚いた。それまでレースにしか使えられないと思われていたリバースヘッドを搭載した車を量産車に採用したホンダの技術者達には脱帽だな」「ふーん、その影響なんかな家の店ホンダ車のお客さんが多いもんね、デモカーもホンダ車だからね」「一応マルチプル、多目的と看板では謳っているが個人的にも最初に購入したのもホンダ車だからし、それに」そこまで言いかけた時に店の奥から声がした。「パパ、ママ、夕飯の準備出来たよ!」「わかったわよ、今行くからちょっと待ってね」そう女房は娘に言い返しながら店の奥に向かう。「旦那その話し続きは、夕飯食べながらにしましょ」「わかった、先に行って待ってろ作業場のシャッター下ろしたら直ぐに行くから」そう言うと作業場に旦那は向かいシャッターを下ろす準備をしながら明日の朝一から作業を行う車を見て一言、呟く。「EP3シビックタイプR、K型エンジン搭載の最初のタイプRか、しっかり面倒みてやらないとな」そう呟くとシャッターを下ろし、手をしっかり洗い女房と娘が待つ食卓に向かうのであった。