2016年01月10日
杉下右京「戦車道ですか」その1
ガールズ&パンツァー劇場版と相棒のクロスssです。
劇場版のネタバレ有り。
ある日の一日、杉下右京と冠城亘が所用で文科省を近くを歩いて角を曲がったとき制服姿の少女と右京がぶつかった。
「すいません、ちょっと急いでいたので」
「いえ、大丈夫ですよ。おや、県立大洗女子学園の生徒さんでもしかすると生徒会長の角谷杏さんですか」
「失礼ですが、何で分かったんですか?」
「この前の第63回戦車道大会で優勝した際インタビューを受けていたのを、覚えていましたので」
「インタビューといっても、主役は西住ちゃん、で、私のインタビューはほんのちょっとしか出ていなかったのを覚えていたんですか?」
「そうです、決勝戦でのあの戦いぶりは実に見事でしたので、よく覚えていますよ」
「そうですか、ありがとうございました」
「所で、なにかお急ぎの用でしたが?」
「はい、これから戦車道連盟の本部に向かう所でしたので」
「戦車道連盟の本部ですか?何故に?」
「それは…」角谷杏から学園艦が来年の3月31日付けで廃止解体するという文科省学園艦局長からの通達に対して廃止解体を撤廃するのならば第63回戦車道大会で優勝したら廃止解体を取り止めるという約束を取り付け見事に優勝したのだが、あくまでも廃止解体を考えても良いという事であり、検討の末予定よりも半年前倒しで8月31日付けで大洗女子学園の閉校が決定され、それと同時に学園艦も解体される事が決まった事を杉下右京と冠城亘に説明し、それを回避する為に学園艦局長と交渉したが不調に終わった為、搦め手から攻めて再交渉を行う為に戦車道連盟と他にも味方を付ける為の根回しを行っている最中だということを説明した後、杉下右京と冠城亘にぶつかった事を謝った後、戦車道連盟の本部に向かう角谷杏を見送りながら右京が冠城亘に尋ねる。
「冠城君、少しおかしいと思いませんか?」
「おかしいとは、右京さん」
「本来なら来年の3月31日に廃止解体する予定が半年も前倒しになるのは、些か強引過ぎるのでは有りませんか?」
「確かに、妙ですね。余程の理由がなければそんな事はしませんし、それに2年後に行われる戦車道の世界大会招致の為に戦車道が有る学校は、戦車道に力を入れるべしという通達を文科省から各学校に行われました」
「その通りです。そして大洗女子学園が優勝して、その優勝に影響を受けて戦車道の新規参入を表明している学校が確か数校ほど、有ると記憶しています。それなのに」
「その優勝をした大洗女子学園を廃止解体、それも前倒しで行おうとしている。はっきり言って矛盾しています」
「どうして、大洗女子学園を廃止解体したいのか、その辺りの理由が分かりません。気になりますよね冠城君」
「確かに、気になりますよね右京さん。細かいことが気になるのは」
「僕の悪い癖ですから」そこまで右京は言うと少し考えた末、冠城に聞く。
「冠城君、文科省に知り合いが居ませんか?その学園艦局長と会って少し話を聞きたいのですが」
「文科省ですか。大学時代の同期生が居ますので、そいつに頼めば何とかなるかと」
「そうですか、だったら今連絡して下さい」
「わっかりました。今連絡します」
文科省内
「冠城、久しぶりにお前から連絡があったら、行き成り学園艦局長と会いたいだと、会談の段取りをする。俺の苦労も考えろや」そう言いながら学園艦局長室に杉下右京と冠城亘を案内するのは冠城亘の大学時代の同期生、折尾慶二であり口調とは裏腹に楽しそうな表情を浮かべている。
「折尾、お前がそんな表情するという事は、今の局長に思うところが結構有るのか?」
「ああ、戦車道に力を入れろと言って、優勝した学園を廃止解体するのは、幾らなんでもおかしいだろ?例え廃止解体したいなら当初の予定通りの来年の3月31日付けで廃止解体をすれば良いのに半年前倒しで廃止解体だ。お陰で猫の手が借りたい程、忙しいよ。それにな今の局長、まだ省内での噂話の類いなんだが外で議員やら企業の人間とよく会っているらしい」
「おや、局長クラスの人物が議員と企業の人間が会っているとは噂話でも、それは興味深い話ですね。どうして会っているのでしょうか?」
「どんな理由で会っているのか分かりませんよ杉下さん、けど関係が有るかどうか一時期局長に関して妙な話が流行った事が」
「妙な話、それは一体どんな話ですか?」
「今の局長、まだ独身で将来の為の資産運用で先物取引に手を出したと、最初のうちは利益を出していたが途中から大損をしたという話が出たんですけど」
「けど、何だ折尾」
「急かすな冠城、本人は先物取引なんかやっていない事実無根の話だと断言したんで、その話はそれきりになってなそれ以降そのての話は聞かなかったが、その代わりに先に話した議員と企業の人間と会っている噂話が浮上した」
「そうですか、ありがとうございます」右京がそう答えると折尾慶二は、学園艦局長室のドアをノックし終えると「局長、ご面会のお客様をお連れしました」と言うと、中から「入れ」という返答を受けると折尾慶二はドアを開けながら小声で言う。
「何を聞きたいのかは聞かないが、廃止解体に関して少しでも納得のいく事を聞き出してくれよな。頼むぞ冠城」
「鋭意努力してみる」そう返答すると、杉下右京、冠城亘の順で局長室に入る。
杉下右京 「戦車道ですか」その2に続く
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Posted at
2016/01/10 22:15:27
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