2018年02月19日
ローズヒップ お淑やか?
聖グロリアーナ女学院 10月上旬
大学選抜戦後のある日の昼休みの校内を男女、女子の方は聖グロリアーナの制服を着ており戦車道に措ける各種手配、それこそ保有車輌で使う各種消耗品から補修パーツに修理部品に整備機材、弾薬、燃料、車両輸送、予算管理、紅茶の手配を一手に担う兵站責任者二年生のディンブラ、そして東海統合工業高等学校と背中に青文字で刺繍された白色のツナギを着た整備責任者の二年生の三川義和、女子校の聖グロリアーナに何故男子が居る理由は後ほど表記するが、足早にある場所に向かっており二人の不機嫌な形相から、事情を知らない生徒は何かと思う半面、事情を察した極一部の生徒や戦車道履修者は首を竦めた。
やがて目的地、紅茶の園に到着するとティールームのドアを最低限のマナーでノックしようとしたがドアがいきなり開き、担架を担いだ戦車道履修者が飛び出してきた。担架にはルクリリが真っ青な顔でブツブツ言いながら横になっておりいったい何事かと思ったら中から声がかかる。
「そんなところで何をしているのかしらディンブラと三川、用があるなら中に入りなさい」
「ダージリン様、先程ルクリリが担架で出ていきましたが一体どうなさったのですか?」
「一体何があったんだ?」ディンブラと三川からの疑問にダージリンは紅茶を気品溢れる仕草で一口飲むと目線を動かし、目線の先にはディンブラと三川が用があった人物が居るのを見るとルクリリの事を完全に忘れて怒鳴り声をあげた。
「お前はどこでどうすればクルセーダーをあんな風に壊せるんだ!?先週末の練習試合相手は知波単なのに、なんだあの損傷はティーガー相手にでも特攻したのか!?スクラップヤード行き一歩手前の損傷にどうしたらなるんだ!うちのメカからの怨嗟の声はもう抑えきれんというか抑える気にもならん、こちらの身にもなれ!!!」
「そうですわ!貴女がクルセーダー隊の指揮官になった途端に、クルセーダーをしょっちゅう壊しますから修理部品や整備機材の手配ならび予算は危険な水準ですわ!今は何とか遣り繰りをしていますがこの先の事を考えたら完全にアウトです!!」そこまで二人は言うと同時に言う。
「「ローズヒップ何か言うことは!」」
聖グロリアーナの戦車道三本柱の1つ、巡航戦車クルセーダー隊隊長を1年生に任じられたのは初であり同時に戦車道の伝統あるティーネームも拝命しており、ティーネームを1年生で拝命したのは聖グロリアーナ戦車道の長い歴史の中でも数える程しかおらず、同じ1年生でティーネームを拝命し次期隊長と噂が高いオレンジペコと並んで次世代を担う存在と周囲からは思われているが、同時に問題児でもあった。何故問題児かというとクルセーダー巡航戦車は聖グロリアーナの主力であるマチルダⅡ歩兵戦車で行うには不得手な機動力を生かした戦術を担っており、それこそ奇襲から陽動、偵察、撹乱を行い更に状況が変化した場合に備えて、ある程度の自己裁量権も巡航戦車隊隊長には与えられており、代々の隊長は沈着冷静さと大胆さを併せ持って指揮をしていたが、ローズヒップが隊長に就任すると沈着冷静という言葉が何処か空の彼方に消えてなくなり、代わりに大胆という言葉が勇猛というの名のペンキで塗り替え常に敢闘精神が溢れる行動、巡航戦車の特性を生かした行動は確かに目を見張るものがあり、指揮下のクルセーダー隊乗員も最近ではローズヒップに感化され見敵必殺勇猛果敢猪突猛進が合言葉になっていると噂されており(事実その通りだった)、それを聞いた誰が言ったか不明だが聖グロリアーナの黒色槍騎兵艦隊、もしくは女版ビッテンフェルトとローズヒップの事をそう称すると、銀河英雄伝説を知っている者からは納得されたほどだった。
そして整備、兵站部門からしてみたらローズヒップの存在は完全に悪夢だった。先にも述べたが巡航戦車隊は自己裁量権も認められているため状況次第では手荒に扱われることが多く、手荒に扱われるということは修理整備もそれなりの手間がかかるが、ローズヒップが指揮を執るようになってからは練習の時でも大破が当然、中破ですむなら奇跡、小破なら夢物語と言われており、練習試合になったらスクラップ寸前は当たり前のクルセーダーを修理整備しなければいけない整備部門、更に兵站部門も湯水の如くの補充品の使用に対して各種補充品が追い付かなくなる寸前でそれに比例して巡航戦車隊割り当て年間予算が恐ろしい勢いで消費しており、この有り様に両部門の整備員、兵站部門員は共にマジ泣き寸前であり、この状況を改善すべく両部門のトップが要請(極短期間のうちに怒鳴り込むのが風物詩になっていたが)にローズヒップの神経はティーガーⅡの正面装甲厚と同等のレベルで怒鳴り込みに対して。
「わたくしは何事にも全開なのですわ!」
「練習でも手を抜かないのでございますですわ!」
「試合なら思いきって全力で相手にするのが礼儀でございますですわ!」等々を言い返し、それをダージリンが愉快そうに紅茶を飲みながら優雅に過ごし、アッサムは深い溜め息をつくのが何時もの光景だったが、今日は違っていた。
「ディンブラ様、三川さま何時も迷惑をかけてしまい大変申し訳ありません、整備と兵站関係の方々に謝りに行ってくるので許して下さい」そう言うと頭を深々と下げ歩いてティールームを出ていくローズヒップ、そう、あのローズヒップが頭を下げて謝り、普段の妙な言葉使いも普通で、ローズヒップは歩いている姿をみるのは稀と言われるほど常に走り回っているのが当たり前のローズヒップが歩いてティールームから出たのだ。普段のローズヒップを知るものからしたら、180度違う姿、お淑やかな姿をを見せつけられたら固まるか、衝撃のあまり言葉を失うかだ。ディンブラと三川の二人は固まっていたが、やがて再起動するとダージリンに詰め寄る。
「「あのローズヒップはどうした!ローズヒップの姿をした別の何か?」」二人はそこまで言うと、あることに気が付いた。
「あのダージリン様、先程ルクリリが担架で運ばれたのは」
「ローズヒップが原因か」
「そうです。普段のローズヒップとは余りの違いに卒倒しましたわ」そう、答えたのはローズヒップの教育係りのアッサムだった。
「そりゃそうだ。卒倒する人間が出てもおかしくないぞ」
「ちょっと三川、不味い、非常に不味いわ」
「えっ!?」
「今のローズヒップの姿をみたら」
「卒倒者がダース単位で出かねん」ディンブラと三川は顔を見合わせると挨拶もそこそこにティールームから退室すると、三川は整備部門に、ディンブラは兵站部門に脱兎の勢いで帰っていった。
ローズヒップ 次回 原因
作者から一言、ローズヒップ普段から動き回っているイメージが強く、最終章では大洗vsBC自由学園戦の聖グロリアーナが出るシーンでは、椅子に座っているのが不満そうな表情をしているのが印象的でした。そんな暴走娘のローズヒップが主役です。
次回には、なんで男子が居る理由が解明します。
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Posted at
2018/02/23 07:16:10
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