2015年09月06日
MPTFからの帰り道の車内、兄の愛車RX-8の助手席に座っていた。佐倉さやかは、有る疑問を思い出すと運転中の兄にその疑問を尋ねた。
「兄貴、のどかのお父さんがフロントとリアバンパーを交換するのも効果が有るって言ってたけど、それってどうゆう意味なの?」その言葉を聞いた佐倉和人は、妹に返答する。
「店長からの受け売り何だが、なあ、さやか仮にお前が10キロのハンマーをその場で3回回転させるのと2キロのハンマーをその場で3回回転させるとしたら、どちらの方が楽に回せる?」
「そんなの簡単じゃない、2キロのハンマーの方が楽に回せるでしょ」
「それと同じ理屈で、オーバーハング部に装備されているフロントとリアバンパーが軽ければその分、運動性能が上がるんだ極端な事を言えば、バンパーは軽ければ軽い程良いんだが、問題点も同時に存在する」
「問題点?」
「そう、ただ軽いだけのバンパーなら簡単に作れるが、走っている以上、特に高速走行中の空気抵抗で軽いバンパーだとそれだけで走行中に簡単にしなってしまい、路面に擦れ割れてしまう為、剛性、分かりやすく表現するなら強度も必要になってくるし、他にも空力やらラジエター部への冷却効率という問題も有る。それらの問題をクリアし尚且つコストパフォーマンスが良いのがノーマル状態のバンパー、いわば万人向けのバンパーになり、それとは逆の性能追求型のモデルが存在する」
「それって、もしかして兄貴の車のバンパーの事を言っているの?」
「そう、C-〇EST製のフルエアロだ、軽量、強度、空力、冷却効率を追求した結果、見た目は派手だが性能に妥協なし伊達にレースで鍛えられたエアロパーツだからな、まあ他にも細かく説明すると、きりがないんでバンパーの説明はここで一旦止めるぞ」
「その方が、助かるわ結構マニアックな話になりそうだから私じゃ、ついていけそうにも無いから、後、兄貴、もう1つ気になった事が有るんだけど」
「気になった事?」
「うん、カーボンルーフのはなしで盛り上がっていた最中にのどかのお父さんに電話が有ったでしょ」
「山本さんからの電話だったよな」
「電話が終わった後、のどかのお父さん何か、考えていたように見えたんだけど」
「考え事、何だろう?」
「それから小声で何か、呟いていたのが少し聞こえたんだけど、『ステッカー、C1』っていう単語が聞こえたの」
「C1、首都高の事を言っているのかな?」和人はそう言うと、さやかはこんな事を言い出した。
「兄貴、ひょっとしたら首都高走ったりして」
「その会話の流れから、どうしてそうなるんださやか?」
「何となく、女の勘かな」
「女の勘でそんな事になって堪るか」和人は、呆れながらそう言ったが、まさか1週間後の土曜日の夜、C1内回りを妹と一緒になって追跡劇を、するはめになるとはこの時点では、想像の範囲外であり、しかもMPTFの常連客達と一緒になっての追跡劇とは、佐倉和人ならび佐倉さやかの両方にとっても完全に予想外であった。
次回予告、首都高が舞台になります。では次回まで失礼します。
Posted at 2015/09/08 21:02:08 | |
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