2015年09月21日
「プロトタイプステッカーて確か、今のステッカーを製作する前に製作したやつですよね。今のMPTFのステッカーは青と白もしくは、銀と黒のストライプの長方形の縁取りの中に、黒縁の白文字でMPTFと描いて有るのと」
「長方形の縁取りが無く、黒で縁取り白文字でMPTFと描いて有る3種類が存在しています」野島大樹の後を荻村瑞希が答える。
「その3種類を製作する前にプロトタイプステッカーを製作したんだよ、トリコロールカラーの青、赤、白、で長方形の縁取りをして、黒縁の銀文字でMPTFとデザインしたのを製作したんだけどね。嫁から『ステッカーのデザインが派手すぎるからもっとおとなしいデザインに変更して』と言われて今のステッカーを製作したんだけど、プロトタイプで6枚製作したステッカーの内2枚は、家のデモカーのデルソルに1枚ともう1枚は、今レストア中の車に貼って有って、残り4枚は、綾森さん、立花さん、黒田さん、そして山本さんあなたに渡した筈なんだけどね山本さん」半分呆れ、半分仕方ない様な表情と声で店長は、山本敬太郎に言うと。
「家の嫁が、僕に黙ってフリマにそれを販売してしまったんだ、読まなくなった古本や古着と一緒にね。しかもそれが売れてしまったんだ、その事を知ったのは次の日の朝飯の時に嫁から言われた」その答えに思わず荻村瑞希と野島大樹は同時に返答する。
「「はぁ、この世に6枚しか無いステッカーを売ってしまった!!というか、山本さんよく怒りませんでしたね!!」」
「車の趣味を大目に見てもらっているから、その点では嫁には頭があがらなくてね、店長には謝りの電話をいれたよ」
「まあ、僕もそれほど気にしてないよとその時は、言ったんだけどね、まさかこんな状況になるとは正直いって予想外だったよ」
「そう、予想外だったんだよ、そのアルテッツァターボを見たのは3週間前かな、仕事が終わって家に帰る前に首都高の内回りを流しながら走っていた時に後から速い車が2台スラロームしながら来たんだ、先頭はFD3Sで、後はアルテッツァターボで、そのアルテッツァターボはスラロームは荒々しい運転なんだけどFD3Sを完全に煽りまくっていた、そしてその2台が自分の車をパスしたとき、アルテッツァターボのリアウインドにプロトタイプステッカーが貼って有るのを見たんだよ」
「アルテッツァのターボ、確かトムスの280Tが有るからそれかな?」荻村瑞希はそう自分の考えを述べたが、山本敬太郎から否定の返答を受ける。
「それは、無いと思うよ荻村君おそらく後付けのターボだと思う。以前280Tに乗る機会が有って運転したけど音が違っていたからね、そのアルテッツァターボ荒々しい走りながら速かった不思議に速かった『センスの有る奴が運転する車は何か違うと』以前店長が、言っていたけど本当だと実証されたけどただね、そのアルテッツァターボと張り合ってもう数台程自爆事故を起こしているのが問題でね。このまま放置しておくと店長の店、MPTFにも迷惑がかかるし、家の会社的にも非常に不味い」
「山本さんの会社にも、問題がかかるんですか?」
「そう、問題有るんだよ野島君、君と荻村君を指名したのもこのあたりに有るし、有る意味君達二人は似たような事を1年前の箱根でやっているから問題無いと判断したし、MPTFのデモカーのデルソル、NAで280馬力を叩き出すマシンを店長が運転するなら、アルテッツァターボ相手にでも何とかなると判断したからね」その返答を聞いた野島大樹と荻村瑞希は、二人して顔を見合わせ1年前の出来事、偶然にも巻き込まれた忘れたくても忘れられない事件を思い出すと同時にその後の事も思い出した。
「店長、もしかしなくてもあの事件がこんな形で関わってくるとは夢にも思いませんよ」荻村瑞希は呻くように言い。
「というよりは、あの後が大変だった、日本文学にまつわる伝説の一つを裏付けるのを偶然とはいえ、発見したんですから」野島大樹はあの後の騒動を思いだし、頭を抱えた。
「それはそうと山本さん、あなたの事情を説明してくれないかな荻村君と野島君の二人を指名した理由を」呻いている荻村瑞希と頭を抱えている野島大樹を、見ながら店長は尋ねるが、その時廊下のほうから言い争う声と此方に来る非道く乱暴な足音がした。そしてそれを聞いた山本敬太郎は呟く。
「どうやら、事情の方から来たらしいな」その直後に応接室のドアがノックもなしに開けられ、二人の女性が入って来るなり先頭の黒髪ロングヘアーの女性が大声で叫ぶ。
「山本!!表に駐車しているMPTFのステッカーが貼って有る、三台の車は何だ!!」それを必死になって押さえる、一人のリーゼントの女性がいた。
「拓海、気持ちはわかるがいくら何でもいきなり怒鳴り込みは不味いって」そしてそれを見ながら山本敬太郎は、説明する。
「荻村君と野島君を呼んだ理由、この二人を乗せて首都高C1内回りを走ってもらいたい」そう言うと、荻村瑞希と野島大樹を見ると、この日何度目になるか分からない、二人同時返答をする。
「「正気ですか山本さん!!」」それに対して山本敬太郎は平然なこえで言う。
「僕は、正気だよ荻村君と野島君、いまから細かい事を説明するからよく聞くように」
レクチャーその4に続きます
Posted at 2015/09/23 02:40:52 | |
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