2017年11月09日
現在 披露宴会場 ミカ side
「お互いの悩みを共有し相談励まし合い、お互いを強く抱きしめた結果、二人は先輩後輩という立場を越えた恋人未満という関係になり1年後、ルミ先輩は第60回全国高校戦車道大会で黒森峰に勝つと真先輩に約束し、真先輩もルミ先輩に全国中学野球大会で優勝すると約束しました」そこまでミカが話すと、優花里が何かを思い出した。
「第60回大会、確か西住殿その決勝戦は黒森峰が」
「うん、黒森峰が敗北寸前までに追い詰められた試合、お姉ちゃんと観ていたから」みほは答えるとミカの弾き語りに耳を傾ける。
8年前 ルミ side
第60回全国高校戦車道大会で継続高校は一回戦は練度は高いにも関わらず統制の取れない突撃戦法だけな知波単、二回戦は自分達を最大の仮想敵にして団結したBC自由学園、準決勝ではファイヤフライ5台を中核としたサンダースを破り、ついに決勝戦まで進出したが相手は八連覇を狙う黒森峰、そして激闘の末にルミはフラッグ車のT34/76の車内で「ごめん、少年約束守れなかったわ」撃破された車内で他の乗員には聞こえないほどの声で呟いた。
8年前 真 side
石川県大会で優勝し、全国大会に駒を進めた継続高校中等部は決勝進出をかけて静岡県代表の相駿大学付属中学と対戦、3対3の同点で迎えた相駿大学附属中学の攻撃9回の裏ワンアウト三塁、バッターはワンボールツーストライクと追い込められながらも鋭くバットを振り抜くと、ピッチャーが投げた一球を捉え外野、センター方向に飛ぶが距離は延びずセンターがキャッチ、三塁ランナーはタッチアップで本塁に走りセンターからのバックホームは、ショートを守っていた真は充分間に合うと判断した直後キャッチャーの手前でワンバウンドしたボールは思わぬ方向に跳ねキャッチャーが捕りそこないボールはそのままバックネットにいき、三塁ランナーがホームに滑り込み劇的なサヨナラ勝ちを決めて喜ぶ相駿大学附属中学のナインに呆然とする継続高校中等部の中で真は『すいませんルミ先輩、約束守れませんでした』と心の中で一言言うと、泣いたり呆然としているメンバーをまとめあげた。
8年前 継続学園艦校内新聞 キートスから抜粋
継続高校戦車道チーム絶対王者黒森峰女学院を敗北寸前までに追い詰める!!!
先に行われた第60回全国高校戦車道大会決勝戦で我が校は最強と謳われる黒森峰をあと一歩で破る寸前までの奮闘を発揮、破れはしたが会場では勝者である黒森峰以上の健闘を称える拍手と声援が我が校に贈られた。決勝戦は黒森峰は上限一杯の20台投入し、我が校も15台投入し5台の差では有ったが戦車の性能面で比較するなら黒森峰の編制はアニマルシリーズが8割を占め、残りも四号駆逐戦車ラングであり我が校の所有する戦車よりも遥かに高性能であったが、ルミ隊長は敢えて撃破ではなく行動不能に重点を置いた戦法を採用、結果黒森峰は撃破されなくても行動不能に陥る車両が続出その過程で9台撃破され残存車両は11台しかし、その時点で戦力として使える戦車はフラッグ車の護衛を含めて僅かに3台、タイガーⅡ2台とフラッグ車のパンターだけであり残りは行動不能で応急修理の真っ最中、この時点で我が校の残存戦力はは僅か5台までに磨り減らされていたが、この機を逃さずにルミ隊長は残った戦力による突撃を敢行、残っていた四号戦車2台、三号突撃砲、BT-42、そしてフラッグ車のT34/76が襲いかかり、四号戦車、三号突撃砲、BT-42がタイガーⅡを拘束しルミ隊長が駆るT34/76がフラッグ車のパンターに肉薄、命中弾を立ち続けに与えそのうちの一発が履帯を破壊し行動不能にし止めの一撃を優勝を決定づける一撃を撃とうとした瞬間に、強引に応急修理を終えたヤークトタイガーの128ミリ砲が火を吹くと128ミリ砲弾はルミ隊長のT34/76の側面を直撃、結果この一撃が敗北寸前だった黒森峰を救った一撃となり、我が校にとっては不運な一撃となったが、試合後黒森峰から「試合には勝ったが、内容的には完敗であり戦車の性能差で勝てたようなもの、同等の性能なら敗北していたのは間違いなく我々だった」というコメントをしており黒森峰という巨人を倒す寸前まで追い詰めたルミ隊長とそれに応えた隊員たちの奮戦と健闘には、心のそこから賛辞と称賛を贈りたい。
中等部野球部、全国大会で3位!!
準決勝の相駿大学附属中学との試合で不運なイレギュラーでサヨナラ負けをした。我が校は3位決定戦で前年度の優勝校長崎県代表サンダース大学附属中学と対戦、試合は乱打戦になり危ない場面もあったが、ここ一番のときに守備の名手として名高く同時にキャプテンである。ショートの上村真がピンチを救い、特に8回表のノーアウト二塁三塁の場面、抜けたと思ったライナーをジャンピングキャッチで捕球ワンアウト、次に走ってきた二塁ランナーをタッチでツーアウト、最後に三塁に投げてスリーアウトというトリプルプレーを披露し、サンダースに傾きかけた流れを止め、結果8回裏の打者一巡の猛攻に繋がり試合を決定付け、サンダース大学附属中学に12対8で勝利した。もし8回表の上村キャプテンのスーパープレーがなければ負けていたのは我が校だったかもしれず上村キャプテンのスーパープレーは勝利を呼び寄せたと言っても過言ではない。
ルミ&真 side
全国大会を終えて3位という結果を残し継続学園艦に凱旋した真たち中等部野球部は、夏休み登校日に全校生徒前中等部、高校の生徒たちの前で戦車道チームと共に健闘を称えられたあとに真は一人ある場所に向かっていた。やがて目的の場所に着くと既に先客が切り株に座って待っており、真の姿を見ると声をかけた。
「よう、少年」
「先輩」そう言うと真もルミの隣に座り暫く黙っていると真は口を開く。
「先輩、約束守れなくてすいません」
「開口一番それか、それを言ったら約束を守れなかったのは私も一緒だ」ルミは少し苦笑を浮かべると「勝ちたかったな少年」と悔しさを込めた口調で答え。
「そうですね先輩」真もまた同様な口調で答えた。
「あと少しで勝てた筈なのに、最後の最後でツキに見放された」
「それを言ったら、此方も予想外の出来事で決勝進出を逃しました」
「お互い悔いが残るな」
「ええ」
「なあ少年、悔し涙を流したいならお姉さんが胸を貸してやるぞ?」ルミが唐突にそんな事を言うと 、真も負けじと言い返す。
「それだったら、先輩こそ泣きたいなら胸を貸しますよ」
「言うな少年、じゃちょっと立ってくれないか?」
「えっ、はい」真は立ち上がりルミも立つと真を見上げる。
「結構、背が伸びたな少年、去年よりなんセンチ伸びた?」
「去年から10センチ伸びて今は、174です」
「そうか、お姉さんなんかよりも大きくなったな最初に会ったときは、同じ位の身長だったのにな」
「はい、最低でもあと5センチは伸びます」
「なんで?」
「父親と叔父さんは共に179センチなんで、そこまで伸びる筈なんで」
「希望的観測というやつか、それはそうと少年一つ言いたいことがあるんだ。少し聞いてくれないか?」
「なんですか?」
「少年に初めて出会ったときさ抱きしめただろ、アレな抱きしめた後物凄くドキドキしたんだよな。そのときまで男子に抱きつくなんてしたことなかったのに、何故か少年を見ていると放っておくことが出来なかった」そこまで述べるとルミは行き成り真に抱きついた。
「今だってこうして抱きしめているけど、結構心臓がドキドキしているんだ少年」
「先輩、それを言ったら去年先輩に抱きしめたときだって、此方も同じでしたよ。なんで抱きしめたのかいまだにわかりませんけど、こちらも放っておけず単純に先輩がやった事をお返しでしただけです」そう言うと真もルミを抱きしめた。
「抱き返してくれてありがとう少年、それからさ少し泣いていいか少年も泣いていいから、今だけは少年の胸で泣かせてくれないか?」
「いいですよ先輩、此方もキャプテンだから皆の前で泣くわけにはいかなかったんで泣いていいですか?」
「私も隊長だから皆の前では弱気な姿を見せられないから、だから遠慮なく泣けよな」ルミと真の二人は抱きしめながら涙を流した。互いに泣きながらも悔しさや判断ミス、頼れる指揮官を演じる辛さなど、信じ付いてきた人間たちに聞かせられないことをお互い吐き出し、やがて二人が泣き止み真がルミを離そうとするが、ルミは強く抱きしめ真の胸に顔を埋めたままで真に訊いてきた。
「少年、実は言うとな一つ話があるんだ。少年には迷惑な話かもしれないが、でもな訊いて欲しいんだ頼む」
「先輩、なんですか?」
「私の事をどう思う?」
「どうと言われても端的に言うと」
「言うと」
「陽気で明るく皆を引っ張るリーダーシップと責任感を持っている人ですが、人知れずプレッシャーに負けないように自分を鼓舞することが出来る人てすか」
「プレッシャーに負けないか、負けそうになったときに少年に悩みを聞いて助けて貰ったことには、本当に感謝しているんだ」
「それを言ったら、落ち込んでいるときに先輩に抱きしめられてその後に色々と相談に乗ってくれて助けてくれた先輩の気遣いには、本当に感謝しています」
「そうか、じゃ少年についても人一倍の努力家で事故で怪我を負ったハンデに負けず、悔しさをバネにしてキャプテンにまでになり勉強も出来る文武両道の上に誰よりも強い心の持ち主」
「そんな言わないで下さい先輩、そんな人間じゃないです」その言葉に困った表情を真は浮かべた。
「事実なんだから受け入れろ少年、で此処からが本題なんだが年上って好きか?」
「好きと言っても色んな表現が有りますけど先輩に関しては、ハッキリ言いますけどLIKEじゃなくてLOVEです。正直先輩の事が好きです大好きです。最初に会ったときに行き成り抱きつかれたときにはなんだこの先輩と頭にきましたが、さっきも言ったように戦車道の練習試合で戦略や戦術の重要性を違った視線で見られるようになり野球にも生かせられましたし、理解出来ない事もしっかり解るまで教えてくれた先輩には感謝しきれません、そんな先輩にいつ頃から好きになったかと言われると自分にも分かりませんが、此だけは言えます。好きです先輩」真は言うと顔が赤くなるのを自覚し、暫くすると抱きしめる手が緩み小刻みに震え埋めていた顔を上げるとルミは泣きながら言う。
「少年、本当なのか本当に私で良いのか?少年が結構もてているのは聞いているぞ、年上の私で良いのか?」
「モテているのは否定はしませんけど、先輩の事が好きです。何度も言いますが大好きです!」それを聞いたルミは泣きながらも返答した。
「少年私の答えを聞きたいか?」
「はい」
「少年に恋心を抱いたのはいつ頃からかわからない、もしかしたら最初に出会った時かもしれないし、少年に抱きしめられた時かもしれない、確実なのは少年の存在が私の中でどんどん大きく成っていってな決めたんだ。告白するなら黒森峰に勝って胸を張って笑顔で告白を、例え振られても私の気持ちを少年に伝えたかった。でも負けたから告白しても駄目かと思ったが、嬉しい本当に嬉しいよ少年」ルミはもう一度真を強く抱きしめ、真もまた。
「嬉しいのは同じですよ先輩」真もルミを強く抱きしめながら嬉し涙を流し、やがてルミがある提案をする。
「少年、呼び方を変えてもいいか?」
「呼び方ですか?」
「少年じゃなくて真と呼ぶから、少年じゃなくて真もルミと呼んで」
「そんな行き成りルミと呼べなんて」そう当惑した声を出すが
「だったらルミじゃなくて、ルミ姉(ねえ)なら問題ないだろ少年、あ~真」
「じゃ、ルミ姉」
「真」と言うと、再度二人はお互いの鼓動と体温、そして気持ちを確認しながら強く強く抱きしめた。
おまけ
ガールズ&パンツァー最終章第1章の妄想ネタです。完全におふざけで書きます。
BC自由学園の予想外の強さに大苦戦しながらも大洗女子はボロボロになりがらも辛勝し取り敢えず勝利したことに喜ぶ大洗のメンバーたちに予想外の知らせが入る。
黒森峰女学院が負けたという知らせが、そして黒森峰を負かせた相手は継続高校であると、慌てて黒森峰対継続高校の試合経過を確認する。みほ達だったが継続高校のメンバーを見たときに一道声を失い「そんな継続に愛里寿ちゃんが入学してミカさんと共同戦線を」みほは、絞り出すように言う。
そして大学選抜チームのラウンジで「ミカと隊長の関係、継続出身者でも一部しか知らないこと、今年の継続は最強だよ」とルミは一人呟くと他のメンバー、アズミとメグミにどうやって説明しようか悩むのだった。
次回、卒業
独自設定
継続学園艦校内新聞キートス、キートスの意味はフィンランド語でありがとうの意味です。
全国中学野球大会、現実の全国中学野球大会は各地区ごとで代表を決めて出場する為に出場できる中学校は全国でも20数校ほどですが、このSSでは高校野球同様に各都道府県大会を勝ち抜けば出場できます。
相駿大学、静岡県伊豆半島にある中高一貫の大学、戦車道はみほが高校1年生のときに新設するが、ハード面、ソフト面で不足し大学戦車道では満足な戦績が残せずにいたが、この状況に業を煮やした相駿大学長の号令のもとハード面(強力な戦車、それを活かす整備修理支援体制の構築)を強化したがソフト面たる人材の確保に大洗を強豪校に押し上げた、みほを筆頭とするあんこうチームと継続高校のミカを他の大学スカウトを押し退け入学を取り付け、ミカの後輩アキとミッコ、丸山紗希、そして大洗の西住みほの後継者、澤梓と聖グロリアーナのダージリンの後継者、オレンジペコを入学させるという離れ業をやってのけた結果、相駿大学戦車道は黄金期を迎える。
Posted at 2017/11/17 16:53:02 | |
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