2017年12月04日
ガルパンSSその7卒業でふれられていた。ルミと真の初デートがなんでプールになったかの訳と、本来ならその6告白で入れようとしたら長くなりそうなので削ったミカと愛里寿の話で、時系列的にはその6告白から1週間後です。
8年前 石川県金沢港
金沢駅から金沢港行きのバスに乗り終点に着くと乗客たちが降りていき、最後に一人の、年齢は10才前後の少女が降りると停泊している継続学園艦を見上げると「やっと着いた。お姉ちゃん」と言うと、学園艦乗降エレベータに向かった。
継続学園艦乗降エレベータ付近入艦所
その日風紀委員の宮川孝夫(みやかわ たかお)は入艦許可書を持っていない人間は入艦不許可の規則に従い「申し訳ありません入艦許可書を持っていないお方は、入艦出来ません今日のところはお引き取り下さい」と言うが少女、先程の少女が「ここに会いたい人が居るのでお願いします。入艦させて下さい。今日どうしても会いたい」と答え、それを聞いた孝夫は無下に追い返す訳にもいかず、困った顔をすると入艦規則で例外的な一つの規則、年間通しても数えるほどの例しかない規則を思い浮かべると少女に訊ねた。
「学園艦に知り合いがおりますか?その知り合いが貴女のことを証明するのなら、特例として入艦を許可しますが?」
「知り合いですか…、言わないと駄目?」
「はい、更にその知り合いも信用が置ける人物でなければ駄目ですが居ますか?」少女は戸惑いの表情を浮かべつつもやがて一人の名前を上げたが、ちょうど風紀委員の手伝いに駆り出されていた。上村真がその名前を聞くと連絡を取り、5分後目的の人物が戦車道のメンバーたちと基礎体力作りでプールで泳いでいるというのを聞くと真はプールまでその少女を送っていくと言ったが、孝夫も同行すると言い出した。一応規則には風紀委員が直接立ち会って確認しなければいけないという一文がある為、真と孝夫の二人がプールにまで少女を送っていくことになった。尤も真は孝夫のことだから女子の水着姿を合法的に間近で眺めたいという下心があるというのが薄々感ずいていたが、やがてプールに着くと泳いでいる戦車道のメンバーは少なく、目的の人物ルミを真は見付けると少女をルミのところにまで案内しようとした時、少女はプールから上がろうとした一人の女生徒を見るなり走り出し、服が濡れるのも気にせず抱きつき「寂しかった。お姉ちゃん会いたかった!」と言うと、周囲から驚きの声が上がった。
「「お姉ちゃん、ちょっと妹がいたのミカ!?」」そして、それ以上に驚きの声を上げたのは、島田流の基本戦術と教義を取り入れていて島田流と関係が深いルミだった。
「なんで島田師範の娘さんの愛里寿さんがここにというか、確か一人娘で姉なんて居ないのにどういうことだミカ!!」そんな周囲の喧騒にミカはいつも通りの飄々とした態度と聖母のような笑みを浮かべると、抱きついてきた少女、島田愛里寿の頭を優しく撫でていた。
30分後、その場に居た戦車道のメンバーとそして真と孝夫が、プールサイドのベンチでミカと愛里寿が何かを話しているのを遠巻きで眺めつつもミカから告げられた内容に、一同唖然としており、真は隣のルミに訊いた。
「先輩、知っていましたか?」
「知る訳ないじゃない少年、私だって今始めて知ったわ」そう答えるも信じられないという響きがあった。
余談だが真とルミは、付き合っている事実を周囲には隠していて(知れたら周囲から何を言われるか分かったもんじゃなく)名前も二人きりのときは真、ルミ姉と、人が居るときは少年、先輩と使い分けていたが、慣れないうちに思わず言ってしまいバレそうになったが慌ててごまかしたのだが、問題なのは聞かれたのがカンが鋭いミカの前で言ってしまい今後どうなるかは、ルミと真には予想がつかなかった。
そんな会話をしつつも、ミカから告げられた内容を一同思い出していた。
『島田流本家の血筋で、分家に嫁いだ島田千代の妹の娘がミカか…確かにあの動きと判断の早さは島田流そのものだわ』
『そんでミカが4才の時におふざけで戦車に乗せたら、天才的なセンスを発揮した事が島田流のお家騒動の火種になったと』
『これを見た分家筋の一門が、本家にミカを次期後継者として擁立しようと詰め寄ったと』
『本家の方でも後継者が産まれるていたが、才能に関しては海のものとも山のものとも知れず。分家筋のミカ後継者工作運動が更に加速』
『結果的には後継者の愛里寿がミカと同様の才能を周囲に見せ分家筋の後継者工作運動を下火にし』
『そんな周囲の騒動の最中でも、ミカは愛里寿のことを実の妹のように可愛がり、愛里寿もミカを姉のように慕い一緒に戦車道を学んでいたが』
『分家筋の一部強硬派は愛里寿はミカと同じレベルとして跡取りならミカより遥か上の実力を示さなければダメだと認めず、再度ミカを次期後継者候補にしようと画策したけど』
『これらの画策に程々嫌気がさして、ミカが12才の時の新年の挨拶で本家、分家の前で堂々と愛里寿を正当な後継者として認める発言をして、同時に分家筋の後継者工作運動を糾弾したが』
『自分が居ると今後、余計な争いや混乱を招き実の妹のような愛里寿を悲しませたくないと、自らの意思で家を出ることを決意』
『出るさいに愛里寿に《寂しくなったり挫けそうになったら来るように》と言い残してウチの学校に単身入学したと』ミカと愛里寿が姉妹のように振る舞っているのを眺めながらルミ、レミ、ルカ、トウコ、リリ、ハヅキ、ヤヨイ、ナツミ、アキ、ミッコは聞かされた内容に島田流の内紛を垣間見ていた。
「流派のお家騒動に巻き込まれれば、ああいう人格というか性格になるのか、というかならざる得ないか」真はミカを見ながら、絞り出すような声で言うと孝夫が口を挟む。
「それはそれ、これはこれだ。人生というのは色々、決断も様々だが、それにしても」
「それにしてもなんだ?」同級生で友人の発言に真が訊ねたが、何故か言いそうなことは分かってしまった。
「水着姿のミカ、メチャクチャ良くないか?」断言するように言うと、真は予想が当たったかと思うと風紀委員がこんな発言したら不味くないかと何かを言う前に孝夫が続ける。
「反則だろ、あのスタイルは!と言うかなんだ、あの胸の大きさは!」
「そんな事…」
「そんな事ではないぞ真、年頃の男子から見たらあのバストは堪らん」
「真顔で、そう言われても説得力が…」
「真《おとこのこだもんしかたないよ》の精神だ、それにあれを見たら他の女子なんてまな板だぞ、まな板!」それを聞いた真は何故か、某〇腕ダッシュの発言を思い出したが、孝夫の後ろを見たら顔色が変わり「言いすぎだ、訂正した方が良くないか?」と言葉を選びフォローするが「何を言っている真、事実を言って何が悪い!」その事に気付かない孝夫は、断言するように言うと真は「骨は拾ってやる、グッドラック」と親指を立てると、その行為が分からず孝夫は首を傾げる。
「おい、真ほね…」そこまでしか言えなかった。両肩をガシッと掴まれると同時に怒気いや殺気を含んだ声がかけられた。
「まな板、まな板って誰のことかしら?」
「それより目の前にいる馬鹿をどうすればいい?」
「ロープ持ってきて縛る」
「そんで縛ったらどうする?」
「取り敢えず的にしようか」
「いいね~その案」
「普段は止めるけど、今回は止めないわ」
「演習場は、使えたよね」
「風紀委員という名の変態相手に実弾演習、許可する」ハヅキ、ヤヨイ、ナツミ、アキ、ミッコ、トウコ、リリ、ルカ、レミが口々に言うと、あっという間にロープで孝夫をす巻きにして抱えて演習場に連れていき、その間にも「俺が悪かった!許してくれ!!死にたくない!!!」孝夫は懇願の声を上げるが抱えている一同には届かず、それを見ていた真は『医者の手配、いや葬儀屋に連絡を取るか自業自得だが』相当ひどいことを内心で思い、ふとミカに視線を向けるとついつい胸に目線が向いてしまい思わず「ヤッパリ大きいな」と呟いたら、ルミが真の前に立つと「部外者は退散、退散、久しぶりの再会を邪魔しちゃダメダメ」と真の手を引っ張りながらがあとにするが、その際小声で「真、初デート場所何処か泳ぎにいかない?場所は追って連絡するから」言い終えると物凄くいい笑顔で真に笑いかけるが、その笑顔に何故かルミの怒りを感じてしまう真だった。
1週間後 金沢市郊外 某屋内プール
初デートは映画を観て、買い物したり、何処か適当な所で食べようかなと考えていた真は、ルミから初デート場所を屋内プールに変更され、そしてプールに行くまでの間ルミとは必要最低限の会話しかせず、着くと先に着替えた真はプールサイドでルミを待っている間に先週の一件、愛里寿の来艦以来ルミは機嫌が悪いように真は思え、そんな事を考えながら待っていたら「真、お待たせ」と照れくささと恥ずかしさが混ざった声がかかり、真はルミを見ると色は水色と白と黒だが、大胆なデザインのビキニ姿のルミが立っており、少し顔を赤くしながら訊ねてきた。
「この水着どう真?」
「少し大胆じゃないかな~ルミ姉」ルミの水着姿に、ドギマギしながら答えた。
「大胆…私だってこの水着結構恥ずかしいんだぞ真」
「だったらなんで着たの?」
「先週の一件を忘れた真、水着姿のミカの胸をガン見していただろミカと比べたら、そんなに大きくはないけど好きな人には、そのなんだな…」最期の方は少し小さな声で言うと真は先週の件を、思わずミカの胸を見ていた事を思い出した。余談だがミカと愛里寿は、その後一緒に夕食を食べてミカの部屋で1泊したあとにミカに見送られて帰っていった。それを思い出した真は失敗したという顔になり、そんな真に追い討ちをかけるようにルミが言う。
「結構ショックだったんだぞ真、やっぱりスタイルの良い方が好きなのかな~って」
「そんな事ないから許してルミ姉」それを聞いた真は全力で謝りつつも、ルミが眼鏡をかけてないことに気付くと真はルミに「でもルミ姉は眼鏡をかけてない方が、好きだな」と言うと、ルミは顔を更に赤くしながら答えた。
「眼鏡をかけてない姿は、その~好きな人だけにしか見せないの、だから、あ~もう真、泳ぐわよ!」そう言うとルミはプールに飛び込み泳ぎ始めると、その後を「待ってよルミ姉」真が続けて泳ぎ出した。
独自設定
ミカの母親、島田佳代(しまだ かよ)、島田千代の妹で島田流分家の寺本家に嫁ぐが、実家から寺本家は近いために幼い頃のミカは愛里寿が産まれると愛里寿の面倒を見によく本家まで足を運んでいた。
ミカの高すぎる才能が原因で島田流にお家騒動が発生し、母親の佳代と父親とミカは徹底的に話し合い結果、居ると火種を残すことになるためミカは家を出る決意を固め、佳代は力になれない自分の無力さに涙すると、バカなお家騒動を起こした分家連中に千代と共同で荒療治を断行して、島田流の膿を出すことに尽力する。
嫁ぎ先の寺本家、モデルは日本戦車よもやま物語の著書から採りました。
作者から一言
明日の最終章に間に合った。ミカと愛里寿は従姉妹説を個人的に採用している手前、島田流のお家騒動を絡めました。しかし強引すぎるかな?
あと、それからルミの眼鏡なしバージョンの水着姿のイラストは戦車道大作戦から参照
Posted at 2017/12/08 18:52:10 | |
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