2018年02月25日
PS4のガルパンゲーム、ドリームタンクマッチでルミが継続高校出身と明言されたので番外SSを投下。
ガルパンSS 参照
茨城県大洗町とあるホテル 一日目
ルミが真を押し倒して既成事実を作ろうとした一件が、島田流家元島田千代の耳に入り直々に取り調べを受け、その過程でルミが真と別れさせられるのではと思い、千代に涙ながらに別れたくないと直訴し、同席した真もまたルミを庇う発言をした結果、千代は二人に三枚のチケットを渡した。1枚目はボコミュージアム一日券、2枚目は大洗マリンタワー三階入場券、そして3枚目は大洗町のとあるホテルのツインルーム二泊三日の無料宿泊チケットを前に二人は言葉を暫し失うと千代が爆弾を投下する。
「二人の気持ちは分かりました。そうね今度の三連休に行って気持ちをよく確かめなさい。確かめる最中に必要以上に羽目を外さないように行動なさい」それを聞いた二人は絶句した。そして、列車に揺られて大洗に着き取り敢えず宿泊するホテルに行こうとした時に真の顔色が悪いことにルミが気づきおでこに手を置くとルミは顔色を変えると、真の手を引っ張りタクシーに乗ると病院まで真を連れていき診察を受けさせた結果、風邪だと判明し医者から薬の処方せんを貰い、安静にするように言われたが、今から地元に戻るには距離がありすぎるので、宿泊先のホテルにチェックインし部屋に入ると真をベッドに寝させ額に濡れタオルを乗せると看病に必要な品の買い出しと薬の処方に出かけ、戻ってくると真はトイレから青い顔で覚束ない足取りで出てきた。
「ルミ姉ごめん…」真はすまない顔でルミに謝るが、ルミはそんな真に首を振った。
「気にするな、それはそうと吐いた?」
「うん、少し吐いた」
「だったら早く横になって」ルミは真をベッドまで連れて寝させると買ってきた品物を各種ゼリー飲料や水分補給のスポーツドリンク一式に冷却シート等々、薬を出すと訊ねた。
「真、お腹になにか入れておく?」
「食欲がないから要らない」
「そうか」言うとルミは真のおでこを触ると訊いてきた。
「熱が高いな、いつ頃から体調が悪かった?」
「一昨日まで問題なかったけど、昨日の夕方頃からちょっとおかしいなと思っていて今日起きたらさ、少し頭痛がしたけど大丈夫だと思っていたら」
「だんだん具合が悪くなっていったと、しょうがないなお姉さんが看病してやるぞ♪」
「そんな悪いよ、ルミ姉だけでも楽しん…」
「一人で観光しても楽しくないや、真と一緒じゃなきゃつまんないからな」ふくれっつらで言ったルミの表情に、真は再度謝った。
「うん、本当にルミ姉ごめん」
「気にするな真、こんな旅行も悪くないさ」そう言うとルミはおでこの汗をタオルで拭くと冷却シートを貼り、残りの冷却シートとゼリー飲料やスポーツドリンク等々を部屋備え付けの冷蔵庫に放り込んだ。
二日目
真が熱を出してホテルのベッドで寝込むこと二日目の昼、ルミは冷却シートを取りおでこに手をやり、フロントに連絡して借りた体温計で体温を計ると、熱が昨日より明らかに下がっているのを確認すると軽口を叩く。
「薬が効いたのか、それとも私の看病が良かったのかな?昨日より熱が随分下がっているな」
「うん、昨日より良くなっているのが分かるよ。ルミ姉の看病も良かったから」真の返答を聞くと冷蔵庫に入れてあった冷却シートを取り出して、おでこに貼るとルミは機嫌のいい声で応えようとした時にノックの音が響くとボーイが言う。
「ルームサービスです。ご要望のお食事をお持ちしました」
「ありがとう、部屋の前においといて」
「畏まりました」ボーイが答えると持ってきたワゴンを部屋の前に置いて立ち去ると、ルミは扉を開けてワゴンを室内に入れた。
「本来なら作ってあげたかったけど」
「ルミ姉の料理の腕は独創的だから」
「それって遠回しに料理が下手だと言ってない真、まあ事実だから否定はしないけど」ワゴンに乗せてある皿のドームカバーを取ると中にはミニサイズの土鍋があった。
「昨日から食事といったらゼリー飲料かリンゴしか腹に入れてないから、胃に負担の係らないお粥なら食べても大丈夫だろ?」
「ありがとうルミ姉」真はお粥を取ろうと寝ているベッドから身体を起こすが、何故かルミはベッドに腰かけると土鍋の蓋を開けた。
「真、私が食べさせてあ・げ・る」
「いいよルミ姉、自分で食べるから」
「ダメ?リンゴは食べてくれたのに…」涙目上目遣いで見詰められると真は白旗を上げた。
「分かったよルミ姉」
「任せろ真、ほらあ~んして、あ~ん♪」
「は~い」答えると真は口を開けて、ルミにお粥を食べさせて貰った。
三日目
目が覚めると安静にしていたのが良かったのか、少し頭痛はするが一昨日、昨日と比べたら体調は遥かに良くなっており身体を起こすとベッドサイドには年上の恋人、ルミが眠っており、起こさないように二日間洗ってない身体を洗いたいのでシャワーを浴びようとバスルームに行こうとした時に、ルミは寝言を発した。
「良くなって真」それを聞いた真は、寝ているルミの指先、昨日の朝リンゴを剥いて食べさせてくれたのだが、その際に果物ナイフで付いた切り傷に絆創膏が貼ってあり、一昨日、昨日とルミが看病してくれたことを感謝すると頬を優しく触る。
「ルミ姉ありがとう」その後バスルームに入り、熱いシャワーで全身をくまなく丹念に洗ってバスルームから出て着替えをしていたら、ルミが目を覚ましベッドに真が寝てないのを見ると慌てて眼鏡をかけて室内を見回したら、ちょうど着替えを終えた真を見ると声をかけた。
「大丈夫なの真!熱はどう平気!?」
「大丈夫だよ。ルミ姉が看病してくれたお陰で治りも早かったよ。尤も本調子じゃないけど結構体調は快復したよ」そこまで言うと真は、ルミの服が一昨日の服と変わってないのに気付いた。
「もし良かったらシャワー浴びてきたら?身体を洗ったら結構サッパリしたから、ルミ姉もどうかな」
「なんで?もしかして私って臭う!?」
「いや臭うはないけど、着替えるのを忘れて看病ありがとうルミ姉」真は心の底から感謝の言葉を言うと、ルミはホッとした表情になると真に抱き付いた。
「真、今度から気を付けろよな」
「うん、もしルミ姉が寝込んだら今度は看病するから」
「言ったな、じゃお言葉に甘えてシャワー浴びてくるか」抱き付くのを止めて、ルミはバスルームに向かう途中でポツリと呟いた一言が思ったよりも室内に響いた。
「覗くなよと言いたいけど、真になら」
「えっ、ルミ姉、それは」
「ば、ば、ばか、それはだな~、え~と」
「ルミ姉、そう言われると、え~と」真は病み上がりの青い顔を真っ赤にし、言ったルミもその場でしどろもどろになるが、それでも気を取り直した。
「と、と、兎に角!覗きたいんなら覗いてもいいし!いっ、一緒に入りたいなら一緒に!!」そう怒鳴るとルミはバスルームの扉を乱暴に開けて入り、一人残された真はどうしたら良いのか一人頭を抱え、バスルームに入ったルミもなんであんなことを言ってしまったのか、此方もシャワーを浴びるのを忘れて頭を抱えた。
三日目昼過ぎ 大洗 味の店たかはし
その後、覗いたり一緒に入ることもなく宿泊していたホテルをチェックアウトすると1500時には大洗を離れなければいけないので、大洗磯前神社を経由してボコミュージアムに行くと結構な人が並んでおり見るのを諦め行き先を水族館、大洗マリンアクアワールドに変更して過ごしお昼ご飯も館内で済ました後は大洗マリンタワーに行き、今は大洗の名物にしてソウルフードでもある。みつ団子、小麦粉で作った団子にみつ(みたらし団子のそれに近いもの)ときな粉をまぶした団子で大変美味しい上に1本60円というお財布に優しいリーズナブルな値段に足繁に通うリピーターも多い味の店たかはし(ボコミュージアム以外はダイレクトマーケティング)、その横にある屋外飲食スペースにルミと真の二人は居り、みつ団子に舌鼓をうち食べ終わると真が口を開く。
「ルミ姉、大洗の旅行が大半看病で本当にごめん」
「いいの、いいの真が良くなったから気にしてないわよ」
「でも…」真が本当に済まない顔をしているとルミは、あることを思い付いた。
「次はしっかり体調を整えて旅行を楽しみましょう真、それから呼び方を変えてくれないかな、ルミ姉じゃなくてルミって呼んで」
「えっ、ルミ姉」
「だからルミって呼んで真」
「ル、ルミ」少し照れながらも呼ぶとルミは身を乗り出した。
「ご褒美」言うと否やルミは真にキスを時間にしたらほんの数秒ほどのキスをすると、ルミはイタズラっぽい笑みを見せ、そんなルミにキスされた真も口に手を当てるとルミに答えた。
「みつ団子の味がした」
「ばか、他に…」何か言おうとしたルミの口を今度は真が、キスで塞いだ
「お返しだよ。ルミ姉じゃなかったルミ」
「やったな真」そう返したルミの口調は、この旅行の中で一番明るく、嬉しそうであった。
Posted at 2018/03/05 18:05:22 | |
トラックバック(0) | 日記